レタスの意外な栄養価とは【多くの効能が隠されていた!】
<監修食生活アドバイザー 藤沢 淳司>
皆さんは、レタスの栄養価をご存知ですか?緑黄色野菜ではないので、あまり栄養価がなさそうに見えるレタス。
でも実は、私たちにうれしい栄養素が含まれていました。隠れた効能を持つ、レタスについて紹介します。
気になる所から確認してみよう
知ってるようで知らない?!レタスってどんな野菜
まずは、レタスがどんな野菜か紹介したいと思います。
レタスはキク科の仲間。地中海沿岸や西アジアでよく生産され、日本の産地では長野が有名です。
レタスの旬は、地域によって異なります。日本では、多くの地域では秋と春ですが、長野などの高冷地では夏から秋にかけて。
九州や四国など温暖な地域では冬でも出荷され、現在では通年市場に出回っています。しかし、原産地のヨーロッパでは、晩春から初夏が旬の野菜です。
高齢者やとある地域の人はレタスのことを「チシャ」と呼んでいます。チシャはレタスの和名。
チシャと言っても、立ちチシャ、掻きチシャ、葉チシャ、玉チシャなどレタスの種類事に、呼び名も少しずつ変わっています。
ちなみにレタスと似ているキャベツは、アブラナ科。植物としては全く異なる種類です。
レタスの多くは水分。でも本当は栄養素がしっかり詰まっている
レタスの主な成分は水分。しかしその中には、下記の栄養素が詰まっています。
✅ ミネラル(鉄分・カリウム)・・・ミネラルは、体内で作ることができない栄養素ですが、体を作る上で必須となる栄養素です。そのミネラルの中で鉄分とカリウムを多く含んでいます。
鉄分は、体内に酸素を運ぶ赤血球の核となる栄養素。鉄分が不足すると、貧血になってしまいます。
カリウムは、血液中の塩素などのバランス調整を図り、筋肉や神経への伝達をスムーズにする働きがあります。
✅ カロテン・・・緑黄色野菜に多く含まれているカロテンですが、レタスにも豊富に含まれています。
カロテンを摂取すると、体内ではビタミンAに変換され、強力な抗酸化作用として働きます。
✅ ビタミンC・・・別名アスコルビン酸と呼ばれるビタミン。美容効果だけでなく、ストレスやたばこなどの影響により、体を酸化する活性酸素から守る働きをしてくれます。
✅ ビタミンE・・・脂溶性のビタミンの一つ。血管の老化を防ぎ、血行を改善する働きがあります。
カロテン・ビタミンCと同じく、抗酸化作用があり、一緒に摂取することで、より効果を発揮できます。
✅ 食物繊維・・・レタスの中でもサニーレタスに多く含まれているのが、食物繊維。食物繊維には2種類あり、水溶性食物繊維が豊富です。
水溶性食物繊維は血糖値の吸収を穏やかにする。悪玉コレステロールの改善。腸内の滞留時間が長いので、腹持ちが良いという効果があります。
✅ 葉緑素・・・クロロフィルとも言います。厳密にいえば、栄養素ではなく、緑色色素ですが、効果は充分。抗酸化作用、防臭・防菌作用、デトックス効果が期待できます。
葉緑素についてはこちらを参考にして下さい。
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家庭菜園のレタスの苦味が強いのはなぜ?
レタスの中でもリーフレタスの栽培は家庭菜園でもできるので、育ててみたことがある人もいると思います。しかし、家庭菜園のレタスは市販のレタスと比べ、味が苦いと感じた経験ありませんか?
家庭菜園と市販のレタス、なぜ味が違うのでしょうか?
