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ナウゼリンの効果や4つの副作用【食後に飲んでも効くの?】

<監修薬剤師 日髙宗明>
薬 

ナウゼリン(成分名:ドンペリドン)とは、胃腸の働きをよくするお薬で、吐き気や嘔吐、食欲不振などで効果を発揮します。

よく処方される薬で、昔からある同類薬に比べ、手のふるえ、生理不順、乳汁分泌など副作用が少ないと言われています。

 

また普通錠の他にも、水なしで飲める口腔内崩壊錠や子供に使いやすいドライシロップや坐薬もあります。そのため、小児科を含めたところで広く処方されています。

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ナウゼリンの効果

 

吐き気

ナウゼリンは嘔吐を防ぐ効果も持っています。慢性胃炎や感染症の時の嘔吐に使われます。

さらに抗がん剤の副作用には嘔吐がありますが、これは抗がん剤が嘔吐中枢を刺激するために吐き気を起こします。このような抗がん剤による嘔吐を抑制するためにもナウゼリンが使われています。

 

食欲不振

胃の調子が悪くなると、食欲がわかない事はよくあると思います。このような食欲不振も、胃腸の動きを活発にすることで効果が期待できます。

 

消化管症状

胃の働きが悪くなると、腹部膨満感や場合によっては腹痛などが引き起こされます。このような症状を改善するために胃の動きを活発にさせて、胃の中に溜まっている食べ物を体の外に出させる方法があります。

 

このように消化管の運動を活発にさせることによって、腹痛や腹部膨満感などの症状を改善させます。

下腹部の張りの原因についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
下腹部の張りや痛みに要注意!【女性はコノ病気の可能性あり】

 

この消化管運動には、アセチルコリンという物質が関与します。アセチルコリンが作用することで、胃の運動が活発になるのです。

 

要はアセチルコリンの働きを強めたらいいわけですが、ナウゼリンはアセチルコリンの分泌を促す作用があります。このような仕組みから、ナウゼリンが様々な消化管症状の改善に役立つ薬だといえます。

 

ナウゼリンの副作用

 

下痢、便秘、胸やけ、嘔気

ナウゼリンは脳に達しにくいお薬なので中枢神経系の副作用は現れにくいと言われています。

そのため多くの副作用が下痢や便秘、胸やけ、嘔気などの消化器系の副作用になります。

 

眠気や発疹

副作用は少ないと言われていますが、人によっては眠気やめまい、発疹などの副作用が見られる事があります。これらの症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

薬の副作用による眠気についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
薬の副作用で眠気が。。【この対策方法でシャキッと解消しよう!】

 

錐体外路系の副作用

ナウゼリンは中枢神経系の副作用が生じにくいと言われていますが、頻度は低いのですが副作用として生じる可能性があるものもあります。その中でも特に「錐体外路症状」に注意が必要です。

錐体外路系の症状としては、屈頸、眼球側方発作、上肢の伸展、振戦、筋硬直などの症状があります。

これらは自分の意志と反して身体が勝手に動いてしまう症状です。錐体外路系の症状を呈すものとしてパーキンソン病がよく知られています。

錐体外路症状は薬をやめてもなくならないものもあるので、特に注意が必要といえます。

 

添付文書にも「小児では錐体外路症状などが発現しやすい」と記載されているので、子どもへの使用時は変わった様子がないかに気を配る必要があります。

 

高プロラクチン血症

 

高プロラクチン血症とは、プロラクチンというホルモンが増えてしまう副作用です。通常妊娠や乳汁分泌に関係するホルモンです。

ですので、男性でも高プロラクチン血症になると、胸が張ったり大きくなったりして(女性化乳房)、乳汁が出てくるようになることがあります。

 

 

また、これら以外にも乳がんや骨粗しょう症のリスクになることも指摘されています。

 

重大な副作用

頻度は稀ですが、注意が必要な副作用としてショック、アナフィラキシー様症状、意識障害、痙攣、肝機能障害、黄疸があります。

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その他の注意点(妊娠時、飲み合わせなど)

 

人での影響は分かっていませんが、動物実験で悪い影響が報告されているため妊娠中の服用は禁止されています。そのため、妊娠の可能性がある場合には、必ず医師に伝えるようにしましょう。

 

その他にも胃腸に出血や閉塞のある人、プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍のある人の使用は禁止されています。子供や高齢者、肝臓や腎臓が悪い人の場合には服用量などに配慮が必要なので、必ず既往歴(きおうれき)などを話すようにしましょう。

 

また飲み合わせにも注意が必要で、ある種の安定剤や抗うつ薬と併用するとホルモンまたは錐体外路系の副作用が強まる恐れがあります。このようなお薬を服用中の方は医師または薬剤師に相談するようにしましょう。

 

クラリスやクラリシッドといった抗生物質やイトリゾール(アゾール系抗真菌薬)などと一緒に飲むとナウゼリンの血中濃度が上昇します。また胃腸の痛み止めの抗コリン薬との併用はお互いの作用が弱くなる可能性があります。

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その他にもジギタリス系強心薬の中毒症状のサインである吐き気や嘔吐を、ナウゼリンの作用によって見逃す恐れがあります。

 

今現在飲んでいるお薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談するようにしてくださいね。

 

ナウゼリンは食後に飲んでも効く?

 

ナウゼリンは食前に飲む方が効果的といわれています。食後に飲んで効果がなくなるわけではないですが、食事をする際に薬が効いた方が食事もとりやすいので、ベストな摂取は食前と考えることができます。

 

食事をとる30分前に服用すると、食事をとる時間に薬が効きだします。

 

ただし吐き気が起こるタイミングによっては、食後で使う方が有効な場合もあります。そのため、自分の症状に合わせた服用が大事になりますので、医師や薬剤師に相談してみてくださいね。

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