人の目が気になる原因はコノ病気かも【3つの克服法で解放されよう】
<監修医師 豊田早苗>
学校や職場など、集団の中で生活していると、気になる人の目。
人の目を気にしない人とそうでない人がいますが、人の目を気にしすぎる性格の人にとっては、人の目を気にし過ぎるために、色々と悩みがちになっていませんか?
もしかしたら、それは、病気かも!?人の目が気にならないために3つの克服方法もご紹介します。
気になる所から確認してみよう
人の目が気になるきっかけは何だったのか
人の目が気になるのは様々なきっかけがありますが、人間関係の中で生まれることが多いです。
大勢の人の前で話す、目上の人(先生や上司)と話すときなどは、どのように思われているのか極度に気になったり、相手の顔色を伺いながら話す場面が多く、緊張してしまいます。
また、相手に限らず、怒られる、恥ずかしい、嫌われるといったマイナスイメージから、自分を過小評価してしまい、人の目を気にすることも。
また、いじめがきっかけの場合もあります。
「人間関係が面倒くさい」と感じてしまったら、こちらも参考にして下さい。
【関連記事】
人間関係がめんどくさいと感じるのは病気?【隠れた心理と克服法をお伝え】
人の目が気になると悪影響もある
では、人の目を気にするとどんな悪影響が出てしまうのでしょうか?
気にしすぎからくる挙動や性格について紹介します。
不安・心配になりやすい
人の目ばかり気にしてしまうと、常に人からの印象が気になり、不安や心配を抱えてしまいます。
また、緊張することも多くなり、他の人よりもストレスを多く感じることになります。
不安を強く感じやすい人の心理についてはこちらを参考にして下さい。
【関連記事】
不安神経症の症状診断チェック【効く薬や原因を知って治療しよう】
自分の意見を言えない
世間体を気にしすぎることによって、自分の意見が言えなくなり、消極的になってしまいます。
また、意見だけでなく、行動についても人に合わせることが多くなり、周囲に流されやすくなります。
コミュニケーション障害になる
人の目を気にしすぎるがゆえに、いわゆるコミュ障に陥りやすくなります。
集団生活に馴染めず、孤独になってしまう。
また、学生に多く見られるキョロ充の可能性もあります。
キョロ充とは、常にリア充と呼ばれているグループの誰かを探すようにキョロキョロする人です。
友人を探しますが、グループ内の一員であることに対してアイディンティティを感じていますが、実際の生活では、自ら発言することは少なく、リア充のグループに関わり、あたかも自分の生活が充実している人のことを言います。
いわゆる金魚のフンと揶揄される人のこと。
人間関係に対し、コンプレックスを抱えやすくなります。
そもそも人の目が気になるのは良くないことなの?
人の目を気にしすぎるが故に、悪影響を受けることを紹介しましたが、人の目を気にすることは悪いことばかりなのでしょうか?
特に日本人は他の人種に比べ、世間体を気にし過ぎる傾向にあります。
逆に、人の目を気にすることのメリットについて紹介したいと思います。
人の目を気にするということは、逆の見かたをすれば、周りを観察しているということ。
よく観察していることで周囲の変化を早く察知できる感受性が高いということが言えます。
また、人の目を気にするということは周りに迷惑をかけないよう、ルールを守る誠実さ、まじめさがあります。
ルールを守る几帳面な性格は、責任感も強い傾向があり、周囲からとても高評価を得られるのではないでしょうか?
