カカオの7つの効果効能に驚き!【アレルギーに注意しよう!】
<監修医師 春田 萌>
チョコレートやココアなど、私たちの生活にはカカオ原料のものが多くあります。その効果効能は実に多様で、嬉しい効果が多くあります。以下にカカオに含まれる成分とその効能、アレルギーなどの注意点を解説したいと思います。
カカオはこんな植物
カカオとはチョコレートやココアの原料で有名ですが、常緑樹であるカカオの木になる種子から作られます。果実はラグビーボール様の形で、長さ20㎝弱、縦に溝が入っています。
厚さ1㎝以上もある硬い殻の内部は5室に分かれており、白くて甘い果肉の中に長さ3㎝弱の卵型の種子が30〜50個ほど入っています。
カカオの花はあまり注目されませんが、1〜2㎝ほどの小さな黄色い花が幹に直接ついた状態で咲きます。香りがなく、結実するものは200〜300花に1つほどしかないといわれています。
開花時期は通年で、熱帯地域が原産地となります。樹高は約10mで、幹の太さは10〜20㎝ほどです。常緑樹でありながら、年中落葉しており、半日陰を好む変わった木です。
カカオにはこんな成分がいっぱい
ポリフェノール
カカオに含まれるポリフェノールはカカオポリフェノールと呼ばれ、エピカテキンをメインとする何種類かの化合物の混合物でフラバノールとも呼ばれます。
抗酸化作用によりLDLコレステロールが活性酸素によって悪玉化して起こる動脈硬化の予防や、血管を拡げる作用により高血圧や冷え性、血栓予防が期待されます。またリラックス効果もあります。
テオブロミン
脳に刺激を与えて神経の緊張を和らげ、ストレスに強くなる効果や集中力アップ、満足感、幸福感、リラックス効果を与えてくれるといわれています。
自然界でテオブロミンが含まれているのは唯一カカオだけといわれており、癒し物質であるセロトニンの分泌を促進させる働きを有しています。また集中力や思考力を高めるとされ、カフェインと似た覚醒効果も併せ持ちます。
カフェインの効能についてはこちらを参考にして下さい。
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食物繊維
あまり知られていませんが、食物繊維も豊富に含まれます。これにより便秘の改善や腸疾患の予防効果が期待できます。
ビタミン、ミネラル
カルシウム、鉄、ビタミンE、ナイアシン、マグネシウム、亜鉛、リンなどの必須ミネラルが豊富に含まれます。これらの働きによりアンチエイジング効果が期待されます。
ブドウ糖
脳を働かせるためのエネルギー源である栄養素のブドウ糖も含まれます。これは神経伝達物質であるアセチルコリンの材料にもなります。
カカオの7つの効果効能に驚き!
動脈硬化・がん予防
カカオポリフェノールにはカテキンと似た構造を持つエピカテキンが含まれており、善玉コレステロールを増やすことや血圧を下げる効果が認められているため、動脈硬化の防止に期待できます。
また抗酸化作用により、体内の活性酸素により引き起こされるとされるがんの予防効果も期待されています。がんになる前に細胞を回復させ、身体の調子を整えてくれるといわれています。
アレルギー抑制
アレルギーやリウマチも活性酸素により引き起こされるといわれているため、アレルギー抑制効果のあるカカオでは、予防に期待されます。
リラックス効果
カカオポリフェノールがストレスホルモンの分泌を抑える作用があります。
ストレスを感じる場面に遭遇する前に摂取しておくとストレス予防の効果もありますし、すでにストレスを感じている場合でもストレス反応が緩和されることも明らかになっています。
認知症予防
カカオポリフェノールにより脳細胞を酸化し損傷を与える活性酸素が抑えられ、認知症予防に効果があるといわれています。
アンチエイジング
カカオポリフェノールにより活性酸素が除去されるため、肌のくすみやシワなどの老化防止効果、美肌効果が期待できます。
美肌効果が期待できる食べ物についてはこちらも参考にして下さい。
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ダイエット
食物繊維が豊富に含まれるため、便秘の解消に役立ちます。またカカオポリフェノールにより代謝が良くなるため、ダイエット効果も期待できます。
代謝が良くなることで血流が良くなり、冷え性の改善にもつながります。食前に摂取することで、食欲抑制効果もあるといわれており、肥満予防も期待できるでしょう。
虫歯予防
チョコレートを食べると虫歯になると思われがちですが、虫歯になるのはカカオではなくチョコレートを作る際に入れる砂糖が原因です。
口内に残った砂糖により虫歯になるので、逆に言うと口内に糖分を残さなければ良いのです。白砂糖は虫歯になりやすいですが、黒糖に含まれるラフィノースというオリゴ糖の一種には虫歯予防の効果があります。
またカカオには元々ピロリ菌や大腸菌を殺傷する抗菌作用があるといわれており、さらにカカオバターには虫歯菌の一種である連鎖球菌の活動を抑える働きがあることも明らかになっています。
そのためチョコレートには虫歯予防の効果があるといえるのです。
チョコレートアレルギーに注意して!
