加熱しても発症する牡蠣アレルギーの原因とは【検査や治療法も解説】
食物アレルギーについては知っている方も多いと思いますが、一口食べるだけでも、酷く重いアレルギー症状を起こしてしまうこともあります。
小麦粉などの素材そのもののアレルギーではなく、生で食べると症状が出てしまうアレルギーもあります。
今回は加熱してもアレルギーを引き起こしてしまう牡蠣について、アレルギーの原因や検査方法、治療法について解説していきます。
気になる所から確認してみよう
牡蠣ってどんな生き物?
牡蠣を見たことのある人はたくさん居ると思いますが、牡蠣とはどんな生き物なのでしょうか?
牡蠣は、イタボガキ科に含まれる二枚貝の総称で、海辺や海中の岩にくっついて生息しています。牡蠣には、マガキやイワガキなど食用の物もあり、有名な産地は広島県や宮城県の三陸地域があります。
牡蠣の旬は、マガキが11月から4月、イワガキが7月から9月です。また、牡蠣は栄養価も高く、たんぱく質やミネラルが含まれていて海のミルクとも言われています。
高級なイメージのある牡蠣ですが、食中毒になる人が続出している食材ですし、その他にも牡蠣は漢方や化粧品としても用いられています。
オイスターソースでも発症する4つのアレルギー症状
オイスターソースは塩漬けにした牡蠣を発光させて作った商品ですが、加工したオイスターソースでもアレルギーを発症してしまいます。
アレルギーとは、体の外から病原体などが体に入ってきてしまったときに、体を守ろうと免疫反応といって、発熱や嘔吐などで病原体を外に出そうとするなどの反応をします。
ですが免疫反応が弱くなってしまうと、病原体に負けてしまい、風邪を引いたりしています。
風邪程度の症状であれば、重要視する事はありませんが、免疫症状が過剰に反応して重度の症状を起こしてしまうことをアレルギーと言います。ここではより詳しくアレルギー症状について解説していきます。
皮膚や粘膜
アレルギー症状として表れる皮膚の症状は以下のようなものがあります。
✅ 蕁麻疹
✅ 皮膚痒み
✅ 口の中や喉の違和感
✅ 唇周りの腫れ
✅ 目の充血
✅ 目の腫れ
人によっては視界がかすんできたりすることもあります。
呼吸器系
アレルギーで表れる呼吸器の症状は以下のようなものがあります。
✅ くしゃみ
✅ 鼻水、鼻づまり
✅ 咳
✅ 息苦しさ
消化器系
アレルギーで表れる消化器の症状は以下のようなものがあります。
✅ 腹痛
✅ 吐き気
✅ 嘔吐
✅ 下痢
消化器症状は鶏卵アレルギーで出ることが多いです。
全身性症状
これまでに挙げた症状としては1部のみの症状ですが、重い症状としてアナフィラキシーショックという全身に出る症状があります。症状としては以下のようなものがあります。
✅ 血圧低下
✅ 意識がもうろうとする |
症状には個人差があるため、これ以外の症状が出ないと言うことはありません。そのため、注意しなければいけないような物を食べた場合には注意して見るようにしてください。
牡蠣アレルギーと食中毒との4つの違い
牡蠣アレルギーと似ているかもしれませんが、食中毒もあります。食べて症状が出た後の対処も変わってくるので重要です。牡蠣アレルギーと食中毒との違いを4つ挙げます。
発症原因
食中毒は、腸炎ビブリオ菌や大腸菌、その他細菌などのウイルスが原因となって引き起こされます。ウイルスは熱に弱いため、食べ物の仲間でしっかりと加熱した後であれば、食中毒にはなりません。
しかし、お店に並んでいる牡蠣ではなく、海辺に行って採った牡蠣は貝そのものの毒による食中毒が考えられます。
それと比較すると、お店に並んでいる牡蠣は、貝が毒を持っているかを調べてから販売されているので、食中毒になる可能性が低いです。
発症時間
牡蠣の食中毒になった場合、食べてから症状が出るまでの時間に個人差がありますが、10時間から2日といった長い時間がかかります。
