メジコン錠の8つの副作用に注意【効かないのはナゼ?】
<監修薬剤師 cinnamon>
メジコン錠というお薬を知っていますか?咳止めのお薬として長年処方されてきたもので、皆さんも一度は服用したことがあるかもしれません。
咳が出るときって風邪が原因のことが多いでしょうか。病院に行くと様々な症状の緩和や治療のために、複数の薬を処方されますよね。メジコン錠もそのうちの一つだと思います。そういうときに覚えていてほしいことがあります。
今回は、メジコン錠の特徴や副作用などについてまとめていきます。「副作用があるの?」「飲んだのに効かないのはなぜ?」等の疑問に分かりやすく解説していきたいと思います。
気になる所から確認してみよう
メジコン錠の特徴
メジコン錠は歴史の長い鎮咳薬
メジコンは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を主成分とした「鎮咳薬(ちんがいやく)」、いわゆる咳止めの先発医薬品です。ちなみに薬価の安いジェネリック医薬品としてデキストロメトルファン臭化水素酸塩錠という薬も開発されています。
メジコンの歴史は古く、1955年に発売されてから長年にわたり広く処方されているお薬で、高い安全性としっかりした効果が期待できます。
非麻薬性なので副作用が少ない
鎮咳薬には、効果が強力でも依存性や耐性のある「麻薬性」と、効果は弱めで依存性や耐性のない「非麻薬性」の2種類があります。
ちなみに、依存性とは、体が薬に依存し、止めると禁断症状が出ることです。また、服用し続ける毎に体が薬に慣れ、だんだん効果が得られなくなるものを耐性といいます。
非麻薬性は麻薬性と比べると副作用が少ないとされており、安全性の高いお薬です。メジコンは非麻薬性に分類されていますが、麻薬性の一部の薬と同じくらいに効き目のある薬とされ、効果的に安心して使える薬なのです。
その他の咳止め効果のある市販薬についてはこちらを参考にして下さい。
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メジコンのシロップには去痰作用もある
メジコン錠、メジコン散、メジコン配合シロップの形状があり、シロップにだけ去痰作用も含まれます。
去痰作用とは、痰を体外に排出しやすくする作用です。風邪もそうですが、咳の出る疾患は痰も出ることが多いですよね。
メジコン配合シロップには、クレゾールスルホン酸カリウムという去痰剤が配合されているため、1つのお薬で2つの作用が得られるという点で使い勝手が良いでしょう。
メジコン錠が効く8つの疾患
メジコン錠・メジコン散は咳を伴う疾患全般に効く!
感冒(風邪)、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)の、咳症状を伴う疾患に効きます。また、気管支にカメラを挿入する手術や検査のときに咳が出ないよう使います。
気管支炎の症状についてはこちらをみて参考にして下さい。
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メジコン配合シロップは咳と痰を伴う疾患に効く!
急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒、上気道炎の他に、肺結核、百日咳などの痰症状の出る疾患にも効果を発揮します。
メジコン錠にはこんな作用がある!
咳中枢を抑制して咳を止める
咳は、脳の延髄と呼ばれる部位の咳中枢でコントロールされています。これは反射的に起きる反応であるため、私達の意識で咳を抑えようとしてもできません。
そもそも咳は、気管に入ってきたばい菌やウィルスなどの異物を体内に入れないようにする大切な防御システムなんです。異物の刺激はすぐさま咳中枢に伝えられ、呼吸筋や横隔膜へ咳の指令を出すのです。
メジコンは、延髄の咳中枢に直接作用して、咳反射を起こしにくくさせます。
シロップは気管支を潤す
シロップのみに含まれるクレゾールスルホン酸カリウムという物質は、気管支にある気管支腺細胞に作用して、気管分泌液の分泌を促します。これが気管支を潤わせ、痰を切りやすくしたり体外に排出しやすくしてくれるのです。
また、痰の粘度もネバネバからサラサラにする作用も去痰に効果的です。
メジコン錠は症状に合わせて処方される
咳や痰は、ばい菌を体外に排出しようとする正常な生理反応です。そのためむやみに止めてしまうと病気の治りが悪くなってしまいます。
咳があまりにひどくて日常生活に支障をきたす場合や、気管を傷つけてしまうおそれのある場合などに、その他の症状をみながら服用する必要があります。
メジコン錠の8つの副作用に注意
主な8つの副作用
メジコン錠は副作用の少ないお薬といわれています。報告されている副作用といては、悪心、めまい、食欲不振、吐き気、胃部不快感、下痢・軟便、蕁麻疹・発疹、眠気です。
また、極めてまれなケースですが、呼吸抑制、ショック、アナフィラキシー様症状などの重篤な副作用にも注意が必要です。服用後、息苦しさや蕁麻疹、目や口が腫れたりした場合はショックの初期症状の可能性がありますので要注意です。
下痢の症状が出た場合の原因についてはこちらも参考にして下さい。
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使用上の注意が必要
以前にメジコン錠を使用してアレルギーが出た人、妊娠中または授乳中の人、市販薬含め他の薬を服用している人は、副作用が出ることもありますので、予め医師や薬剤師に相談してください。
メジコン錠が効かない!?その理由
メジコン錠には去痰作用はない
先に記しましたが、メジコンの3形状のうち、去痰作用のあるものはシロップのみです。もしも、服用しているものがメジコン錠であれば去痰作用は期待できません。
メジコン錠で効かない場合は別の鎮咳薬を!
メジコン錠は、中枢性の鎮咳作用の強いお薬といえるでしょう。しかし、症状や環境の差、個人差によって薬の効き目は異なるようです。
喘息など咳があまりにひどいときやメジコンで効果のなかった人は、別の鎮咳薬を処方したり、組み合わせを変えたりして様子をみることは珍しくありません。
また、長引く咳の場合には、気管支の炎症がひどくてメジコンが効きにくくなっていることもあります。吸入ステロイドなどの抗炎症薬や気管支を広げて呼吸を薬にする薬と併用することで改善を図ることもあります。
また、メジコン錠は痰が絡まない乾いた咳に効果があります。薄い水様の鼻水、くしゃみ、痰を伴う咳には効果的とはいえず、漢方薬の小青竜湯などの方が適しています。
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飲み合わせに注意
メジコン錠は、感冒薬として去痰薬のムコイダン、解熱鎮痛剤のロキソニンと組み合わせて処方されることも少なくありません。これは、薬の併用で生じる相互作用の報告がないためです。
しかし、たとえばパーキンソン病治療薬のMAO阻害薬との併用で痙攣、反射亢進、異常高熱、昏睡などの重篤な症状が報告されています。
その他、併用によって抗うつ薬の副作用が強まるおそれもあります。
薬には飲み合わせによって副作用を引き起こしたり、効果を打ち消してしまうものもあります。メジコン錠は、医師の処方箋がないと服用できないお薬ですので、心配事があれば医師に相談、確認しましょう。
今回は、メジコン錠の効果と副作用についてまとめてみました。
咳止め効果がしっかりと期待でき、安全性の高い薬であるメジコン錠ですが、ときに副作用が出たり、症状によって効果がみられない場合もあります。
必ず医師により処方されるお薬ですので、必ず指示に従って適切な飲み方で服用しましょう。
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