コンビニ弁当の添加物って本当に危険?【ランキングも紹介】
女性の社会進出、高齢化、単身世帯の増加などによって、もはやコンビニやスーパーなどで安く、早く、簡単に手に入るお弁当やお惣菜などは生活に欠かせないものとなっています。
ところで、皆さんは食品の成分表をきちんと見ながら商品を買っているでしょうか。保存料、着色料、pH調整剤など、安く簡単に手に入るものには必ず添加されているのが食品添加物です。
今回はこの食品添加物を取り上げます。そもそも食品添加物とは何かといった基本的なことをはじめ、現代人が食品添加物とどのように付き合っていけばよいかなどを説明します。
気になる所から確認してみよう
そもそも添加物って何?
まず、食品添加物の概要について説明します。
食品添加物の定義
食品衛生法によれば、食品添加物とは「食品を製造する過程」または「食品を加工・保存」する目的のため、食品に添加・混和するものと定義されています。
私たちが購入する食品の成分表示には、保存料、甘味料、着色料(色味を良くするためのもの)、香料(香り付けするもの)などとして記載されています。
(食品表示法という法律によって、平成27年4月からこのような食品添加物を食品に表示することが定められています。)
現在、食品添加物として使用が認められている品目は1,000種類以上に上ります。
国の食品安全委員会によって、人の健康を損なう恐れがないように成分規格や使用基準値が定められています。また、定期的な食品添加物の摂取量についても調査が行われています。
食品添加物の分類
平成28年10月時点において、日本で使用されている食品添加物は、①厚生労働大臣によって安全性や有効性を確認された「指定添加物(全454品目)」、②長期に渡って使用されてきた「天然添加物」に分類されます。
②の天然添加物は、さらに③「既存添加物(全365品目)」、④「天然香料(約600品目)」、⑤「一般飲食物添加物(約100品目)」に分類されます。
①指定添加物
指定添加物には合成添加物だけでなく、天然添加物も含まれます。ビタミンC(L-アスコルビン酸)、亜酸化窒素、亜硝酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどが当てはまります。
③既存添加物
カフェイン(苦味料など)、カラメル(着色料など)、ウコン色素(着色料)、カテキン(酸化防止剤)などが当てはまります。
④天然香料
動植物から採取できる天然の物質で、香料として使用されます。カカオ、バニラ、ターメリックなどが当てはまります。
⑤一般食物添加物
食品添加物としてだけでなく、食品としても食べられることがあるものです。寒天、カゼイン、果汁などが当てはまります。
天然添加物でも危険な成分はある
既存添加物の品目数の変化
見出し1で述べたように、平成28年時点では指定添加物として指定されている品目数は365です。
しかし、20年前の平成8年当初は489目と今よりも100品目以上多かったのです。
これは、食品安全委員会が定期的に行っている検査(食品健康影響評価)によって、「安全性が問題視されたもの」や「使用実態がないもの」については適宜削除しているためです。
これまでに既存添加物から削除された品目とは
アカネ色素という色素成分には、遺伝毒性や発がん性(特に腎臓)が認められたため、平成16年に既存添加物から削除されました。
コンビニ弁当によく使われている添加物
ここでは、コンビニなどで安く手に入る食品に含まれる食品添加物の一部についてまとめます。
加工肉と亜硝酸ナトリウム
食品添加物として使用される亜硝酸ナトリウム(別名:亜硝酸ソーダ)は、主に肉加工品(ウインナー、ソーセージ、ハムなど)に使用されています。
原料となる肉の色素の固定(加熱や酸化によって褐色になるのを防ぐ)、風味づけ(肉独特の臭みを消す)、ボツリヌス等の細菌の繁殖防止などの目的があります。
劇物に指定されており、致死量は2gです。常識的な量の加工肉を毎日食べても中毒に陥ることはありません。
ただし、高濃度の亜硝酸ナトリウムの溶液を飲むと中毒症状(頭痛、吐き気、意識障害など)を引き起こします。また、太陽光などと同レベルの発がん性が認められています。
パンとイーストフード
食品添加物として使用されるイーストフードは、パン類(食パン、菓子パン、調理パンなど)に使用されています。
製造過程でイースト(酵母のこと)を活性化させるために使用されます。イーストフードによって、パンを早く大量にふっくらと製造することが可能となります。
実はイーストフードを細かくみると、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムなど計16種類の添加物をまとめてイーストフードとして表記しています。
通常は、この中から2~5種類を使用しています。しかし最近は、「イーストフード不使用」と記載されたパン類もコンビニ店舗で見かけるようになりました。
増粘多糖類が含まれる食品
増粘多糖類は、食品の食感・粘り・とろみを調整する目的で添加されます。惣菜、缶コーヒー、ジャム、プリンなどに広く使用されています。
ニコチール色素が含まれる食品
ニコチール色素は、食品に橙~赤紫色をつけるために添加されます。清涼飲料水、食肉、かまぼこなどのうち、赤みを帯びている食品に使われています。
リン酸塩が含まれる食品
リン酸塩は多くの加工食品に対して結着剤、乳化剤、酸味料、pH調整剤として使用されています。缶詰、ねりもの、麺類、清涼飲料水など多岐に渡ります。
リン酸塩の過剰摂取は体内のカルシウムの吸収を阻害するため、発育を阻害したり、骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。
また、リンが石灰化を起こして腎臓に負担をかけ、腎障害や尿路結石を起こすこともあるため注意が必要です。
1. 結着剤
タンパク質食品の弾力を高めたり、変性を防止するために使用されます。
2. 乳化剤
牛乳、バター、ホイップクリームなどが乳化した食品です。
3. 酸味料
酸味を付けたり、酸味を調整する目的で使用されます。
4. pH調整剤
食品の腐敗や変色を防止する目的で使用されます。
コンビニ弁当の添加物ランキング!
