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ベナパスタ軟膏であせもは治る?【非ステロイドで顔に使えるの?】

<監修薬剤師 サリー>

軟膏 

ベナパスタ軟膏は非ステロイドの抗アレルギー軟膏です。様々な痒みに対して使用できます。

 

製造開始されてから半世紀程たっていますが、危険な副作用の報告もなく、現在も愛用され続けているお薬です。

 

今回はベナパスタ軟膏の作用と痒みを引き起こすメカニズム、「あせも」に効果があるのかについて見ていきましょう。

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ベナパスタ軟膏とは

 

ベナパスタ軟膏はかゆみに使用される非ステロイド抗ヒスタミン剤軟膏になります。痒みの原因となるヒスタミンをブロックすることで、痒みを緩和させる効果があります。

 

含有成分はジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩という抗アレルギー作用のある成分を使用しています。

 

この成分をワセリンに溶かして軟膏タイプにしたものがベナパスタ4%軟膏剤になります。市販薬として販売されていないので、病院での処方を受ける形になります。

 

対応する疾患は

✅ 湿疹

✅ 蕁麻疹

✅ 掻痒症

✅ 虫刺され

などに処方されるお薬になります。

 

効果は緩やかで副作用の心配もほとんどありません。このため皮膚の弱い子供から大人まで使用することができます

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ヒスタミンって何?

 

では痒みの原因となるヒスタミンとは、一体どのような物質なのでしょうか。その主な働きや分泌されるメカニズムについて見ていきます。

 

人の皮膚は、空気に触れている外側から角質、表皮、真皮という順番で深層に至ります。

 

この何層にも及ぶ構造をとることで、細菌やウィルスの感染、暑さや寒さといった刺激から体の内部を守っているのです。

 

通常であれば角質がこれらの刺激物をブロックしてくれているため、痒みを感じることはほとんどありません。

 

しかし何らかの原因によって角質が少なくなると、刺激物質が表皮を通って真皮にまで至ってしまい、真皮にあるマスト細胞がヒスタミンを分泌して刺激物を体から追い出そうとします

 

正常な状態であれば過剰に分泌されることはありませんが、様々な原因が元になって、軽度の刺激でさえヒスタミンが過剰分泌されると、強い痒みやむくみを引き起こしてしまうことがあります。

 

このヒスタミンの過剰分泌が原因となった疾患が、アレルギー性鼻炎花粉症といった聞き馴染みのあるアレルギーです。

 

原因になる物質は、ほこり、ダニ、花粉、その他の要因が元となった物がほとんどですが、正常な免疫機構であれば過剰なヒスタミン分泌が必要な物質ではないため、何らかの要因があって免疫の過剰反応を起こしている事は明白です。

 

過剰分泌を起こしてしまう原因には個人差がありますが、生活習慣や幼少期の経験、体質、飲酒、喫煙習慣なども関係していると考えられています。

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ベナパスタ軟膏が効果を発揮する5つの症状

 

ベナパスタ軟膏は主に皮膚のかゆみに対して使用するお薬です。作用は緩やかなため、強いアレルギー疾患には適応外ですが、以下の疾患に対して有効です。

 

蕁麻疹

局部に出現する蕁麻疹に対して有効です。

 

広範囲に強い掻痒感のある蕁麻疹が出た場合は、軟膏を塗っても効果が薄い事があります。病院を受診するようにしましょう。

 

湿疹、かぶれ

皮膚に発赤を伴う痒みが出る事を湿疹といいます。

 

湿疹の原因は色々ありますが、皮膚に直接接触することで痒みが起きる「かぶれ」、原因不明だが皮膚の一部が痒くなる「皮膚炎」などもまとめて湿疹と呼びます。

 

ベナパスタ軟膏はかぶれ、皮膚炎、湿疹に対して有効です。

 

小児ストロフルス

小児ストロフルスとは、虫刺され後に長引く発疹や水疱、痒みを伴うアレルギー反応の事を言います。

 

まだ免疫機能が発達していない5歳前後の小児に起こりやすい疾患で、未熟な免疫機構が虫の唾液に過剰に反応してしまうために起こると考えられています。

 

多くは1週間前後で症状が緩和していきますが、その間の痒みに悩まされることがあります。こちらも原因はヒスタミンの過剰分泌なのでベナパスタ軟膏が有効になります。

 

皮膚掻痒症

皮膚に異常が見られないのにも関わらず、痒みを感じる疾患です。特に多いとされる部位は外陰部肛門周囲、頭部ですが、稀に全身性に痒みが出る事があります。

 

原因は人により様々ですが、病気によるもの、心因性、加齢に伴うものなどがあります。

 

こちらの場合も、ヒスタミンの分泌が過剰になっている事が多々あるため、ベナパスタ軟膏が有効です。

 

虫刺され

虫刺され後の強い痒みの原因は、虫の唾液が皮膚に侵入することで起こります。

 

この唾液に対してヒスタミンが分泌されることで、発赤や痒み、軽度の腫れを引き起こします。ベナパスタはこれらの症状悪化を抑えます。

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急にかゆい!あせもにも効果はあるの?

