メイアクトの効果が出るのはいつ頃?副作用を知っておこう!
<監修薬剤師 T.Nagao>
副鼻腔炎(ふくびくうえん)や気管支炎(きかんしえん)などで受診した際、メイアクトMS錠を処方されたことのある方もいらっしゃるかと思います。
今回はメイアクトMS錠の効果や副作用についてご紹介します。
なお、この記事は「メイアクトMS錠小児用と大人用の違い!飲み合わせも解説!」と連動していますので、そちらも合わせて御一読ください。
気になる所から確認してみよう
メイアクトMS錠とは?
メイアクトMS錠はセフェム系と呼ばれる抗生物質の1つです。
黄色ブドウ球菌、大腸菌、表皮ブドウ球菌などの細菌によって引き起こされる感染症の治療に使用されています。
気管支炎(きかんしえん)や咽頭炎(いんとうえん)、中耳炎(ちゅうじえん)、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などの感染症で処方されることが多く、使用したことがある方も多い薬だと言えるでしょう。
抗生物質とは?
細菌による感染症にかかると処方される抗生物質ですが、一体どのようなものなのでしょうか?
ここでは抗生物質の働きについて見ていきます。
抗生物質とは、抗菌性物質のことで殺菌作用を持つ
抗生物質は病原体に殺菌的あるいは静菌的に作用する薬で、アオカビなどの微生物によって作られる抗生物質もありますが、現在ではほとんど化学合成されています。
皮膚感染症、呼吸器感染症、泌尿器感染症、婦人科感染症、眼科感染症、耳鼻科感染症、歯科感染症など広い範囲の感染症の治療に用いられます。
メイアクトMS錠の効果
メイアクトMS錠は細菌を殺菌する効果のある抗生物質で、幅広い細菌性感染症(一部を除く)に高い効果を発揮することが知られています。
特にグラム陰性菌と呼ばれる、細胞外壁の薄い細菌類により引き起こされる感染症に効果を発揮します。
ここではメイアクトMS錠の効果が期待できる主な病気を2つご紹介します。
気管支炎(きかんしえん)
急性と慢性に分けられる呼吸器疾患(こきゅうきしっかん)の1つで、気管支が炎症を起こすことで発症します。
風邪と症状が似ている為、区別がつきづらく、そのまま放置しておくと肺炎(はいえん)に進行することもあります。
長引く咳や就寝中のぜえぜえという喘鳴(ぜんめい)、黄色や緑色の痰(たん)が出るなどの場合には、細菌に感染して急性気管支炎を起こしている可能性が高いでしょう。
慢性気管支炎は、喫煙(きつえん)や受動喫煙(じゅどうきつえん)が原因のことが多く、これらの環境を変えなければ完治は難しいと言われています。
細菌が原因の場合のみ、メイアクトMS錠などの抗生物質の投与で治療することができます。
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膀胱炎(ぼうこうえん)
細菌が尿道(にょうどう)から膀胱に侵入することで炎症を起こし、男女比では女性が圧倒的に多いと言われている病気です。
女性に多い理由は、身体の構造的に男性よりも女性の方が尿道が短い為(女性の方が男性よりも10㎝近く短い)、細菌が侵入、感染しやすい環境だからだと言えるでしょう。
排尿後のしみるような痛みや残尿感、血尿(けつにょう)などの症状を引き起こします。
治療は、体内に侵入した細菌を早く体外へ排出させることが重要だとされており、水分をたくさん取って尿として出すことで細菌を洗い流す効果があります。
また、それと同時に体内の細菌を死滅させる為にメイアクトMS錠などの抗生物質を内服する治療が一般的です。
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その他こんな場合にも処方されます
その他にも様々な感染症にメイアクトMSは処方されます。
メイアクトMSはアクネ菌に対する抗菌力もあり、皮膚科でニキビ治療の内服薬としても使用されます。
また、インフルエンザで病院を受診した際、「何種類か薬をもらったけど、メイアクトも含まれていた」という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これはメイアクトMSにインフルエンザを治す効果があるのではなく、「インフルエンザが原因で別の感染症を発症しないように」するために処方される薬です。
免疫力の弱い子供や老人に併せて処方されることが多いです。
感染予防のために処方されるのであり、肺炎や中耳炎予防のためです。マイコプラズマなどには効果がありません。
その他にも副鼻腔炎、蓄膿症、扁桃腺、溶連菌など幅広い症状に使用されています。
メイアクトMS錠の効果が出始めるのはいつ頃か
