サーモンパッチの原因や治療法【まぶたや眉間の痣はいつ消える?】
<監修医師 WASHIO>
生後間もない赤ちゃんのお顔や身体に紅いあざがあると、お父さん、お母さんはさぞ驚くでしょう。このまま消えなかったらどうしようと不安や心配な気持ちでいっぱいになると思います。
赤ちゃんにできるあざにはいろいろな種類があり、その内の一つにサーモンパッチと呼ばれるものがあります。
サーモンパッチの赤あざは痛みやかゆみなどはないですが、見た目上目立つため、親としてはいつ頃消えるのか跡になるのか、不安を感じる要素は様々だと思います。
そこで今回はサーモンパッチの原因や消失時期、治療法など、気になるところを解説していきたいと思います。
サーモンパッチとは?
生まれた時からか生後間もない赤ちゃんの額や眉間、上瞼、うなじ、鼻の下などに現れる、境界が不鮮明で、淡く紅い盛り上がりのない赤あざのことを新生児正中部母斑(しんせいじせいちゅうぶぼはん)といいます。
その正中部母斑のうち、まぶたや鼻の下から上唇などの前面に現れるあざをサーモンパッチと呼びます。これはあざの色がサーモン(鮭)に似ていることからきています。
赤ちゃんが泣いたときやいきんだとき、お風呂に入った後など興奮したり血流量が増えたときや、寒い時期には濃い色に見えることもあります。
かゆみや痛みなどの症状はなく、赤みが現れている場所を軽く押すと赤みが薄れすぐ元に戻るという特徴があります。
あざ自体も通常生後1才半を過ぎる頃までには自然消失します。遅くても3才を過ぎる頃までにはすべて消失することがほとんどです。
うなじなど後頸部に現れるあざはストークマーク(ウンナ母斑)、額に現れるあざは火炎母斑と呼ばれ、サーモンパッチとは区別されます。ストークマークは周囲の皮膚との境目がはっきりとしているのが特徴です。
またその他にもいちご状血管腫と呼ばれるものがあります。これは境界線が不鮮明でサーモンパッチと間違えやすいものです。
生後数日から数週間経ってできる紅いあざで、最初は小さな紅い点が内出血のようにポツポツと出始めます。進行すると患部がいちごのように急に大きく膨らみ盛り上がることもあります。
大きなものでは10㎝以上になるケースもあり、進行する前に皮膚科や小児科で治療することが大切です。
正中部母斑は新生児の20−30%に現れるので、生後間もない赤ちゃんにサーモンパッチが見られるのは特に珍しいことではありません。
サーモンパッチの原因
血管の形成異常
皮膚表面に近い毛細血管が異常に増殖したり、急に拡張したりする血管の形成異常が原因です。赤く見えるのは皮膚表面に血管の色が浮き出たものです。
赤ちゃんの皮膚は大人と比べてとても薄く、その厚さは大人の皮膚の1/2〜1/3と言われています。そのため大人に比べ色がよりはっきりと見えますし、赤あざが濃く見えます。
その他の血管にまつわる新生児に見られる疾患についてはこちらを参考にして下さい。
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原因不明
血管腫ができる原因についてはっきりとしたことは未だ明らかになっていません。遺伝や神経機能の未発達などの影響があるのではないかと考えられています。
妊娠中に火事を見ると赤ちゃんに赤あざができるという迷信があるくらいです。
サーモンパッチが消える時期
サーモンパッチ自体は生後1才半を過ぎるころまでには約80%の確率で自然消失します。まぶたで1才前後、額、眉間、鼻の下のサーモンパッチは1才半頃といわれています。
遅くても3才を過ぎる頃には約90%の確率で消失することがほとんどです。3才を過ぎても赤みが残っている場合は、皮膚科や小児科などの医療機関を受診し治療が必要かどうかを専門医と検討しましょう。
サーモンパッチの治療法
自然治癒
基本的にはサーモンパッチは治療の必要はないとされています。経年変化で1−2才頃までには自然に消失するものだからです。しかし1才半を過ぎても消失しない場合には治療を検討すると良いでしょう。
特に眉間から額にかけて母斑が広がっているケースだとサーモンパッチが残存してしまう場合がありますので注意しましょう。
レーザー治療
治療の1つとして、レーザー治療があります。赤あざに対して用いられることの多いVビームレーザーは赤い色素に吸収される特性があります。
これにより血管中のヘモグロビンに反応し、吸収・凝縮されることで赤い色素沈着を解消する効果が期待されます。
子どもの皮膚は薄く血管形成も未熟で新陳代謝が盛んなため、レーザー光線による治療効果が得られやすいというメリットがあります。
基本的にはレーザー治療は痛みはないとされていますが、麻酔による副作用や僅かながら痛みなどのリスクがあるので、手術を行う時期などきちんと主治医と相談する必要があります。
またレーザー治療を繰り返してもあざが薄くなるだけで完全に消失しない場合もあるため注意が必要です。
その他の新生児に見られる疾患の兆候についてはこちらを参考にして下さい。
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