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ツベルクリン反応の【判定について分かりやすく徹底解説!】

<監修医師 まっちゃん>
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ツベルクリン反応といえば、少し前までは子供の頃必ず経験したものでした。

平成17年の法改正によってこの検査は省略されるようになりましたが、過去のものではなく、今でも手軽で有効な検査です。

 

何となく存在感がうすれた感じのツベルクリン反応について、もう一度見直してみましょう。

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ツベルクリン反応とは?

 

ツベルクリンとは結核菌感染の判定に使う抗原です。ツベルクリン反応はアレルギー反応の一種で、Ⅳ型のアレルギー型に分類されます。

 

結核菌から作るツベルクリンが注射されると、抗体を持った細胞がこれに反応して、赤く炎症を起こす現象を利用したものです。

日本でのツベルクリン反応の検査は、かつては乳幼児、小児全員を対象に行われていました。

 

結果が陰性であれば結核菌への抗体がないということで、免疫をつけるためにbcg接種を行いました。

現在では予防接種法によって、生後6ヵ月までの乳幼児に対してツベルクリン反応の検査なしで、直接bcg接種を行うようになっています。

 

このためツベルクリン反応についてはなじみのない人が多くなりつつあります。

現在この検査をするのは、1歳を過ぎて任意で結核の予防接種を受ける時に行われます。

 

また病院や福祉施設など、結核に感染する可能性が高い場所でもこの検査が行われています。

他にがん患者の免疫機能の検査や、結核とほかの病気との区別などの目的などでも行われます。

結核についてはこちらの記事を見て参考にして下さい。

【関連記事】
肺に影があり咳も出る【原因となる病気や癌の確率を解説します】

 

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ツベルクリン反応の判定!陽性・陰性でどう違うのか

 

ツべルクリン反応の判定結果については、多くの人は陽性と陰性の区別くらいの認識だと思います。

陽性や陰性の判定方法、その結果にはどんな意味があるのか、少し詳しく見てみます。

 

判定基準

現在の日本ではツベルクリン液を皮内注射(筋肉や静脈注射とは違うやり方です)して、48時間後に起こった反応の大きさで判定します。

赤みを帯びて少し硬くなった部分の大きさが、長いほうの直径が10mm未満の場合陰性として、結核には感染していないと判定します。

 

10mm以上の場合が陽性で、結核に感染しているか、bcgの注射を受けて免疫ができているということになります。陽性の中でも状態により3等級に分かれます。

硬いしこり状がないものを弱陽性、しこりがあるものを中陽性、しこりがさらに赤く水疱、くずれのあるものを強陽性と分類します。

 

この判定では、結核菌ではなく非結核性の抗酸菌に感染していても陽性になるし、本当は陽性でも免疫機能が落ちていたりすれば陰性になることもあります。

それぞれ偽陽性、偽陰性と呼ばれます。ツベルクリン反応の結果は、絶対的に正しいわけではありません。あくまで早期発見のための目安です。

 

陰性

判定結果が陰性だった場合、結核感染はなかったと受け止められます。

ひとまず安心していいのですが、中には陽性になるべき状態なのに、条件によっては陰性になることがあります。陰性化と言いますが、次のような場合です。

1. bcgを接種した場合は、きちんとbcgがついていない。

2. 結核菌が感染した後10週以内の場合。

3. 重症の結核の場合。

4. 麻疹、風疹、水痘、百日咳などにかかった後、またはこれらの予防接種1ヶ月以内の場合。

5. 何らかの病気で、ステロイドや免疫抑制剤を使用している場合。

6. ツベルクリン反応接種部分にステロイドを塗っていた場合。

その他の予防接種についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
麻疹と風疹の違いは?【予防接種の共通ワクチンの副作用】

陽性

陽性との結果が出た場合は、結核菌に感染してから少なくとも2週間以上たっていることが考えられます。

 

また、以前bcgを接種した人は、そのことが原因の陽性と思われます。

ただしbcg接種のあと10年以上たっている場合は結核菌の感染が疑われます。

 

陽性の場合は結核に感染しているかどうかの確認が必要になります。結核は多くの場合肺結核なので、胸のX線撮影をします。

 

血液検査や、胃液や痰の検査で結核菌が見つかれば確定となります。

感染が確定すれば、入院して薬剤による治療になります。効果の高い抗結核薬で、ほぼ完治が期待できます。

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ツベルクリン反応の検査方法

 

通常の検査

普通行われる検査方法は、結核菌を培養して取り出した抗原(ツベルクリン)を皮内に注射して、48時間後に注射した部分に起こった炎症の大きさを測る方法です。

赤く腫れた部分の大きさが10mm(長いほうの直径)以上の場合、結核感染が疑わしい陽性と判定されます。

 

この方法だと、結核の予防のために受けたbcgの影響でも陽性となります。

結核には感染していないのに陽性とされるため、目的である結核感染の有無の判定は難しくなります。このような欠点を改善するために、二段階検査法という方法があります。

 

二段階検査

1回ツベルクリン反応の検査をした後、およそ2週間後にもう一度検査すると初回より反応が大きくなります。この現象をブースター現象と呼びます。

これを記録しておき、次に検査した時に記録した数値より大きい反応が出れば、実際に結核菌に感染したことが推定できます。

 

医療関係者など、結核感染のリスクが高い人には、この二段階検査法がすすめられます。

採用時の健康診断時に実施するところも少なくないようです。この方法によって、より正確な感染の有無が判断できます。

 

医療機関だけでなく、福祉施設などでは結核の集団感染が珍しくありません。

結核感染の可能性が高い環境で長時間すごす場合は、念のためツベルクリン反応の検査を受けておくとよいでしょう。前記の二段階検査法だとより正確な結果が得られます。

 

料金

ツベルクリン反応の検査は、内科か呼吸器科で受けられます。料金はまちまちですが。4千円前後のところが多いようです。

保険点数は検査が16点、薬剤が78点ですが、診察料などが加算されます。病院によっては料金を表示しているところもあります。

その他の予防接種に関する心配についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
予防接種後に熱が出た!【何度まで出たら危険?】

 

まとめ

しるし   

結核の集団感染がときおり報道されたりします。感染する人も多く、決して過去の病気ではないようです。

それに伴いツベルクリン反応の検査もまだまだ現役です。早期発見、感染防止の有力なツールということを再認識できたのではないでしょうか。

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