レタスの苦味の素。それは、ラクチュコピクリンという成分です。レタスの茎を切ると、切り口から白い液体が出てきます。その液体にこの成分が含まれています。
ラクチュコピクリンには、鎮痛作用や鎮静作用がありますが、苦味の成分でもあります。
苦くならないために、気を付けることは主に2つ。
一つ目 十分に水分を与える
苦み成分は育っていく過程で徐々に増加していきます。植えたら、すぐに肥料や水を十分に与えましょう。
二つ目 育ちすぎに注意する
大きくなってから収穫しようと思っていると、育ちすぎてしまい苦味が増してしまいます。レタスは柔らかいものがオススメ。また、重たいものも苦味が多くなってしまいます。
まだ早いかな?と思う程度で収穫してしまいましょう。また、特に夜間でもライトや光がよく当たる場所では、予想以上に早く育ちすぎてしまうので注意が必要です。
レタスに隠された効能を大公開!
レタスを食べるとどんな効果が期待できるのでしょうか?
美白効果・炎症作用
美白に必要なのが、ビタミンC・E、カロテンです。レタスにはこの3つの栄養成分が含まれています。
また、これらの効果の元である抗酸化作用には、炎症作用を抑える働きもあります。
美肌に効果のある食べ物についてはこちらを参考にして下さい。
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ダイエット効果
食物繊維を含んでいるレタスは、ダイエットの見方。食物繊維は腸の中で長くとどまっているため、腹持ちが良いと言われています。
また、便秘解消効果もあります。レタスだけでは不十分ですが、他の食材に入れてかさ増しすることで、カロリーを抑えながら満腹感を得ることができます。
不眠症の予防・改善
苦み成分でもあるラクチュコピクリン。実は、不眠症にも効果があります。寝つきが悪いとき、原因の一つに神経が興奮していることが挙げられます。
鎮静作用が含まれているラクチュコピクリンには、神経を抑制し、リラックス効果をもたらしてくれるので、不眠症に悩んでいる人は、レタスを食べてみましょう。
不眠症への対処方法についてはこちらも参考にして下さい。
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アンチエイジング
抗酸化作用は、美肌を作るだけではありません。血管を強くする働きによって、血流の改善、免疫力アップなど、アンチエイジングが期待できます。
また、高血圧予防の他、ガン抑制する効果も期待できます。
痛みやすいレタスの正しい保存法
レタスを買ってきても、すぐにヘタってしまい、なかなかおいしく保存できない…そんなお悩み、経験したことありませんか?おいしさを保つ保存方法、ご紹介します。
まず、水で濡らしたキッチンペーパーでレタスを包み、ビニール袋に入れて野菜室で保存しましょう。
外葉が濡れたままでは痛む原因になるので、キッチンペーパーは固く絞ること。芯の部分に水分を補給できるよう、キッチンペーパーを当てると、なおよいです。
暑さに弱い野菜のため、すぐに食べきることが一番良いですが、なかなか消費が難しい場合、冷凍することも可能です。
冷凍保存の場合は、一口大にちぎってビニール袋に入れましょう。食べるときは、そのままスープなどに入れます。
レタスは加熱すると成分に変化があるの?
主にサラダで使われることが多いレタス。生のままでも、加熱してもおいしいレタスですが、加熱をすることで栄養価は変わるのでしょうか?
レタスに含まれている8つの栄養素の内、加熱調理することで失われてしまう栄養素は2つあります。
それはビタミンCとカリウムです。もともと、この2つの栄養素は水溶性で、熱を通すとそこから栄養素が流れ出てしまいます。
しかし、腎臓に持病がある方は、カリウムの摂取に制限があるため、一度カリウムを流してから、摂取することが推奨されています。
沢山の栄養素が詰まっているレタスは、他の食材と組み合わせることで、より効果アップを期待することができます。
レタスと良い組み合わせの食材はこちら。
✅ 高血圧や動脈硬化の予防・・・アスパラ、椎茸、豆腐、わかめ
✅ むくみの改善・・・きゅうり、小豆、鶏肉 ✅ 食欲増進、体力増強・・・大根、海老、牛肉 |
レタスには栄養素が沢山含まれていました。食べ合わせのよい食材と一緒に、レタスの豊富な栄養素を摂取しましょう。
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