顔にできやすい扁平疣贅の原因とは【液体窒素治療でしっかり完治】
顔にシミでもソバカスでもない、なんだか膨らみのないブツブツができていませんか?
吹き出物でもなく、少しだけ隆起しているできものです。扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)と呼ばれるものかもしれません。症状や原因・治療法などについて解説します。
気になる所から確認してみよう
扁平疣贅とは
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)とは、顔や手などにできるウイルス性のイボのことです。
20代ぐらいの若い女性にできやすい傾向にあり、高齢になってできることはあまりありません。このため「青年性扁平疣贅」と呼ばれることもあります。
ところで「疣贅」という呼び方を聞いたことがありますか?「いぼ」と同じような意味で「おでき・できもの」のことを指す言葉で、ニキビや湿疹などとは区別されます。
扁平疣贅はウイルス性の疣贅に分類されます。ウイルス性といえば帯状疱疹や子供の水疱瘡などが耳慣れた病気かもしれません。
皮膚にできるものであることから、受診する診療科は皮膚科ということになります。
顔にできやすい扁平疣贅の4つの症状に要注意
扁平疣贅の症状について解説します。もしや?と思う方は、鏡を見ながら読んで見てください。
赤みがあるブツブツ?
かゆみが起きることもあり、薄茶褐色から少し赤みのある数ミリ程度の少し盛り上がった発疹ができます。
かゆみや赤みは炎症が起きていることが原因、どうしてもこの時期にニキビとの判別が難しいとされています。
どこにできる?
皮膚の薄い顔にできることが一番多いようです。他には手の甲や前腕部にできることも。
刺激すると拡散する?
これは困った症状だといえますが、痒いからと言ってできている疣贅を掻いていると次に触れた部位に拡散したように同じものが発生します。
扁平疣贅はウイルス性なので、爪などで引っ掻き傷をつけると接触感染します。
同じものが別の部位に出現?
じんましんなどでも言えることなのですが、疣贅ができている部分やその周辺を掻いたりして刺激すると同じ疣贅がさらに出現するということがあります。
人にうつる扁平疣贅の原因はウイルスだった
皮膚のウイルス感染によって扁平疣贅が起こりますが、原因について詳しく見ていきましょう。
ウイルス性疣贅である「扁平疣贅」を引き起こすのは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というものです。100種類以上あるヒトパピローマウイルス、子宮頚がんの原因としても知られています。
扁平疣贅の原因となるヒトパピローマウイルスは100種以上の中でも4種(3型・10型・28型・49型)に感染することで発症します。
人のみが持っているウイルスで、保菌者が使用しているものを他者が触るなど間接的な接触でも感染します。
もちろん触ったから感染するということではなく、皮膚や粘膜などに傷があればそこから感染するということなのです。
扁平疣贅は液体窒素治療で完治できます
ウイルス感染による扁平疣贅はどのような治療法があるのでしょうか。また、完治できるのかどうかもきになるところです。
どこを受診するのか
医療機関を受診するならやはり皮膚科でしょう。
疑わしいと思ったら受診して治療しなければ一旦治ったように見えても再発しやすいので注意が必要です。
他者にうつしてしまうこともあるのできちんと治療するということが先決です。
液体窒素凍結療法
扁平疣贅に限らずヒトパピローマウイルスによる疣贅治療で最もポピュラーな治療法が液体窒素凍結療法で、基本的には健康保険適用となっています。
液体窒素を疣贅に直接当てることで低温火傷を起こして壊死させるという凍結治療です。
老人性のイボの治療としても皮膚科で行われているので、知っている人も多いかもしれません。
低温火傷で壊死した皮膚はどうなるの?という疑問が起こりますが、きちんと免疫機能が働いていれば炎症は治まり皮膚が再生します。
一つ難点を挙げるとすれば、人によっては痛みが強いと感じることかもしれません。
火傷を人為的に起こすのですから、当然といえばそれまでですが…また深部まで病変が及んでいれば数年単位で治療を繰り返すこともあります。
レーザー治療
医療用レーザーを照射して疣贅が発生している部分を焼き切るというものです。麻酔を使用するので痛みはほとんどありませんが、場合によっては高額治療となることもあります。
レーザー治療は美容外科でも使用されるほどですから、当然傷跡の残りにくさは利点かもしれません。
また液体窒素凍結療法よりも麻酔が使用できるため痛みが少ないのも良い点でしょう。
治療法に関しては、医療機関でよく相談した方が良いといえますね。
ヨクイニンの服用で内から扁平疣贅を治療
「ヨクイニン」って聞いたことありますか?通販のコマーシャルでよくやっている「それもイボ!あれもイボ!」という、イボに効くという漢方薬のことです。
ところでヨクイニンはなんのことだかわからないという人も多いかもしれません。
扁平疣贅における薬物療法で内服薬として処方されるもので、お茶などで知られる「はと麦」から作られるものです。肌荒れなどにも利用され、市販薬としても知られています。
肌の新陳代謝が滞ることでターンオーバーがうまくいかず、肌の古い角質が残ったりします。
老化現象として現れるイボはこれによって現れると言われます。ヨクイニンがこのターンオーバーを正常な状態に導くため「身体の内面から改善する」という効果を薬物療法として利用するのです。
扁平疣贅に効果があるとされてはいますが、その機序は明確とも言いづらいのが現状のようです。
しかしヨクイニンが免疫細胞を活発にするという点で、免疫力が落ちてしまっている患部を活性化してターンオーバーにより押し出す作用があるとして注目されています。
また漢方薬ということもあり副作用が比較的少ないのですが、妊婦さんが使用する場合には医師に相談することをお勧めします。
扁平疣贅を予防する4つのポイント
原因や治療法などを解説してきましたが、ここからは扁平疣贅を予防するためのポイントについて考えてみましょう。
皮膚の基礎体力を落とさない
まず紫外線対策が大切です。外出する際には日焼け止めや日傘で紫外線を防ぐようにしましょう。直接陽に当たってしまうと皮膚の基礎的な体力が落ちてしまいます。
皮膚の乾燥もバリア機能が落ちてしまいます。保湿効果のある化粧水などで皮膚を保護するようにした方が良いでしょう。
角質をためない
ターンオーバーがうまくいかないとイボができやすくなります。肌自体を傷つけないようにしながらスクラブやピーリングなどで角質を落とすようにしましょう。
アンチエイジングという考え方は扁平疣贅にも通じる
イボができる=肌老化とも言えるサイクルです。扁平疣贅はウイルス性のもの、若干違うともいえますが免疫力が落ちていることは確かです。
食生活の面でもビタミンCやコラーゲンなどのようなアンチエイジングに効果のある栄養素を摂取するようにし、体質改善をすることも大切です。
喫煙は肌老化を促すので、避けた方が良いでしょう。
外傷や共有に注意する
外傷部位があるとそこからウイルス感染します。カミソリ傷などができないように十分注意しましょう。
また家族間でよくやりがちですが、タオルや足拭きマットなどの共有を避けるようにすることも予防策です。
扁平疣贅はウイルスが原因、誰にでも起こることです。もしも顔にイボを見つけたら、増加してしまう前に早めに皮膚科で治療を開始するようにしましょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。