しかし、神経質になりすぎてしまうと、精神・身体的にも疲れてしまうので、ほどほどが良いでしょう。
神経質かどうかはこちらも参考にして下さい。
【関連記事】
神経質な人のチェック診断!【こんな怖い病気に注意して!】
人の目が気になる原因はコノ病気かも
人の目が気になるのは、個性の一つかもしれません。
しかし、極度に気になるようであれば、病気の可能性もあります。
視線恐怖症
視線恐怖症には2つのタイプがあります。
一つは、他者視線恐怖症。周りの人が自分のことを噂しているのではないかなどといった、他人からの視線に対して恐怖心を感じるタイプ。
また、この他者視線恐怖症に対しては、自分の外見に自信が持てず、コンプレックスを感じる醜形恐怖症(しゅうけいきょうふしょう)とも強い関連性があります。
また、重症になると、妄想が起こることもあり、統合失調症など別の精神疾患の恐れもあります。
もう一つは、自己視線恐怖症です。これは、自分の視線に対して恐怖心を感じる病気です。
例えば、目つきが怖いと思い、まともに目を見て話せない。電車などで、どこに目線を向ければわからない。などといった場合に起こります。
嫌われ恐怖症
とにかく人に嫌われたくない!と、とにかく顔色を伺い、人に嫌われることを極端に嫌がるが故に、対人状況で恐怖感を感じる病気です。
これは、新年度などの新しい環境下で起こりやすく、新社会人に多いです。
八方美人のふるまいをするので、自分の本音が言えず、いつも作り笑顔ばかりだと、この病気が当てはまります。
「馴染めなくて辛い」と悩んでいる方は、こちらも参考にして下さい。
【関連記事】
馴染めないで辛い。【原因を知って2つの対策を試してみて!】
対人恐怖症
初対面の人と会う、大勢の前で話すなど、人前に出たときに強い不安感や恐怖感に襲われる病気です。
この病気になると、対人状況下で緊張や不安に駆られ、頭痛や動悸、息苦しさや顔面の紅潮などといった不安症状が現れます。
また、場合によってはパニック発作が起きることもあり、悪化すると対人状況を想像しただけでも症状が生じるようになるため、そのような状況下を避けた生活を送りやすくなります。
3つの克服法で解放されよう
人の目を気にしすぎては、社会生活を送る上で様々な支障やトラブルが出てしまいます。
では、一体どんな行動をすれば、人の目から解放されるのでしょうか?
イメージトレーニング
まずは自分の頭の中で、自分がいつも不安に駆られる場面でも、堂々と過ごせている場面をイメージしましょう。
大切なのは、思い込みをなくすこと。
いらないマイナス思考や感情をなくし、自分の考え方をリセット。
自分自身と向き合うことで、素直な気持ちになり、自意識過剰さに気づくことができるはずです。
また、こうなりたいと憧れる人や尊敬する人がいれば、その人のイメージを想像するのも良いです。
一人で行動してみる
イメージができてきたら、実際に行動してみましょう。
このときに大切なのは、好かれようとしない。また、自分自身を飾らないことです。
もし、人の目を気にして周りの反応を伺っていたら、勇気をもってコミュニケーションを絶ち、一人で行動してみましょう。
物理的にも、他者から離れることで、自分を客観的に見ることができます。
失敗を恐れず、場数を踏む
すぐに恐怖症は改善しません。
ハードルを少しずつ上げていき、目標を目指しましょう。
そのためには、とにかく場数を踏んで慣れること。
場数をこなしていけば、徐々に自信がついてきます。
病気の場合は補助的にお薬も使って改善しよう
シャイ・人見知りなどの性格だと思い、放置してしまうと、症状が重度化してしまいます。
根本的に治すには薬物療法と心理療法を中心に行います。
薬物療法
薬には抗不安薬や抗うつ薬が処方されます。
不安症状には、脳内神経伝達物質の一つ、セロトニンやノルアドレナリンが関係しています。
これらの物質を薬によって調整し、不安感の軽減などを図ります。
精神薬については、副作用や依存性について問題視されていますが、長期間放置してしまうと、パニック障害やうつ症状などの重大な疾病に繋がるため、一概に薬が危険というわけではありません。
抗うつ剤についてはこちらも参考にして下さい。
【関連記事】
抗うつ剤の8つの副作用に注意!【効果と合わせて確認しよう】
心理療法
心理療法では、認知行動療法や自立訓練法などの心理療法によって、心理的アプローチを行います。
また、カウンセリングなども行い、自己を再認識をしながら、劣等感や自己嫌悪といった思考の歪みを矯正します。
人の目を気にすることは性格ではなく、病気の可能性があります。
症状を放置してしまい、治療が遅れれば、苦手意識では済まされないレベルになってしまうことも。
そうならないために、精神科や心療内科へ早めに受診しましょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。