偽アルドステロン症によるミオパチーとは【症状や治療も解説】
今回は、偽アルドステロン症によるミオパチーについて、偽アルドステロン症の概説を加えながら解説していきたいと思います。
気になる所から確認してみよう
偽アルドステロン症とは
偽アルドステロン症という言葉を耳にされたことのある方はいらっしゃるでしょうか?なかなか一般の方では耳にすることも多くはない疾患かもしれません。
しかし、重症化すると命の危険も伴う非常に注意が必要な症状の1つであることに変わりはありません。そんな偽アルドステロン症についてまずは簡単に概説していきたいと思います。
皆さんはアルドステロンというホルモンをご存知でしょうか?
人の体内には男性ならば男性ホルモン、女性ならば女性ホルモン、また甲状腺ホルモンなど体の様々な機能を調整するために、たくさんのホルモンが存在してます。
そんなホルモンの1つにアルドステロンというホルモンがあります。このアルドステロンというホルモンは体内で血圧のコントロールをつかさどるホルモンです。
通常であれば、このホルモンがバランスよく働いて血圧を調整してくれます。しかし、この病気ではアルドステロンは正常に働いているにもかかわらず、正常に働いていない時の症状が体にでます。
つまり、アルドステロンは正常に分泌されて働いているにかかわらず、アルドステロンを感知することができず、アルドステロンが足りない時の状態、すなわち血圧が上昇したり、むくみが出たりするのです。
原因としては、様々なものが知られているのですが、甘草という生薬を含んでいる漢方薬の代表的な副作用の1つとして知られています。
つまり甘草を含む漢方薬を服用している方で、手足が異常にむくんだり、足がつったりなどの症状が出たりした場合には注意が必要となります。
このように比較的安心と思われている漢方薬の中でも万が一症状が現れると怖いとされている病気といわれています。
偽アルドステロン症を引き起こす原因はコレ!
では偽アルドステロン症を引き起こす原因についていくつか紹介していきたいと思います。
原因には様々なものがあるのですが、まずは漢方薬である甘草であったり、グリチルリチン製剤です。これは一般医薬品でも起こりうります。
またそれ以外でも、コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンの1つである物質のバランスが崩れることによって、過剰になったり阻害されたり、再吸収されることによって引き起こされることもあります。
また、それ以外にでもフッ素含有物であったり、ステロイド外用薬などによっても引き起こされることもあります。
今回は主に、甘草を含有している漢方薬について具体的に解説してきましたが、それ以外にも本来ならば様々な原因はあります。
次の章では、原因から症状などについて簡単に紹介していきたいと思います。
主な症状は高血圧症と低カリウム血症
では、ここまで偽アルドステロン症の概説と原因について紹介してきましたが、ここからは具体的な症状をいくつか紹介していきたいと思います。
1.血圧について
先ほどから述べているようにアルドステロンというホルモンは血圧を上昇させるホルモンです。この過剰分泌に似た状態になるので、血圧の上昇、つまりは高血圧の状態となります。
2.血液検査
カリウムの値が下がる低カリウム血症となります。低カリウムになりますと、疲労感が増大したり、足だとこむらがえりを起こりやすくしたりします。
また、そんな症状に伴いむくみを起こしたり、極端なケースだと歩行困難となりうることもありますのでより注意が必要となります。
3.その他
その他には、頭痛や吐き気、嘔吐や口渇を引き起こすことがあります。また、その様な消化器症状により食欲低下を起こしたりします。
この様に、偽アルドステロン症と言っても様々症状を来します。特に高齢者で女性、または糖尿病を持っている方ですと注意が必要となります。
偽アルドステロン症の悪化はミオパチーになる危険性がある
みなさまにとってミオパチーとはなかなか耳にするには馴染みのない言葉ではないでしょうか?いったいミオパチーとはどの様な疾患のことか?
また、今回のテーマの1つである偽アルドステロン症とどの様な関連があるのかを簡単に解説していきたいと思います。
ミオパチーとは簡単に言えば、筋肉の病気になります。例えば四肢の筋肉の脱力感を生じたり、痙攣を生じたりすることとなります。
また筋肉萎縮に異常を生じたりすることとなります。また低カリウム血症ミオパチーと言うものもあり、低カリウム血症を引き起こすことによって引き起こすこともあります。
また、重症例には歩行困難であったり起立不能となる場合もあります。それ以外には血圧上昇を引き起こしたり、頭重感を引き起こすこともあります。
偽アルドステロン症の治療は服用中止が最善策
では、実際にどの様に治療していくかを簡潔に解説していきたいと思います。
病気によっては新たな薬剤を追加して治療をおこなっていくという方法もありますが、この場合に被疑薬を中止することにより治療を行っていきます。
ちなみに被疑薬とはその症状を引き起こしている原因となっている薬剤のことです。
なかには、カリウム保持性の利尿剤などが利用されることもあるのですが、基本的な治療は被疑薬の中止が まず第1となります。
服用中止して血圧上昇であったりカリウム濃度を調整しながら治療を継続していきます。
もし、あなたが甘草を含んでいる漢方薬であったり、偽アルドステロン症を引き起こしそうな薬剤を服用しており、さきほど解説してきた様な症状があるのならば、近くの薬剤師や医師に相談してみてください。
そのため、症状の異常に伴う早期受診ということも治療の1つとも言えます。
この様に繰り返しにはなりますが、偽アルドステロン症の治療の第1選択は被疑薬の中止となってきますので、ご注意ください。
甘草は正しく摂取すれば3つの効能がある
漢方薬を服用した時に偽アルドステロン症が引き起こってきた場合には甘草が原因となることが多いということは解説してきました。
では、なぜその様な薬剤が世の中に出回っているのでしょうか?それには甘草という成分にはメリットも存在するからです。
そうでなければ薬剤として世の中にでるはずはありません。最後にはなりますが、この章ではそんな甘草のメリットについて簡単に紹介していきたいと思います。
1. 消化器、呼吸器系
甘草には咳や痰を抑える鎮咳作用や痰を抑える去痰作用があります。そのため咳や痰を鎮める目的で服用される漢方薬にも甘草が含まれています。
また、消化器症状の改善として鎮痙作用もあります。そのため消化吸収の改善にも役立つこともあります。
2.食べ物として
人口甘味料の一種としても知られています。糖質では甘さでもありますので、糖質制限するうえでは非常に重宝する部分もあります。
糖尿病の患者はどうしても糖を大量に摂取することができません。しかし、甘味を感じたい部分もあるでしょうから、その様な部分には
3.その他
上記に代表的なものを紹介してきましたが、甘草にはそれ以外にも様々な作用があります。例えば、鎮痛作用であったり抗炎症作用などがあります。
その他にもガンに対して効果的な作用を発揮したり、肝障害をきたすことはあるものの抗ウイルス作用などがあります。
まとめ
どうでしたでしょうか?なかなか偽アルドステロン症という言葉にしてもミオパチーにしても馴染みのない言葉ではなかったのではないでしょうか?
少しでもみなさまのお役に立てればと思います。
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