チラミン
赤ワインやチーズにも含まれている物質で、血管の収縮作用があります。効果が切れると血管の拡張を引き起こし高血圧発作を誘発するといわれています。
チラミンに過敏反応を起こす方は、少量のチョコレートでも腹痛や頭痛が起こりうるので摂取には注意が必要です。
チラミンにより血管が拡張した後に気道の粘膜が腫れて炎症を起こすと、少しの煙や埃にも過敏に反応し気管支喘息発作が起きる可能性もあります。
気管支喘息の症状についてはこちらを見て参考にして下さい。
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ニッケル
チョコレートを食べることで金属アレルギーが悪化する恐れがあるといわれています。これはカカオに含まれているニッケルが原因です。
テオブロミン
テオブロミンは気管支喘息治療薬に使われているテフォリンと同じ成分を有しています。
通常テオブロミンは血液の流れを良くしたり冷えやむくみに効果があるといわれる成分ですが、興奮作用も併せ持つため、大量に摂取することで胃腸がうまく働かなくなったり吐き気や頭痛が現れたりします。
テオフィリンを服薬中にテオブロミンも摂取すると副作用が出やすくなるため注意が必要です。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸により脂肪酸の代謝が悪くなるため免疫力が低下し、その結果アレルギー症状が引き起こされるといわれています。
善玉コレステロールを減らし悪玉コレステロールを増やす作用があるため、他の脂肪酸とのバランスが崩れ心臓疾患のリスクが高まります。
蕁麻疹・湿疹
蕁麻疹や湿疹が現れることがあります。しばらくチョコレートを摂取するのを控えましょう。
くしゃみ
チョコレートのアレルゲンが原因となりくしゃみが出ることがあります。
これがアレルゲンに反応したB細胞がIgE抗体を作り、IgE細胞と結合した肥満細胞が放出するヒスタミン、ロイコトリエンといった炎症を引き起こす物質が原因となります。
ヒスタミンが鼻の粘膜にある知覚神経を刺激し、くしゃみが起こります。
アレルギー検査
✅ IgE検査:血液検査の一つで、一度に複数の種類のアレルギー食品を調べることができるので比較的簡単で短期間に検査を行えます。
✅ パッチテスト:皮膚に直接アレルギー物質を貼り付けて48時間または72時間が経過後、アレルギー物質を貼り付けた場所が赤くなるかどうかを検査します。
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治療法
✅ 除去食療法:食物除去とはアレルギー症状が起こらないよう原因となる食べ物を摂取しないというものです。
✅ 減感作療法:病院へ行き経口負荷試験を行うことで発作が誘発される量を調べ、それを基準に専門医の指導を受けながら徐々にアレルゲンを摂取することで体をアレルゲンに慣れさせるという方法です。
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