指の関節が腫れて曲がらない【原因や対処法を知って楽になろう】
<監修医師 WASHIO>
指の関節が曲がらなくなってしまうと日常生活を送るうえでとても不便ですし、腫れて痛みを伴えば良い思いはしないですよね。なぜ指が曲がってしまうのか、原因と対処法を解説していきます。
指の関節が曲がらない8つの原因
へバーデン結節
指先から第一関節に起こる症状のことを言います。
手指の変形性関節症の中では最も多くみられる症状で、女性の発症頻度が男性よりも10倍も高くなるのです。手指のこわばりから始まり、痛み、腫れ、熱感などの症状が出て進行すると指が伸びなくなったり、横に曲がった状態でかたまってしまいます。
人によっては「粘液腫」といって変形した関節上」や脇の部分にゼリー状の物質がたまり、水膨れのようなものができることもあるのです。
粘液腫は良性なので気にする必要はないですが、気になる場合は注射針を刺して中の液体を抜く治療を行いますが、自然になくなる場合が多いです。
ブシャール結節
変形性関節症が第二関節に起こる症状を言います。へバーデン結節に伴って起こることが多いです。関節リウマチと同じ部分に症状が出るため、区別することが重要で、主な症状としては関節のこわばりや痛み、腫れ、変形などが出てきます。
母指CM関節症
親指の付け根に起こる症状です。親指が痛むと、物をつまみにくくなります。日常生活の簡単な作業が困難になり、生活上の不便が出てきます。
狭窄症腱鞘炎
筋肉と骨をつなぐ腱の外側を包むトンネル状の腱鞘という部分に起こる炎症です。腱鞘に炎症が起こり内腔が狭くなると、中を通っている腱がスムーズに通過できなくなり、指を曲げたり伸ばしたりするときに引っかかる感じがしたり、手首を動かすと痛みます。
多くの場合、手の使いすぎが原因で起こりますが、妊娠中や出産後、更年期など女性ホルモンが大きく動く時にも多く見られます。
ドゥ・ケルバン病
手首の親指側に起こる腱鞘炎です。手首に痛みと腫れが生じます。親指を中に入れて手を握り、手首を小指側に曲げるとひどく痛むことで診断します。
ばね指
指の屈筋腱という部分に起こる腱鞘炎です。多く症状が出るのは親指ですが、どの指でも見られます。指を曲げ伸ばしするときに腱が引っかかり、ばねではじかれるような動きをします。ひどくなると指が伸びなくなり、無理に伸ばそうとすると「カクン」「パキッ」という音が鳴ります。
関節リウマチ
第二関節に多く見られる症状で、痛みと腫脹が生じて指が曲がらなくなります。進行すると軟骨や骨が破壊されてしまいます。30代かあら50代の特に女性に見られ、原因はよくわかっていませんが、膠原病の一種で免疫の異常により関節を覆っている滑膜に炎症を起こします。
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ひょう疽
水仕事や手荒れなどにより、指先に傷ができ、そこから菌に感染して指が腫れる症状です。傷から黄色ブドウ球菌に感染してズキズキと指先が痛み、腫れがあり膿が出ることもあります。
指の関節が曲がらない病の治療法
変形性関節
多くの症状は2~3年で進行が止まり、痛みも取れますが一度変形した関節はもとにもどすことはできません。痛みに対しては、消炎鎮痛剤の内服や湿布、軟膏を使用します。また、テーピングや小さな装具による固定も有効です。
また、温熱療法も痛みを軽減するのに効果があります。自宅でできる対策として、手の血行を良くしたり、関節が曲がった状態で固まらないようにするため、入浴時は湯船の中で手指を動かしたりすると良いでしょう。
へバーデン結節やブシャール結節は、痛みがひどい場合、関節を固定することもありますがあまり手術はしません。母指MC変形関節症では、装具を使った療法などで効果が得られない場合、関節を固定する手術やじん帯の手術をすることがあります。
腱鞘炎
手の使い過ぎが原因で起こるので、安静にしていることが大切です。治療では、添え木や装具を使って手首や指を安定させたり、炎症を止める薬を使います。
また、ステロイド注射を打つこともあります。ステロイド注射はよく効きますが、頻繁に行うと腱を弱くすることがあるので、基本的に2~3回程度しか行いません。なかなか効かなくなってきたときは、狭くなった腱鞘を一部切る手術をします。
腱鞘炎についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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関節リウマチ
整形外科または内科のリウマチがある病院を受診し、問診、触診のほか血液検査や画像検査をします。関節リウマチの症状であれば、薬物療法、手術療法、リハビリテーション療法などをして治療していきます。
ひょう疽
原因となる細菌が主に黄色ブドウ球菌のため、この菌に効果のある抗菌薬を内服し、痛みが特に強いときは痛み止めを併用します。また、赤み・腫れ・痛みが強い場合は、冷湿布をして安静にします。膿がある場合は、皮膚を切開して溜まっている膿を出すと、痛みが弱まり早く治癒します。
指の関節が曲がらなくなる前に予防しよう
日頃からまんべんなく栄養を摂る
女性は指の関節炎を起こしやすいので、ホルモンバランスを整えるために栄養素もバランスよく摂ることが大切です。
関節軟骨の材料となるのは、コラーゲン・コンドロイチン・ヒアルロン酸・グルコサミンが代表として挙げられます。食事で摂取できない場合はサプリメントで摂取するのがおススメです。
サプリメントを飲んでいても効果を感じられない場合もあるので、薬局などの薬剤師に相談したり、実際に病院で扱っているサプリメントを利用すると良いです。
選ぶと良い食材
鶏の手羽先や牛すじ肉、昆布、山芋、納豆などのネバネバ製品にはコンドロイチンが多く含まれています。しかし偏り過ぎると逆効果となり、別の病気を起こすことになるため普段の食事に1~2品加えることを続けるのが良いでしょう。
指を動かす運動
指の関節の腫れが、明らかに外傷以外の場合、または指の軟骨がすり減っている以外の場合は指を動かす体操をすることで指の関節の腫れが和らぐ場合があります。
外傷が原因で指が腫れた場合の対処方法はこちらを見て参考にして下さい。
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