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ライソゾーム病とは?【数多くの症状や治療薬について簡単に解説!】

<監修医師 春田 萌>
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ライソゾーム病とは体内組織のライソゾームという小器官で機能すべての酵素の働きが低くなる、もしくは無くなるといった現象が起こり分解されるべき物質が細胞内に蓄積されていってしまう病気のことです。

 

今回はこのライソゾーム病のあらゆる症状と緩和する、もしくは治すための治療薬についてご説明いたします。

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ライソゾーム病とは?

 

ライソゾームというのは体の細胞内の小器官のことを言い、通常は一定量を超えた脂肪や糖質などの物質を分解する働きを担っています。

そしてライソゾーム病というものはこれらの働きが低くなったり、無くなったりする病気のことです。

 

ライソゾーム病とはライソゾーム内の酵素の働きが弱まる病気

ライソゾームとは身体の細胞内の小器官のことをそう呼んでおり、「リソゾーム」や「リソーム」と呼ばれることもあります。

このライソゾームの中にはたくさんの種類の「酵素」が含まれていて、通常であれば身体に不要となった「脂肪」や「糖質」を分解してくれます

 

しかしライソゾーム病はライソゾーム内で機能すべての酵素の働きが“低くなる”もしくは“無くなる”などの現象が起こり、分解されなければいけない物質が“細胞内に蓄積”されてしまうのです。

 

ライソゾーム病は非常にまれな病気で難病にも指定されている

ライソゾーム病は新生児で“約7,700人に1人の割合”で起こる非常にまれな病気で、その治療もとても難しく「小児慢性特定疾患(難病)」にも指定されています

 

またライソゾーム病はどの酵素の働きが機能していないかで病名が異なり、「ゴーシェ病」や「ファブリー病」「ポンペ病(糖源病Ⅱ型)」「ムコ多糖症Ⅰ型」「ムコ多糖症Ⅱ型」などに分類されているのです。

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ライソゾームの症状

 

ライソゾーム病は分類されている病名によって症状が大きく異なり、分類されたものによっては貧血やけいれんなどの神経症状の他、骨の変形や知的発達障害など症状の現れる重さや数なども様々です。

 

【ゴーシェ病】はグルコセレブロシダーの働きが弱まる

ゴーシェ病と呼ばれるものは「グルコセレブロシダー」という酵素の働きが低下したり、無くなることによって「グルコセレブロシド」という物質が分解されにくくなります

 

それにより、肝臓や脾臓(ひぞう)が肥大し、「貧血」や「血小板の減少」「骨症状」「けいれん」「斜視(左右の目線が一致しない)」などの神経症状が現れます。

 

【ファブリー病】はα-ガラクトシダーゼの働きが弱まる

ファブリー病と呼ばれるものは「α-ガラクトシダーゼ」という酵素の働きが低下したり、無くなることで「グロボトリアオシルセラミド」という物質が分解されにくくなります

 

「手足の痛み」や「汗をかきにくい」「腎機能障害」「心機能障害」「脳血管障害」などの症状が現れます。

 

【ポンペ病】は酸性のα-グルコシダーゼの働きが弱まる

ポンペ病(糖源病Ⅱ型)と呼ばれるものは「酸性のα-グルコシダーゼ」という酵素の働きが低下したり、無くなることで「グロポトリアオシルセラシド」という物質が分解されにくくなります。

「筋力の低下」や「体重が増えにくい」「心機能低下」などの身体症状が現れます

 

【ムコ多糖症Ⅰ型】はα-L-イズロニダーゼの働きが弱まる

ムコ多糖症Ⅰ型と呼ばれるものは「α-L-イズロニダーゼ」という酵素の働きが低下したり、無くなることで「グリコサミノグリカン(ムコ多糖)」という物質が分解されにくくなります。

 

「関節のこわばり」や「骨の変形」「肝臓や脾臓の肥大」「知的発達障害」「水頭症(頭の中に水が溜まる)」などの身体症状と神経症状が現れます

 

【ムコ多糖症Ⅱ型】はイズロン酸-2-スルファターゼの働きが弱まる

ムコ多糖症Ⅱ型と呼ばれるものは「イズロン酸-2-スルファターゼ」という酵素の働が低下したり、無くなることで「グリコサミノグリカム(ムコ多糖)」という物質が分解されにくくなります。

 

「関節のこわばり」や「骨の変形」「肝臓と脾臓の肥大」「知的発達障害」「むくむくとした顔立ち」などの症状が現れます

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ライソゾーム病の治療法

 

ライソゾーム病は難病で治療が大変難しいとされ、完治するための治療法というものは今現在存在していません。そのため主に酵素補充などの治療を行います。

 

その他では「造血幹細胞移植」や「シャペロン療法」「気質削減療法」「遺伝子療法」などがあります。

 

【酵素補充療法】では酵素を点滴

酵素補充療法とは欠損している酵素を点滴する方法ですが“一生涯点滴”を続けなければならず、静脈から酵素を投与しても脳まで酵素は到達しないので、脳には頭や脊髄から直接酵素を投与します。

 

【造血幹細胞移植】には二種類の移植方法がある

造血幹細胞移植とは人の骨髄を採取して移植する方法と、臍帯血(さいたいけつ)を用いた移植方法があります。

脳に対しては幹細胞が脳へ移行し効果があると考えられており、脳の合併症がある疾患では選択肢として出されます

 

【シャペロン療法】は薬で異常酵素を安定させる

シャペロン療法では薬を使用することで、働きが出来ない異常酵素を安定させ少しではありますが働きを持たせるための治療法となります

これにより症状の進行が緩やかになり薬も口から服用できるうえ、脳の症状にも効果があります。

 

【基質削減療法】は病気の進行速度を抑える

基質削減療法とは蓄積の原因となっている物質の生成を減らし、病気の進行速度を緩やかにさせる治療法のことです。今現在は「ニーマンピックC」という薬があります。

 

【遺伝子療法】は臨床実験の段階

遺伝子療法は異染性ロイコジストロフィーやムコ多糖症Ⅲ型などでは今現在も臨床実験が行われている段階です

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