親指の骨折すると4つの症状が起こる!【ベネット骨折に要注意】
<監修医師 WASHIO>
親指で起こるベネット骨折と言う骨折をご存知ですか?
これは、親指で起こる骨折の種類を言うのですが、このベネット骨折は他の指の骨折よりとても危険なんです。
今回は親指の骨折するとどんな症状が起こるのかを解説していきます。
親指の骨折すると起こる症状
実際に親指が骨折したら、どんな症状があらわれるのでしょうか?
腫れる
骨折した直後から、徐々に腫れてきます。その腫れは時間の経過とともに大きくなり、関節が通常の2倍になる人もいます。また腫れるために、指をうまく動かすことが出来なくなります。
激しい痛み
損傷してから、徐々に激しい痛みに襲われます。そして、この痛みは数週間続きます。骨折の種類によっては、損傷からすぐに痛みが出る場合もあります。
骨折かどうか、疑わしいときはその場所を押してみましょう。激しい痛みが起こる場合、大抵骨折しています。
また骨折しなくても、親指のトラブルはこのような問題を引き起こします。参考にして下さい。
【関連記事】
親指がしびれる7つの原因【この対処法で治そう】
皮膚が変色する
変色するのは内出血が起こっているから。骨折部から出血するほかに、骨折した骨周辺の軟部繊維(筋肉など)からも出血します。最初は黒や紫のような色をしていますが、徐々に黄色くなります。
変形する
治療せずに放っておくと、脱臼を繰り返し、親指が変形してきます。変形したまま固まってしまうと、親指が動かせなくなり、関節の運動制限が起こります。
ベネット骨折に注意
ベネットとは?
別名第一中手骨基底部骨折(だいいちちゅうしゅこつきていぶこっせつ)や母指CM関節脱臼骨折と言われています。(母指とは親指のこと)
親指には3つの関節、IP関節・MP関節・CM関節から成り立っています。このCM関節は手の指と掌との境目あたりにある関節で、親指ではおおよそ付け根にある関節です。
この関節を構成しているのが、中手骨と大菱形骨。この中手骨は細長い骨の形をしています。ベネット骨折は、親指の中手骨の根元にある母指CM関節で関節内骨折が起こり、脱臼も生じる病気です。
ここが骨折と脱臼をしたときに起こるのがベネット骨折です。つまり、骨折だけでなく、脱臼も起こしているため、とても厄介な骨折なのです。
どんな時、どういう人に起こりやすいのか
ボクシングやけんかでパンチを出してみずからの親指の先端部にあたった時。バイクや自転車でハンドルを握ったまま転倒するときなど、付け根に一定方向の力が加わったときに起こります。
この骨折には年齢・性別は関係ありません。どの人にも起こり得る骨折です。ちなみに、ベネット骨折と似ている骨折でローランド骨折があります。
ローランド骨折とは、中手骨が3つに分かれる骨折で、ベネット骨折より稀な骨折です。
突き指と何が違うのか
手で起こる怪我で、一番多いのは突き指かもしれません。突き指とは、指先からある方向に一定の力が加わり起こる怪我の総称をいいます。
そのため、打撲・捻挫・骨折・脱臼すべての症状が突き指に含まれています。
よく、起こりやすい怪我ゆえ、放置しやすいですが、突き指でも損傷具合が大きいと後遺症が残る可能性もあります。突き指も安易に考えてはいけません。
対処方法についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
【関連記事】
突き指で腫れた時の応急処置【病院受診の6つの目安】
親指は重症化しやすい!病院で早めの受診をして下さい
ベネット骨折の注意点は、症状だけではありません。他にも気を付けることがあります。
治療方法は手術のみ
ほとんどの外科では保存治療ではなく手術を行います。その理由は、骨がずれやすい特徴があるからです。
そのため徒手整復(ヒフを切らずに外側から元の形に戻すこと)に整復するのと、ギブス固定のみでは固定力に欠けてしまうため、手術が必要になります。
手術の内容は、骨をもとの位置に戻したあと、銅線という金属を挿入し、骨折した骨を固定させます。
銅線の他に金属ねじで固定する場合もあります。整復した状態が維持できる場合は、親指と人差し指を離した状態でギブス固定をします。
ギブス固定期間は約4~5週間。手術の所要時間は方法や症状、麻酔を局所か全身にするかで大分異なるため、一概には言い切れません。また、手術後は数日の入院が必要になります。
そのため費用も手術費用と入院費用を合わせると、数万円は必要になりますがケースにより様々です。手術で銅線が外れた後は、リハビリを行います。
どんなリハビリをするのか
銅線が外れてもすぐには動かせません。包帯やテーピングなどで固定します。その後、完全に固定が外れたら徐々に指を動かすリハビリを行います。
リハビリの期間は約2~3週間。また、その後も動きずらい場合はテーピングでサポートします。
ベネット骨折は全治約2か月かかります。そのあと、日常生活を支障なく生活できる完治まではあと数週間かかりそうです。
親指は他の指と違う動きができます。つまんだり、握ったり、開いたり、指と指を合わせたりと。この多様な動きの支点になっているのが母指CM関節です。
また、すぐに処置をしないと悪化しやすいです。違和感を感じたら、すぐに整形外科や外科へ受診しましょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。