右肩甲骨の痛みの原因はこんな病気のサインです!
<監修柔道整復師 岡部大輔>
「天使の羽根」とも言われている肩甲骨。その肩甲骨に痛みを感じたことはありませんか?
「肩甲骨の痛みは、ただの肩こりだろう。」そんな風に考えている人もいると思います。
しかし、右肩甲骨だけにでる痛みには、体から出されている悲痛なサインの可能性がありました。
気になる所から確認してみよう
右肩甲骨の痛みの原因
左の肩甲骨は痛くないのに、右の肩甲骨は痛い…この痛みの左右差は一体何が原因なのでしょう?
今回は「右肩甲骨」の痛みの原因を探ります。
利き手が右手
利き手が右手の人は、どうしても右腕をよく使います。そのため、負担も右のほうが多くなります。
日常生活の動きでは腕は、前へ動かすことが多いです。そのため、後ろへ腕を伸ばす機会は少ないです。
前へ動かすことが多いと、肩甲骨も外へ広がっていき、背骨と肩甲骨の間に痛みを生じることがあります。
また、眼精疲労やストレスでも、肩甲骨への痛みを伴います。痛みを感じたら、姿勢を変え、ストレッチをすることで痛みが軽減しますよ。
体の歪みが原因
肩甲骨の痛みの原因は、肩こりだけではありません。腰の炎症にも関連があります。
体の歪みが、肩甲骨への痛みに深くつながっています。右肩と左腰・左肩と右腰というように筋膜の流れがクロスラインで繋がっています。
そのため、重心が左へ偏っていると、必然と右肩甲骨にも痛みが伴います。
重心が偏る原因としては、左右の筋力に大きな差がある場合や、鞄を持つ手がいつも同じなど。
日頃の姿勢や行動によって、左右差が生まれています。一度、自分の姿勢を見直してみましょう。
右肩甲骨の痛みは内臓の病気のサイン
胆嚢(たんのう)が原因
胆嚢に結石ができると、胆石症になります。この胆石症が起きている場合、右肩から右肩甲骨にかけて痛みを伴います。
右肩甲骨の他に、胸・みぞおちにも痛みがある場合は、胆石症の可能性が高いです。
胆石症は男性より女性に多くみられる病気です。女性でこのような痛みを感じたかたは要注意!
肝臓が原因
沈黙の臓器、肝臓。肝臓の悲鳴は右肩甲骨で受け取ることができます。
右肩甲骨の下あたり、そこが肝臓の裏側にあたります。ここに痛みやコリ、膨らみを感じたら、それは肝臓からのS.O.Sサインかもしれません。
このサインは漢方医学で「肝実」(かんじつ)と呼んでいます。
この肝実が現れる背景には、肝炎や肝臓がんなど肝臓の病気がある可能性があります。このような肝臓からのサイン、見逃さないようにしましょう。
胃腸が原因
便秘や下痢、胃腸の不調に悩んでいる人は多いと思います。この胃腸の不調は肩甲骨の痛みにも関連しています。
不調が起きているときは、背骨と肩甲骨の間にある筋肉「菱形筋」(りょうけいきん)に圧痛点が現れます。
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内臓が原因なのに、肩甲骨に痛みがおきるの?
内臓と肩甲骨。直接関係ないと思われるこの2つに、なぜ痛みが起きるのでしょうか?
それは「関連痛」が原因です。関連痛とは、痛みの原因が起きている場所とは違う場所で痛みを伴うことです。
痛みが伝わる仕組みは、神経を介して電気信号で脳へ送られていきます。
縦横無尽に広がった神経は、脳へ近づくと、各ポイントでまとまります。
まとまって送られた信号に、脳が関係のないところへ痛みがあると誤解。その誤解が関連痛を引き起こしています。
肩甲骨の痛みは予防できる
これまで様々な肩甲骨の痛みの原因をご紹介してきました。原因がわかったら、この痛みをどう予防するのか。
予防方法が気になりますよね。痛みを気にせず、毎日を元気に過ごすために予防方法をご紹介します!
自分の重心の偏りを知る
まず、自分の重心がどのように偏っているか知っておきましょう。
簡単な方法で試す事が出来ます。それは「寝返り」をうつことです。
寝返りをうつとき、どちら側へうちましたか?最初に返した方が、自分の重心移動が起こしやすい方向です。
右へ寝返りをうったら、右側。左だったら左側に重心を置きやすいです。
この寝返りで自分の重心の偏りを知ることは、何も考えないことが重要です。寝る前に一度試して、確認してみてください。
肩甲骨を動かすストレッチ
肩甲骨の痛みを予防するには、肩甲骨を動かすことが1番です。
肩甲骨のストレッチは、様々な方法がご紹介されています。マエケン体操もその一つですね。
おすすめなのは「8の字体操」。座った状態で、両手を組み、体の前で8の字を描きます。
これを1日10回。「少し肩が凝ったなぁ。」と感じたときに行います。
行う場所や、タイミングによっては難しいストレッチもありますので、やってみて自分に合う方法を探してみてください。
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まとめ
肩甲骨の痛みに隠された、体からのサインをご紹介しました。内臓からの関連痛に関しては、悪化しないためにも受診をおすすめします。
「肩甲骨は肩こりだ。」と、安易に考えず、体のサインを見逃さないようにご注意を!
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