ライノウイルスの6つの症状や治療方法【こんな人は要注意!】
<監修医師 まっちゃん>
ライノウイルスとは大人の風邪の3割から半分位の風邪の原因とされているウイルスです。
風邪はかぜ症候群、感冒などと呼ばれるものであり、インフルエンザなどが流行る冬頃には下火になりますが、一年通して見られるものです。
今回はライノウイルスについてご紹介します。
ライノウイルスの症状
ライノウイルスは繁殖するのが33度付近の為、体内の深部ではなく咽頭や鼻などで繁殖します。流行する季節というのは特にありませんが、季節の変わり目である春や秋あたりに感染者が多いと言われています。
潜伏期間は1~3日と短く、初期症状としては頭痛や呼吸器疾患である、のどの痛み、鼻詰まり、くしゃみ、鼻水が起こり、その後少し遅れて咳が出始めます。発熱はそんなに酷くはなく、症状としては上気道中心の症状です。
風邪の菌の潜伏期間についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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2週間程度すると症状は全快しますが、ライノウイルスには100種類以上の種類があるとされており、同じ種類のライノウイルスにかかることは頻繁にないため抗体ができても合致せず、一度治癒しても再度かかることのある感染症です。
感染経路としてはライノウイルスにかかった患者さんからの咳やくしゃみによる飛沫感染、患者さんが触った場所を触る(トイレなど)接触感染がほとんどです。
ライノウイルスの治療法
ライノウイルスに効く特効薬はありません。症状に合わせた対症療法が主になります。ライノウイルスによる鼻が詰まる事で主に細菌感染による場合には気道の粘膜が痛んでしまう事が多いため、細菌による二次感染が起こる事があります。
鼻が詰まる事で中耳炎や気管支炎、肺炎、副鼻腔炎を起こす事があり、その際には抗生物質の投与を行います。
抗生物質についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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また高熱が出たりする事は稀であり、激しい頭痛、発疹、呼吸困難、胸痛などがみられる場合は、検査などを行い、他の感染症の有無を調べる事がほとんどです。
喘息を持っている人は要注意
ライノウイルスへの感染は喘息を持っている方は特に注意しなければなりません。
その理由としては喘息の人がライノウイルスに感染する事で、気道狭窄(気道が狭くなる)が起こり、息苦しさを感じます。喘息でない人は鼻風邪で終わる事が多いので、喘息の方がかかると、症状が酷くなってしまう可能性が高いのです。
注意しなければいけないのは,ダニなどでアレルギーを持つ子供です。ダニは各家庭の布団など部屋に生息していますが、ダニを吸い込む事で粘膜がアレルギー反応を起こします。
これを繰り返す事で鼻や気管支の粘膜が弱くなってしまっている可能性があります。
健康な子どもさんでは鼻かぜでも、粘膜が弱ってしまっている子どもさんはライノウイルスに対しての耐性が弱いので、アレルギー性鼻炎の悪化や気管支喘息の発作を起こす原因とされています。
特にライノウイルスのC群と呼ばれるウイルスの種類に関しては、重症呼吸器症状の原因となると最近の研究で報告されています。
ライノウイルスがやっかいなのは健康な人には症状が出ないこともあり、知らず知らずのうちに人に移してしまっている事があるということです。
気管支喘息についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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ライノウイルスを予防するには
ライノウイルスにかからない為にはどのような予防法があるのでしょうか。
通常、胃腸炎などを起こすウイルスにはウイルスの膜というものがあるのですが、この膜はアルコール消毒などによって壊すことが可能です。
それによってウイルスは死滅させる事が出来るのですが、実はライノウイルスはアルコール消毒では膜を壊すことが出来ず、アルコールによる除菌方法が効かないのです。
では有益な予防法は一体何なのでしょうか。
1. 手洗いは複数回行った後に、アルコール消毒を行う。(とにかくウイルスを洗い流す事が大切です。)
2. 飛沫感染を防ぐためにマスクを着用する。
3. うがいをする。(喉に付きやすいウイルスなので、うがいでウイルスを外に出します。)
4. 水分を良く摂り、加湿を行う。
5. 3%過酸化水素水で家具など周りを拭き取る(手袋は必ず使用して下さい)。 |
他にもエキナシア(薬用ハーブと機能性食品)、亜鉛製剤、ビタミンCが効くとよくいわれていますが、はっきりとした効能は挙げられていません。
ビタミンCについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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前述にもお伝えしたように、ライノウイルスに対する特効薬はありませんので、なるべく安静にして休養を取る事が大切です。
またこの中でも特にマスクでの予防法が有益と言われています。なぜならアルコールでも死滅しにくい菌なので、とにかく体内に侵入させない事が大事であり、鼻や口から吸いこむウイルスを寄せ付けない意味でもマスクでの予防は有益性があります。
また自分がかかった際にもマスクをしていれば、他の人にうつす心配もありません。ただ感染している際のマスクの処理などには十分に気を付けましょう。ライノウイルスは繰り返し感染する事がありますので、注意が必要です。
かかってしまった際には感染拡大を防ぐようにする事がエチケットです。ライノウイルスで死亡するという事は特にありませんが、中には二次感染により重篤な症状を引き起こす事もあります。
自分や周りの人の健康を維持するためにも、ウイルスに感染しないように努めましょう。
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