 

結論から言うと、あせもの痒みを一時的に抑えることはできますが、根本的な治療はできません

 

というのも、あせもは一度完治したように見えても、再発する恐れがあるからです。

 

そもそもあせもができてしまう原因は、汗の通り道である汗腺が塞がることで、内部で炎症が起き、強い痒みが引き起こされることで起こります。

 

この汗腺を塞ぐ原因物質には、汗の中に含まれる老廃物が関係しているのですが、現代人は特に汗をかかない生活をしているために老廃物が多く含まれるドロドロの汗をかきやすく、汗腺が詰まりやすいと言えるのです。

 

また、風通しが悪く汗が乾きにくい衣服、汗をかいて拭き取らずにそのまま、という習慣もあせもを作りやすくしてしまいます。

 

対策は

✅ サラサラの汗をかく(運動習慣や入浴習慣を)

✅ 汗をかいたら拭き取る

✅ 速乾性のある衣服を着用する 

✅ 皮膚を清潔に保つ

などが有効です。

 

あせもは傷を掻破せず、清潔を保持していれば自然と完治していく疾患です。

 

特に子供ですと、痒いからと我慢できず、傷を掻きむしってしまう傾向にあるため、ベナパスタ軟膏で一時的に痒みを抑える方法が有効といえるでしょう。

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顔や妊婦に使っても大丈夫?ベナパスタ軟膏の正しい使い方

 

基本的な使い方

ベナパスタ軟膏の用法用量は

 

✅ 症状に合わせて適量を1日数回患部に塗布

となっています。

 

以前ベナパスタ軟膏を使用してアレルギー症状が出現、悪化したことがある人は使用してはいけません。

 

眼には使用できませんので、誤って眼の中に入らないようにしてください。眼球が痒い時は眼軟膏や目薬タイプの抗ヒスタミン剤を使用していくことになります。

 

子供から大人まで

対象となる年代は子供から大人、高齢者まで幅広く使う事ができます。非ステロイド剤のため、長期使用による副作用の心配もあまりありません。

 

妊婦さんや授乳中のお母さんには基本的に薬の使用はあまり推奨されていません。

 

しかしベナパスタ軟膏にはステロイドなどの強い成分が含まれないため、長期的な使用でなければ可、とされています。

 

軟膏を使う時の注意点

軟膏剤は一日で使い切らないため、数日~数週間に分けて使用していく事が常になります。

 

容器から軟膏を取り出すときは、必ず清潔な手で、必要な分だけ取りだすように心がけましょう。軟膏を多く取りすぎた時は容器に戻さず、余分な分を破棄するようにしてください。

 

こんな症状には適応されません

ベナパスタ軟膏は抗ヒスタミン作用のみを含有した軟膏のため、感染を伴う創傷などには適していません。

具体的には

✅ 炎症、熱感、痛みを強く伴う

✅ 排膿している

✅ 火傷や切り傷

などになります。

 

また痒みが強く、傷を破く程であればベナパスタ軟膏では適応外かもしれません。一度病院を受診し軟膏を変えてみるとよいかもしれません。

 

また、一部の疾患にも効果が期待できない場合もあります。

✅ アトピー

✅ 全身性の蕁麻疹

✅ ステロイド軟膏を継続塗布している部位の皮膚炎 など

これらの疾患や症状では期待できる薬効が得られないことがあります。

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効き目の緩やかなベナパスタ軟膏にも副作用はある

 

基本的な注意すべき副作用はありませんが、過去の報告例の中には、塗布した部位の灼熱感、発赤、腫脹、かゆみ、湿潤を起こしたという事例もあるようです。

 

また過去にベナパスタ軟膏を使用した際に、逆にアレルギー症状を起こしたなどの過敏症をお持ちの方は使用しないようにしてください

 

ベナパスタ軟膏は急な痒みから繰り返す湿疹などに有効な軟膏になります。痒みが悪化する前に適量使用することで、症状の早期緩和と改善が見込める薬剤です。

 

しかし一方で、重症なアレルギー症状や感染を伴う傷口には適応されないという事も忘れてはいけません。

 

軟膏を使用して、おかしいなと感じたら病院で専門医を受診することを忘れないようにしてください。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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