パラベンとは?【毒性や副作用を知っておかないと後悔するかも!】
<監修医師 まっちゃん>
みなさんの使っている化粧品の成分表示を見てみると、パラベンと書いてありませんか?化粧品の品質保持のために、防腐剤として使用されるパラベン。それは一体どんな成分で、どのような特徴があるのでしょうか。
今回は、パラベンについて解説していきます。防腐剤として大変優れた成分である一方、その毒性や副作用についても知っておかないと後悔するかもしれませんよ。
パラベンフリーの無添加化粧品についても触れながら、パラベンの正しい知識をまとめていきます!
パラベンとは?
アレルギーに注意の防腐剤!
パラベンとは、無色の結晶または白色の結晶性粉末で、ほぼ無臭の石油成分の一種です。
パラオキシン安息香酸エステル類という正式名称で、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルパラベン等の種類があります。
これらは抗菌作用に優れ、加工食品の一部、シャンプーや化粧品、赤ちゃんのお尻拭き等の殺菌防腐剤として広く使用されている添加物です。
化粧品の全成分開示が義務化される以前、パラベンは薬事法で定められた指定成分に該当していました。指定成分とはアレルギーなどが出る可能性のある物質であり、その安全性が国で認められていないものです。
そのため、使用の際の安全性は消費者の判断に委ねられることになります。
化粧品に防腐剤の使用は必須!
化粧品は手などを介して雑菌が入りやすく、これが繁殖して変質や腐敗の原因になりやすい商品です。スキンケアをしているつもりが、逆にスキントラブルの元となってしまいます。
そのため、アレルギーを引き起こす可能性が僅かながらあったとしても、殺菌防腐剤を配合せざるを得ないのです。
防腐効果が期待できる添加物の中でも、パラベンは静菌作用が強く、広範囲の微生物に有効な上、他の防腐剤に比べると毒性や皮膚への刺激が少ないとされています。
少量の使用で効果が期待できるため、化粧品にはパラベンが最も多く使用されるのです。
これらの防腐剤は併用することで相乗効果があるため、一つの化粧品に数種類の成分が含まれていることも多く、パラベンについては1%まで使用が認められています。
パラベンの毒性
アレルギー疾患には要注意!
パラベンは、皮膚への塗布や摂取によって皮膚炎や湿疹などのアレルギー疾患を引き起こした症例があります。また、パラベンのうち、ブチルパラベンの過剰摂取によってマウスが死亡した実験も報告されています。
このような急性毒性は、防腐剤として微量に使用される場合にはまず心配ないでしょうが、長期摂取による慢性毒性については警鐘されています。
紫外線の作用で肌が老化!?
パラベンのうち、メチルパラベンは刺激が少ないことから最も多くの製品に配合されていますが、紫外線が当たると塗布した部分の皮膚細胞の死亡率や脂質過酸化物量が3倍となり、皮膚の老化を招くと言われています。
また、パラベンは経皮吸収しやすく、肌が荒れて角質層が脆くなっているような敏感肌では、スキントラブルやアレルギーを引き起こしやすくなります。
日光と人体の関係についてはこちらを参考にして下さい。
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パラベンの副作用
シミ、しわの原因になる
メチルパラベンと紫外線で発生が増えるとされる脂質過酸化物とは、皮脂が酸化したものであり、シミやしわ、にきび悪化の原因となります。
しかし、通常では角質層がバリアとなっており、皮膚からメチルパラベンが吸収されることはほとんどありません。そして防腐剤として含まれるパラベンの量はごく僅かであり、必要以上に過敏になる必要はないと思います。
発がん性!?