発症時間では食中毒の方が早いですが、遅れて症状が出るアレルギーもあります。また、初めに説明したように、貝の毒という物がありますが貝毒の症状は30分位内に出る事もあります。
症状
食中毒を起こした場合、以下の症状が現れます。
✅ 腹痛
✅ 吐き気、嘔吐、
✅ 下痢
✅ 発熱
ですが、食中毒と違ってアレルギーに出る症状は以下の様な症状があります。
✅ 腹痛
✅ 吐き気や嘔吐
✅ 下痢
✅ 蕁麻疹や湿疹
✅ まぶたや口、喉のかゆみや腫れ
✅ 発熱
このように比較すると、食中毒かアレルギーかは分かりますが、個人差もあるため誤った判断をしないためにも、症状が出た場合には病院を受診することをお勧めします。
症状の頻度
食中毒は原因となるウイルスや細菌があれば症状が起きてしまいます。そのため、原因を含んでいない牡蠣であれば食中毒を起こす事はありません。
一方で、牡蠣アレルギーの場合は原因が牡蠣そのものであるために、食べる度に症状が出てしまいます。
牡蠣アレルギーの原因はトロポミオシン
甲殻類、抗体、アナフィラキシー
牡蠣のアレルギーを引き起こす原因物質はトロポミオシンです。トロポミオシンとは、牡蠣の筋肉に含まれる繊維状のたんぱく質のことです。
牡蠣だけでなく、私達の筋肉にも存在しています。では、どうして私達はアレルギーにならないのでしょうか?
実は、トロポミオシンにも種類があり、アレルギーの原因にならないトロポミオシンを私達は持っているからです。
カニなどの甲殻類と言われる生き物と、昆虫類に含まれるトロポミオシンはアレルギーを起こしてしまう原因になる事が分かっています。
エビのアレルギーがある方は、同じ甲殻類のカニアレルギーもあることが分かっています。
牡蠣アレルギーの検査は何科で診察してもらうのか
牡蠣のアレルギーは、初めて牡蠣を食べた後に症状が出てから、牡蠣アレルギーだと気付きますが、本当に牡蠣アレルギーかどうかを診断する場合、きちんとした検査をしてからでなければ判断が出来ません。
皮膚科や内科でアレルギーの検査が出来ます。アレルギー専門の病院もあるので、症状が出てない方も一度検査をする事で、症状が出る前にアレルギーがあるかどうかを知る検査は以下の方法があります
血液検査
血液からアレルギーがあるかを調べることが出来る
皮膚テスト
牡蠣の成分を含んだ液を皮膚に塗ることや、注射して反応をみる検査のこと
食物除去試験
一定期間、原因となる植物や原因となる成分を含む食品を一切食べないようにし、症状が軽くなるかをみる検査のこと
食物負荷試験
食物除去試験の次に行う試験で、実際に原因となる食べ物を食べて、どのくらいの量で症状が起きるかを調べる検査のこと
牡蠣アレルギーの治療は対症療法が有効
対症療法、エピペン、減感作療法、アレルゲン、主治医、指導、予防、対処、成分表
アレルギーが出た場合の治療法にはどんな物があるのかを紹介していきます。
病院で行われる治療としては、アレルギーの薬を使って行われます。しかし、重度の症状であるアナフィラキシーショックを起こした場合には、すぐにエピペンという薬を投与しなければ命が危険です。
アナフィラキシーショックはめまいや吐き気、嘔吐、血圧低下、呼吸困難などの症状がでます。
その他には、減感作療法という治療法があります。この治療法は、アレルギー物質を体に取り入れて、体がアレルギーとして反応しないように慣らしていく治療法です。
治療法としてはきちんと確立されているのですが、重度の症状が起きてしまうことがある為にきちんとした専門の病院で行う事が大切です。
また、必ず治療がうまくいく訳ではないため、主治医の指導を仰いできちんと治療していくことが大切です。
これまで牡蠣アレルギーについて解説してきましたが、アレルギーには注意をしなければいけない事がいくつもあります。
アレルギーだと知らずに食べた後、症状が出てしまうこともあるので、気になる方は一度病院を受診して置くことをオススメします。
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