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傾眠傾向の状態はコレ!【4つの原因や対策を解説!】

<監修医師 豊田早苗>
だるい 

傾眠傾向という言葉を聞いたことがありますか?意識障害(意識混濁)の程度の1つです。周囲からの刺激があれば覚醒するのですが、すぐに意識が混濁する状態です。

 

目覚めた時に、場所と時間がわからなかったり、直前の出来事の記憶がなかったりします。簡単にいうと「うとうと」している状態です。傾眠傾向について詳しくみていきましょう。

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傾眠傾向の状態とは

 

完全に入眠状態になっているわけではなく、うとうとしていても軽度の刺激で覚醒する状態のことです。意識障害の一種です。

軽度の刺激で覚醒しますが、注意散漫、応答や行動は緩慢、場所時間を把握していない、記憶がないなどの状態です。

 

うたた寝と似ている感じはしますが、うたた寝は座ったり腰掛けたりして眠っている状態で、目が覚めると「眠ってしまった」と思う状態です。

 

傾眠は意識がなくなっていくまでの第一段階なので、うとうとしていて睡眠に陥りやすい状態です。目が覚めると「ここ、どこ!」となるような状態です。

意識混濁についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
意識混濁とはどんな状態か【原因や段階別症状など詳しく解説】

 

傾眠に陥る原因

 

認知症

高齢者になると一般的に眠りが浅くなります。加えて認知症の方は、睡眠、覚醒、体内時計の調節に関わる神経伝達物質の量が変化することで睡眠障害となる危険性が高いと言われています。

 

高齢で認知症となると夜間の睡眠量が減り、日中が傾眠傾向となり、昼夜逆転になる恐れがあります。自分のいる場所、時間、日時などが正確に認知できなくなってくると傾眠傾向になりやすいです。

また、認知症が悪化して何もやる気がおきず、常にうとうとしてしまっている無気力状態でなる可能性もあります。

 

慢性硬膜下血腫

硬膜下血腫による脳の病気で意識消失状態の可能性があります。これは頭を打ったことが原因で、頭蓋骨の下にある硬膜と脳の隙間に血が溜まり、血腫が脳を圧迫してしまう病気です。

 

頭を打った時はなんともなくても1〜2ヶ月後に、頭痛や歩行障害、認知症に伴う傾眠が起こります。血腫が小さい場合には自然におさまりますが、外科手術などが必要になることもあります。

 

はじめは、頭痛が起こり、血腫が大きくなってくると物覚えが悪くなる、頭がボーッとしてはっきりしない、痴ほう症状、性格や行動の変化があります。

さらに大きくなっていくと、傾眠などの意識障害、片麻痺、などの症状がでてきます。ある程度、症状がハッキリでていると血腫はかなり大きくなっている可能性が高いです。早めに神経内科や脳外科などでみてもらう必要があります。

 

内科的疾患

病気が原因で代謝が異常になったり、発熱をしたりして一日中、または夜間に寝ぼけたようなぼんやりした状態になる状態です。また自分のいる場所や日付などがわからなくなる状態です。

 

認知症と見分けるのは難しいですが病気がなおると傾眠もなおります。身体の病気に気がつかず、その治療がされないと、いつまでも傾眠は続きます。

 

薬の副作用

薬の変更に伴い、傾眠が引き起こされることがあります。病気の時に体調を整える為に飲むのが薬ですが、種類によっては過眠症を引き起こす薬もあります。

 

抗ヒスタミン薬、抗てんかん薬、抗精神病薬など、これら以外にも副作用として眠気を伴うものがあります。薬を変更したかどうかを確認し、変更して傾眠が続くのであれば、医師と相談し、薬の変更を考えてもらう必要があります。

薬の副作用による眠気についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
薬の副作用で眠気が。。【この対策方法でシャキッと解消しよう!】

 

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傾眠への対策法

 

話しかける

活動量の低下、筋肉低下、それに伴う寝たきりの誘因など心配なことはたくさんあります。日中の傾眠を少しでも解消する為に、できるだけ活動的に過ごせるようにすることが理想的です。

 

レクリエーションや外出などができればよいですが、いつもできるわけではありません。そういった場合には、頻繁に話しかけたり、雑談する場をつくったりと少しでも刺激がある活動をします。

内科的疾患の可能性もあるので、話をすることで体調不良を早めに気付き、対処できることもあります。

 

薬の調整

抗ヒスタミン、抗アレルギーの薬は、眠気を抑え覚醒を促すヒスタミンの働きを弱めるので眠たくなります。また、抗不安薬は脳の働きを抑える為に眠気を促すことがあります。

 

他にもパーキンソン病治療薬、片頭痛治療薬なども副作用として眠気があります。必要があって飲んでいる薬でも、日常生活に弊害がでてくる場合には薬の変更、量の調整などを医師に相談するとよいでしょう。

 

短時間の昼寝

うとうとするけれど、スッキリしない場合には思い切って昼寝をすると効果的です。しかし、昼寝も長時間すると夜が眠れないなど逆効果になるので注意が必要です。

 

30分以内の昼寝を15時までにすることが効果的です。そして、昼寝の前にカフェインを飲むと良いです。

カフェインは飲んでから30分程して覚醒効果が現れます。目覚めの時間に覚醒効果がききはじめるのでスッキリ目が覚めるでしょう。

 

高齢者で傾眠傾向が長く続くと食事量が減ることがあります。そこから栄養不足、脱水傾向となり、体力が落ちたり持病が悪化したりする恐れがあります。他にも、意識が混濁している状態で食事をすると誤嚥のリスクが高くなります。

 

傾眠状態でも、うとうと気持ちよくまどろんでいるようにみえるとソッとしておいてあげたくなりますが、心地よい眠りでない場合もあります。傾眠が命に関わる場合もあるので注意が必要です。

睡眠の質を高める方法についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
質の良い睡眠をとる方法を解説!寝れない原因をチェック!

 

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