乳がん患者の細胞組織にパラベンが検出された研究結果が報告されており、パラベンの体内蓄積による発がん性が問題視されています。
これは、乳がんの進行を促すとされる女性ホルモンのエストロゲンと似た作用がパラベンにあるというのです。
パラベンの発がん性については、十分に証明されたわけではありませんが、パラベンが体内に蓄積される物質であることは事実です。
エストロゲンの効能についてはこちらを参考にして下さい。
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アスピリン喘息の誘発物質
気管支喘息のうち、解熱鎮痛剤の成分の一種であるアスピリンに反応して発作が誘発される症状をアスピリン喘息と言います。
パラベンは、アスピリン喘息の症状を誘発する物質として知られており、悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、アスピリン喘息の人は、パラベンが防腐剤や保存料として含まれている化粧品、食品、医薬品は避けた方が良いでしょう。
アスピリン喘息の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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パラベンフリーの落とし穴
パラベンフリーの落とし穴
最近では、敏感肌の人のためのパラベンフリー化粧品というものが出てきています。つまり、アレルギーの原因になり兼ねない防腐剤を一切含まない化粧品です。
普通に考えると、防腐剤を含まない化粧品は、空気との接触によって酸化や細菌の繁殖が起き、腐敗、変色、変質していきます。美容成分をたくさん含む化粧品は、菌の栄養源も豊富に含まれており腐敗スピードも早いのです。
そんな腐ったものを皮膚に塗ると、当然、肌トラブルの原因となりますよね。だからパラベンフリーは、製造も使用も十分に注意が必要なのです。
防腐剤を配合せずに化粧品をつくるには、美容成分を配合した後、強烈な紫外線や熱を当てて徹底的に滅菌します。
そうして無菌状態の化粧品が完成しますが、一旦開封して空気に触れれば菌は入り込みますので、このような製法のパラベンフリー化粧品は使い切りタイプが多いのです。
強力な滅菌を行う製法ではせっかくの美容成分まで効果を失うとか、誤った使用方法によって逆に菌まみれの化粧品を使うことになる、という見解もあります。
また別の例として、パラベンを使用していなくても、別の防腐剤を使用している可能性もあります。その場合、パラベンと同等の効果を得るために多量に含まれた他の防腐剤の方がかえって肌の刺激となってしまうこともあるのです。
無添加化粧品とうたっているものでも、実際には何がどのくらい使われているのか見極めが大事ですね。
無添加化粧品には欠点もある
パラベンの代わりに別の成分を防腐剤として使っている例はいくつもあります。フェノキシエタノールは、防腐効果が弱いため多量の配合を余儀なくされ、その結果として4%以上の配合で皮膚への刺激となることが分かっています。
BGと言われる「1,3−ブチレングリコール」は、非常に多くの化粧品に使用されていますが、10%以上配合しないと防腐効果がなく、この成分でかぶれる人もいるようです。
アルコールは、「オイルフリー」と表示がない無添加化粧品によく使用されており、防腐力を出すための10%濃度では、敏感肌の人にはかなりの刺激になります。
オイル系は、光に当たるとオイルが酸化してメラニン生成を助長したり、毛穴を塞いでスキントラブルの原因となることもあります。
このように、どなたにもおススメできるような、パラベンに勝る防腐効果が期待できる自然原料は見つからないのが現状なのです。
アルコールアレルギーの確認の仕方についてはこちらを参考にして下さい。
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パラベンの安全性は確認されている!
パラベンでアレルギーを起こすのは1000人中2〜3人と言われています。それ以外の人に関しては、5%以下の濃度では皮膚に塗布しても刺激とはならず、反復塗布も問題ないということが確認されています。
厚生労働省が定めた使用上限は1%で、たいていの場合、化粧水は0.15〜0.3%、クリーム類で0.4〜0.5%の配合です。つまり、パラベンの安全性は高いと言えるでしょう。
防腐剤を使用しなかった場合のリスクについては先に述べた通りであり、パラベンの配合を避けた化粧品の方が、人体への悪影響があるような気さえします。
防腐剤について正しい知識を身につけよう!
パラベンは食品や飲料にも使用される添加物であり、防腐剤として安全性が高いことは確かです。ただ、表示指定成分であることから「身体に悪い」というイメージが必要以上に強くなっているのも事実です。
パラベンフリーのリスクについても十分な知識を持てば、防腐剤の必要性が理解できるでしょう。パラベン、パラベンフリーのメリットやデメリットの知識を持ち、無添加やオーガニック商品について正しい選択をしたいものですね。
今回は、防腐剤の成分であるパラベンについてまとめました。添加物として、人体へ悪影響を及ぼす可能性も少なからずあるパラベンですが、その優れた防腐効果で様々な商品の製造に貢献しているのも確かです。
現在、私たちの身の回りには、数え切れない種類の化粧品が溢れ、配合成分についても色々言われています。
その中で、本当に安全なものとは何なのか、自分の肌に合うものはどれなのか、正しい知識を身につけて化粧品をもう一度見直すきっかけになればと思います。
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