ミオクロニー発作の症状チェック【原因と治療法も徹底解説】
<監修医師 WASHIO>
ミオクロニー発作は、意識していないのに突然手足がピクッと動きます。原因も治療法も様々です。
発作が起こるとまずびっくりすると思いますが、まずは落ち着いて原因と症状をチェックしましょう。
ミオクロニー発作とは
ミオクロニー発作とは、ミオクローヌス、筋クローヌスとも呼ばれる痙攣(けいれん)性疾患の一つです。不随意運動、つまり自身の意志と無関係に身体が動いてしまう現象ということです。
突然の筋肉の収縮や弛緩により、四肢をはじめ身体のあらゆるところで発生する可能性があります。横隔膜と呼吸を補助する筋肉にミオクロニー発作が起こると、しゃっくりになります。
このほかにも、ごく短い痙攣は健康上は正常ということになっています。
また、癲癇(てんかん)などを持っている人によく見られる発作では、突然物を投げるような動作をしたり、直立又は歩行時に突然転んでしまうといった大きな発作や、痙攣が続いたりするなどします。
てんかんについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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ミオクロニー発作の症状
突発的な筋収縮
ミオクロニー発作は突発的に起こります。
筋肉の収縮速度は早かったり遅かったり、動きも大きなとき、小さな時があります。ですから、座っていて突然身体が動き出ししかも自分の意志では止めることが出来ません。
今日、症状が出なかったから明日も大丈夫とは限りませんし、その反対のことも言えます。予測が出来ないことは生活に支障が出やすい部分でもあります。こうした発作症状は、ミオクロニー痙攣と間代発作に分けることができます。
ミオクロニー痙攣
短時間に起こる痙攣全般をさしてミオクロニー痙攣と呼びます。
このとき脳内では特定の脳波が観察されます。顔面、体幹、四肢のうちどれか、それ以外の単独の筋肉が筋収縮をはじめます。発作が続いている間は、動作が起こっていない時でも脳には異常があるようです。
間代発作
ミオクロニー痙攣と基本的には同じ物ですが、一定の症状(動作)を規則的に反復する状態です。
軽度の意識障害
ミオクロニー発作はまれに数秒程度、意識を失うことがあります。 やはり原因ははっきりとしていません。
進行性
若年ミオクロニーてんかんや、そのほかの病気が原因となっているときは進行性がないことがおおいですが、進行性ミオクローヌスてんかんといって進行性があるものもあります。
はじめは、時々手足がぴくぴく動く程度のものが、だんだん頻繁になっていったりふらつきや転倒などが起こるようになります。
ミオクロニー発作の原因
てんかん
てんかんとは、脳の神経細胞に発生する電気的な刺激により反復性のある症状を引き起こす病気です。原因はまだよくわかっていませんが脳内の過剰な電気刺激により、痙攣発作、失神、意識障害などの発作が起こります。
てんかんには、細かく分類がありミオクロニー発作をおこすてんかんには、児良性ミオクロニーてんかん、若年ミオクロニーてんかん、ミオクロニー矢立てんかん、などがあります。
光刺激
てんかん発作のように突然現れる場合もありますが、突然の音、光、動きといった刺激にも誘発されます。
テーブルのコップを取る為に手を伸ばしたが途中で止まる。といった、何かの動作をしようとした時にそれを遮るような動きをすることもあるようです。
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酸素の欠乏
運動により息が上がっているなど、酸素が欠乏した状態によっても発作が引き起こされます。子供が発作を持っている場合には注意が必要です。
病気
別の病気を持っていることが原因となって発作があらわれる場合もあります。
肝不全、腎不全、代謝性の病気(高血糖、低血糖)、クロフィット・ヤコブ病、ウイルスによる脳の損傷(脳炎)、頭部外傷、突然の心臓停止や心臓が停止する疾患、まれにアルツハイマー病などが具体例です。
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ミオクロニー発作の治療法
検査
ミオクロニー発作の原因を特定するためには、脳波測定、機能MRI、脳磁図、シンチグラフィーなどを用いて脳の状態や、放電の起こる場所などを特定します。
特定の条件で発作が起こる場合には、医師が発作を確認する為にあえて発作の起こりやすい条件をそろえる場合もあるようです。
薬物療法
治療薬は抗てんかん薬、抗けいれん薬のバルプロ酸 エトサクシミド、フェニトイン、等が用いられます。他にも病気がある場合に薬剤が原因となってしまう時には薬を変えたり止めたりすることもあります。
迷走神経刺激療法(VNS)
直径5㎝ほどのパルスジェネレータを迷走神経に巻き付け、一定間隔で電気刺激を加えててんかん発作の頻度を減らしたり、発作を小さくすることができます。
迷走神経は首の左側にあり、機械を神経に巻き付け植え込むための手術を要します。世界でも約7万件以上の実施例があり信頼性も期待できる治療法になります、効果には個人差もあるようですが幼児から高齢者まで実施可能な治療法です。
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