ここでは、店舗数の多いセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ3社に焦点を当て、各社の食品添加物への取り組みについてまとめます。
セブンイレブン(店舗数1位)
セブンイレブンは、平成13年から弁当への保存料・合成着色料の使用を中止しています。品質確保の目的で、一部の商品には天然色素であるカラメルやクチナシなどを使用しているとのことです。
ファミリーマート(店舗数2位)
ファミリーマートは、食品添加物の使用状況に関する記載についてホームページからは見つけることができませんでした。
一例として、プライベート商品である鶏そぼろ弁当については、セブンイレブンやローソンと同様に合成着色料や保存料の使用はありませんでした。ただし、天然色素成分であるカラメルやニコチールは使用しています。
ローソン(店舗数3位)
ローソンはプライベートブランド商品(弁当、おにぎり、寿司、料理パン、惣菜、サラダ、調理面、パスタ)について、食品添加物の削減に取り組んでいるとのことで、現在保存料・合成着色料は使用していません。
大手コンビニ3社と食品添加物について
近年の健康意識や食の安全への高まりを受けて、上記3社のコンビニは保存料や合成着色料の使用については控える傾向にあるようです。
しかし、見出し3までで述べてきたように、食品添加物全体で見れば、pH調整剤や甘味料などその他にも多くの種類の添加物が存在します。
残念ながら、具体的に個々の商品について、どの食品添加物をどのくらい添加しているかまでは知ることはできませんでした。
コンビニ弁当は危険?嘘?本当はどっち?徹底比較
1日3食コンビニ弁当のみを食べた場合
仮に1日3食ともコンビニ弁当で済ませたとします。一般的なコンビニ弁当は炭水化物(米・パン・麺)や脂肪分(揚げ物・肉類)が多めなため、1日に必要なカロリーだけは補えます。
しかし、野菜・海藻・きのこ類・豆類・乳製品・果物などが不足しているため、ビタミン・ミネラル類は不足してしまいます。
ある調査によれば、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛のすべてのミネラルが1日の必要量を下回り、このような食生活を続けた場合は、ほぼすべての人に健康障害が生じる可能性があると報告しています。
ミネラル不足によって生じる健康障害とは
ほんの一例ですが、ミネラル不足のサインを紹介します。
1. 鉄や銅の不足
貧血気味になり、めまい・立ちくらみを起こしやすくなります。)
2. 亜鉛の不足
脱毛・抜け毛が多くなります。また肌荒れも起こしやすくなります。その他、味覚障害(食べ物の味がわからなくなり、食事が楽しくなくなる。)も現れます。
3. カルシウムやマグネシウムの不足
足がつりやすくなります。
4. 様々なミネラル不足
疲れやすくなります。また、気分が不安定になったりします。
このように、コンビニ弁当だけを食べていると、体に必要な栄養素を補えないため、ある意味では栄養失調に陥ることになります。
ミネラル不足と食品添加物
すでに様々な加工食品にリン酸塩という食品添加物が含まれることは述べました。体内に入ったリン酸塩はカルシウムの吸収を阻害します。
つまり、そもそもミネラルが不足しているコンビニ弁当は、食べ過ぎによって体内のカルシウム不足を助長することになります。
したがって、コンビニ弁当だけでは補えない栄養素(ビタミン・ミネラル)を他の食材でしっかり補わなければ危険と言えるでしょう。
弁当以外にもコンビニ食材は添加物が多めです
最後に、弁当以外の食材に含まれることの多い食品添加物について紹介します。
おにぎり
おにぎりの米そのものに添加されることの多いのは、アミノ酸、pH調整剤などです。アミノ酸は、米のツヤ出しや保存性を高める目的で、グリシンという種類のアミノ酸が使用されることが多いようです。
また、おにぎりの具(梅、鮭、ツナなど)によって添加物は多少異なってきます。
菓子パン・サンドイッチ
菓子パンやサンドイッチに添加されることの多いものは、イーストフード、酵素、乳化剤、セルロース、増粘多糖類(ペクチンなど)、酸化防止剤(ビタミンCなど)、人工甘味料(スクラロース、アステルパームなど)、香料などです。
(ここに挙げたものは、サンドイッチの具、菓子パンの種類によって食品添加物の数や種類が増減します。)
インスタント麺
カップ麺に含まれる食品添加物としては、かんすい(※1)、酸化防止剤(ビタミンEを使用していることが多い)、クチナシ色素、炭酸カルシウム(※2)、ゼラチン、アミノ酸、カラメル色素などがあります。
(※1)かんすい
カップ麺には欠かすことのできない添加物の一つです。麺を作る際の小麦粉に混ぜることで、弾力や柔らかさを出します。
(※2)炭酸カルシウム
栄養強化剤、膨張剤、食感を良くするための改良剤、pH調整剤などとして添加されます。
コンビニ食材と食品添加物
コンビニでお手頃な価格帯で手に入る商品は、このように多くの種類の食品添加物が含まれています。
しかし、既に述べたように、どの商品も国内で使用が認められている食品添加物のみを使用しています。したがって、「食品添加物=即危険」ではないということです。
ただし、単一の商品ばかりを食べ続ける「偏食」は、健康に害を及ぼす可能性が高めます。色々な食材(商品)をバランスよく購入し、必要な栄養素を摂取するようにしましょう。
「日頃、リン酸塩を含む食品を摂り過ぎているな」と感じている人は、体がカルシウム不足にならないよう(カルシウムを多く含む)牛乳、乳製品、小魚、小松菜などを意識的によるようにしましょう。
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