抗生物質は細菌を死滅させ、殺菌することで病気の原因を除去する原因療法として使われます。 そのため、今出ている自覚症状をすぐに緩和させる効果はあまり期待できないでしょう。
効果が出始めるのは処方された分を飲み切った後と考えるのが良いと言えます。
症状や医師によって処方される日数が異なるので、処方された日数を1つの目安としておくのが良いでしょう。
ただし、メイアクトMS錠があまり効かない場合もある為、処方された分を飲み切っても症状が改善されない場合は、別の抗生物質が処方されることもあります。
メイアクトMS錠の副作用
メイアクトMS錠は、副作用が少ないと言われるセフェム系の抗生物質です。
同じく抗生物質の1つであるペニシリンはアレルゲンとなり得る場合があり、ペニシリンによるアレルギー反応はペニシリンショックと呼ばれています。
メイアクトMS錠などのセフェム系抗生物質は、副作用が比較的少ない為、現在は抗生物質の大半を占めていますが、
まれにアレルギー症状などの副作用が出ることがあります。
主な副作用として、下痢、軟便、嘔気、胃不快感等の消化器症状、及び発疹等のアレルギー症状があります。 このような症状が出た場合は、医師や薬剤師に相談してください。
また、まれに起こる副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、偽膜性大腸炎、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、間質性肺炎、PIE症候群、肝臓・胆管系障害(肝機能異常、肝機能障害、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇)などがあります。
ショック、アナフィラキシー様症状では、顔面蒼白、冷や汗、呼吸困難などの症状、偽膜性大腸炎では、発熱、下痢、腹痛、血便などの症状があります。
皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症では、発熱、中央に浮腫を伴った紅斑、眼球結膜の充血といった症状があり、間質性肺炎、PIE症候群では発熱、から咳、息切れの症状があります。
また、肝機能障害の自覚症状としては全身倦怠感、食欲不振、皮膚や結膜などの黄染があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
これら以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
なお、抗生物質に多く見られる牛乳アレルギーに反応するカゼインナトリウムですが、メイアクトMSはカゼインナトリウムを添加物として含まない薬です。
頭痛や鼻水、喉の痛みなど体調不良に陥る場合もありますが、薬の服用期間を過ぎると症状は消えます。
また、吐き気や嘔吐(おうと)、下痢(げり)などが起きることもあります。
抗生物質を服用するとお腹がゆるくなりがちだと言う方は、医師に相談し、整腸剤(せいちょうざい)を一緒に処方してもらうと良いでしょう。
自己判断で他の医薬品と一緒に服用することは避け、副作用が出た場合や飲み合わせなどは必ず医師や薬剤師に相談してください。
メイアクトMSを服用中に飲酒してもいいの?
飲酒によって体内に摂取されたアルコールはアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは身体の中を一周した後に水と酢酸に分解されるのですが、この循環がうまくいかないと「二日酔い」症状が出ます。
メイアクトMSはセフェム系抗生物質に分類されますが、セフェム系抗生物質はこのアセトアルデヒドの代謝を阻害する働きがあります。
そのためメイアクトMSの効果が持続する期間にアルコールを摂取すると、ひどい二日酔いになる可能性が高いです。
可能な限り、メイアクトMSを服用中の飲酒は避けましょう。
どうしても外せない飲酒の席がある場合は、メイアクトMSの服用から2時間~6時間空けておくと影響が少なくて済みます。
まとめ
以上、メイアクトMS錠についての効果や副作用についてでしたがいかがでしたか?
抗生物質がアオカビなどの微生物によって作られていることに驚いた方も多いのではないでしょうか?
細菌に対して高い殺菌作用があるセフェム系のメイアクトMS錠ですが、使用上の注意など重要なことが他にもあります。
これらについては「メイアクトMS錠 小児用と大人用の違い!飲み合わせも解説!」の記事を参照してください。
薬には副作用がつきものですので、しっかり容量、用法を守って使用するようにしましょう。
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