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人間ドックを受ける年齢ガイド【えっ会社員には義務があるの?】

<監修医師 田中 恵文>
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人間ドックを受けたことはありますか?「会社の健康診断を毎年受けているから大丈夫です!」というアナタ、実は初期のがんを見逃しているかもしれません。まだ若いから大丈夫?

いいえ、若くても注意したい病気はたくさんあります。

 

人間ドックを受けたくても、そもそも普通の健診とどう違うのか、何歳から受け始めれば良いのかなど、知らないことって意外と多いのではないでしょうか。

今回は、人間ドックを受ける適正年齢を中心に、人間ドックについて詳しくご紹介していきたいと思います。

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人間ドックとは?

 

人間ドックの「ドック(dock)」、これは船や車のメンテナンスをする場所のことを指します。病院を、人間のためのドック(dock)と考えると分かりやすいですね。

 

人間ドックと健康診断の違いは?

まずは、人間ドックと健康診断は何が違うのかから見ていきましょう。ほとんどの人は、自治体や会社での健康診断を受けたことがあると思います。

 

その時に結果が悪いと、「この数値だと〇〇のリスクが高いですね」「〇〇の疑いがあるので再検査しましょう」なんて忠告されますよね。健康診断で分かるのはここまで。

主に生活習慣病などのリスクが中心なのです。

 

検査項目も少なく、時間も短くて済むというメリットがありますが、その分、病気の発見はあまり期待できません。

死亡率の高い三大疾患(がん・心臓病・脳血管疾患)、特に初期のがんなどは、まず見つからないということを覚えておきましょう。

 

それに対し、人間ドックは精密検査の項目が多く、検診によって生活習慣病以外の病気のリスクや早期発見も可能です。病院によってコースやプランは様々で、オプションを付けることもできるため、自分が受けたい検査をカスタマイズすることも。

 

年齢や性別によって気を付けたい病気は違ってくるので、個々に合わせられるというメリットがあります。

 

人間ドックの種類

人間ドックは大きく分けて2種類あります

一つは「基礎ドック」と呼ばれるもの。一般的な健康診断での検査項目をより詳しくしたようなもので、主に生活習慣病のリスクが分かります。

 

もう一つは「専門ドック」と呼ばれるもの。がん、脳、心臓などの重点的に調べたい項目で構成されていて、病院でコースとして決めていることも多くなっています。

 

女性特有の子宮や卵巣などの病気を重点的に検査できるレディースコースなどもあります。

 

人間ドックの検査項目とは?

では、人間ドックで受けられる検査には、どのようなものがあるのでしょうか。代表的なものと、どのような病気の可能性が発見できるのか見ていきたいと思います。

 

✅身体計測:肥満・生活習慣病のリスクなど

✅心電図:不整脈・心筋の異常(狭心症、心筋梗塞など)

✅胸部X線:呼吸器疾患(肺炎、肺がん、気胸など)

✅バリウム:胃や十二指腸の異常(潰瘍、ポリープ、がんなど)

✅胃内視鏡:胃がんの発見に重要

✅大腸内視鏡:大腸がんの発見に重要

✅腹部超音波:肝臓・膵臓・腎臓などの異常

 

【関連記事】
心電図を読んで異常や原因を発見!【心電図の種類も紹介!】

 

もう一つ、人間ドックでよく耳にするのが「PET検査」と呼ばれるもの。これは、ブドウ糖に近い成分の液体を点滴して画像投影するもので、かなり小さながんも発見することができます。痛みの少ないがん検査として注目を集めています。

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何歳から受けられるのか

 

人間ドックを受けることができるのは、20歳以上の成人とされています。でも、20歳になったからといって、すぐに人間ドックを受けるという人のほうが少ないですよね。人間ドックの適齢期はいつなのか、年代ごとに見ていきましょう。

 

