ファロー四徴症の手術方法を簡単に解説【5つの原因や症状のまとめ】
<監修医師 春田 萌>
ファロー四徴症(しちょうしょう)とは最も頻度の高いチアノーゼ(低酸素血症)をきたす心疾患のことで、四徴とは4つの特徴的な徴候のことを指しています。
このファロー四徴症が起こる原因はいまだ不明とされていますが、治療法は存在しています。
今回はファロー四徴症に対して行う手術方法や原因とされるもの、その症状などをご説明いたします。
ファロー四徴症にかかる原因
ファロー四徴症となる原因は今現在不明と言われていますが、近年ではこの病気になった人の約10%は染色体異常などの合併症が原因とされています。
ファロー四徴症とはチアノーゼの中で最も頻度が高い病気
ファロー四徴症はフランス人の医師ファロー氏が初めて記載した、世界で最も頻度の高い「チアノーゼ(低酸素血症)性心疾患」のことで、
“四徴(4つの特徴的な徴候)”として「心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)」「肺動脈狭窄(きょうさく)」「右室肥大(うしつひだい)」「大動脈騎乗」が挙げられます。
そして肺動脈に流れる酸素含量の少ない静脈血が肺動脈狭窄と心室中隔欠損のため、右心室から左心室を経て大動脈へと流れ込むため、動脈血中の酸素含量が低下してチアノーゼ(低酸素血症)が発生してしまうのです。
チアノーゼの症状についてはこちらを参考にして下さい。
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ファロー四徴症の原因はいまだにわかっていない・・・
ファロー四徴症の原因は現段階ではいまだ不明だとされていますが、最近ではファロー四徴症となっている人のうち約10%の人は「ダウン症」などの「染色体異常」や「合併症」、「妊娠中の母体環境」「ウイルス感染」「遺伝的要素」が原因なのではないかと指摘されています。
そしてこの病気を見つけ出すために行われる検査としては「心臓超音波検査」や「心臓血管CT」といったものがありますので、少しでも気になる方は早めにこれらの検査を受けましょう。
ファロー四徴症の症状
ファロー四徴症になった際の症状として挙げられるのは、皮膚や唇の変色や心雑音、身体の異常な疲れ、低酸素発作などがありますので心当たりのある方は早めに病院へ行きましょう。
ファロー四徴症は乳児期や哺乳期に見つけられやすいです。
ファロー四徴症というものは下記のように乳児期や哺乳期の皮膚や唇の変色、乳児期の疲れの出る早さなどで早期発見することが出来ます。
生後2か月~3か月では失神などが起こる場合もありますので常に状態をみておくことが大切です。
チアノーゼ(低酸素血症)
皮膚や唇が“青紫になる状態”で乳児期の泣いたときや、哺乳期のチアノーゼ(低酸素血症)が発見につながることが多いです。
心雑音
心臓の音を聞いた時の“雑音が聞こえる状態”のことで、血液が心臓の弁の部分を通過するときに起こり、これもまたファロー四徴症の症状のひとつです。
疲れやすい
症状のひとつとして“疲れやすさ”というものが出てきますが、これは自分自身に起こることでなく幼児に起こることなのでなかなか気付きづらいとは思います。
しかし身体の中で“酸素が正常に運ばれない”ので疲れやすくなり、乳幼児の歩行が始まると運動した後すぐに“息切れ”したり“しゃがみ込む”などの姿勢が見えてくるので頻繁に起こるようでしたら病院を受診しましょう。
疲れやすい症状が出るおそれのある疾患についてはこちらを参考にして下さい。
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低酸素発作
強いチアノーゼ(低酸素血症)で“興奮”や“過呼吸”、“失神”などが起こる状態のことで、これらは症状が重なって表れ“生後2か月~3か月”哺乳期に目立ちます。
ファロー四徴症の手術方法
ファロー四徴症に対する治療法は「内科的治療法」と「外科的治療法」の二種類がありますが、それらは症状が出た時期やその時の状態、また症状の重さなどによって大きく変わってきます。
内科的治療法は薬剤治療で、外科的治療法は手術を行います。
まず内科的治療法として行うのは「薬剤治療」です。これは主に“症状の緩和”のために施され、処方された薬によって“動脈管を広げたり”“心拍数を減らす”などの効果を与えます。
続いて外科的治療法として行われるのは「手術」です。ファロー四徴症は“すべての症例に手術が必要”で、この時行う手術には「姑息(こそく)手術」と「根治手術」のふたつがあり、それぞれ以下のような目的のために行います。
姑息手術
人工血管を使用し鎖骨下動脈と肺動脈の間の血液が流れる“シャント(新しい交通路)を作る”手術のことです。これにより症状を和らげたり、根治手術に繋げることが可能となります。
根治手術
人工心肺装置を使用して心室の壁に“空いた穴(中隔欠損)を閉じる”のと、心臓から肺に繋がる血管が狭くなっている(肺動脈狭窄)を修復するために行われます。
肺動脈に関するトラブルについてはこちらも参考にして下さい。
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また「テステル手術」が必要になることもあります。今現在は根治手術の対象年齢が1歳前後で行われるようになってきています。
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