20代

20代は、まだ健康診断だけでも大丈夫。まずは健康診断の結果から自分の身体の状態を知って、生活習慣を整えるなどして、健康管理や病気予防などに気を配りましょう。

 

もちろん、人間ドックを受けても全然OK。家族にがん患者がいる場合や、健康診断で心配な数値が出ている場合、または単純に人間ドックに興味があるという人でも、思い立ったら検討してみると良いでしょう。

 

30代~そろそろ考えよう~

30代は働き盛り、子育て盛り。まだまだ健康には自信があるという人も多いのではないでしょうか。でも、30代になると、乳がんや子宮がんなどの女性特有のがんや、男女ともに多い胃がんのリスクが高くなってきます

 

万が一のことも考えて、2年に1度は人間ドックを受けると良いでしょう。

 

乳がんの検診についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
右胸に痛いしこりがあるのは乳がん?何科を受診すべき?

 

40代~1年に1度は受けておこう~

さて、40代は人間ドック適齢期です。早ければ35歳くらいから考えても良いですね。この年代になると、そろそろ健康にも不安を覚える人も多いのではないでしょうか。1年に1度は人間ドックを受けておきたいところです。

 

受ける項目については、1度に全部でなくても大丈夫。今年はコレとコレ、来年はコレとコレ……と、少しずつ消化していきましょう。

 

特に、喫煙者やお酒が好きな人、家族にがん患者や糖尿病患者などがいる人、血圧が高かったり太っているのを気にしている人などは、受けておくと安心ですね。

 

50代以降

50代を過ぎると、死亡リスクの高い三大疾患(がん・心臓病・脳血管疾患)を始めとした、様々な病気の心配が出てきます。

 

今までに受けてきた健康診断や人間ドックの結果、生活習慣から考えられるリスクなどを参考に、自分に合ったコースやプランを選んだり、オプションを追加したりして、細かくメンテナンスしていきましょう。

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会社員には人間ドックを受ける義務があるの?

 

人間ドックを受けなくてはいけないという義務はありません。健康診断に関しては、1年に1回以上受けることが義務付けられていますが、人間ドックに関しては、法的な定義が存在しません。

 

なので、検査項目なども、病院や受ける人によって自由に決めることができるのですね。

 

費用

健康診断は会社の健康保険などで行われるため、無料で受けられることも多くなっていますが、人間ドックは基本的に健康保険適用外となるため、平均2~5万円ほどを自費で払うことになります。

もちろん検査項目が増え、精密性が増すほどに値段も高くなり、10万円を超えることも。

 

ちなみに義務である健康診断は、受けないでいると事業主に罰金が科せられるなどのペナルティが発生します。もし健康診断中に事故などが起きても、労災保険が適用されるので必ず受けてくださいね。

 

費用についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
人間ドックの費用ガイド!【補助金のことを知らないと損するかも】

 

人間ドックを受けるには?

人間ドックは健康診断と違い、受ける病院も自分で手配をしなくてはいけません。まずは病院探しから。基本的には人間ドックをやっている医療機関ならどこでも大丈夫なのですが、少し気にしたい人は「日本総合健診医学会」や「日本人間ドック学会」が発行した「優良施設認定マーク」を掲げている病院を探しましょう。

 

予約はネットや電話などで出来ます。自分がどの検査項目を希望しているのかを明確にしてから問い合わせましょう。

 

予約ができたら、問診票や、事前検査が必要な便潜血検査のキットなどが送られてくることが多いようです。ちなみに問診票では既往症を書く欄がありますよね。

 

既往症とは、基本的には今までにかかった病気すべて。ですが、それが多いという場合には、大きな病気から先に、風邪やインフルエンザ以外のものを書くようにしましょう。

 

さて、いよいよ受診となります。検査項目によっては食事制限などがあるものもあるので、事前説明はしっかり聞いておきましょう。結果はその場で分かるものもありますが、基本的には後日、郵送で送られてくることが多いようです。

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