咬筋をほぐす簡単な方法を伝授【こんな嬉しい効果があるんです】
<監修柔道整復師 田中惇郎>
顔のエラやほうれいせん、美容の悩みは尽きないものです。実はそれ、咬筋が原因で起きている不具合かも知れません。
そこで今回は咬筋をほぐす簡単な方法を伝授します。咬筋をほぐすことで得られる嬉しい効果も解説しますので、毎日の美容にお役立て下さい。
咬筋とはどんな筋肉なのか
まずは咬筋がどのような筋肉なのか、関連する筋肉や神経の話と共に解説します。
咬筋は身体のここにある筋肉
咬筋(こうきん)は咀嚼筋の一種で、さらに「浅部」と「深部」に分かれています。
浅部は頬骨弓の前部あるいは中部からはじまり下顎枝でおわり、主に下顎角の外面についています。
深部は頬骨弓の中部から後部にかけてはじまり、側頭部(こめかみ)までを覆っています。
頬骨の耳寄りの部分に手を当て、口を開閉してみて下さい。
すると、口が閉じた際に盛り上がる部分があるのが分かるかと思います。その盛り上がった部分が咬筋です。
咬筋の主な役割
咀嚼筋の一種であることからもわかるように、食事をする際など食べ物を咀嚼する際に使用するのが咬筋です。
咬筋以外にも咀嚼筋は側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋などがあり、これら全ての筋肉の動きで総合的に「咬む」という動作を実現させているのです。
咬筋は三叉神経の一部である下顎神経に支配されいます。
咬筋が司るのは「閉口反射」であり、咬む動作の際に強く収縮します。そのおかげで、リズム良く咬むことが出来るのです。
私たちが口を閉じる際は上顎が下がるのではなく、下顎が上がります。ペリカンの食事風景を見れば、どのようにして口を開閉しているかが分かりやすいでしょう。
その他、顎の動きについてはこちらも参考にして下さい。
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咬筋をほぐすと嬉しい効果がある
そもそも咬筋は、使えば使うほど身体に良い影響を与えます。逆に使用しなければどんどん凝り固まり、身体へ悪影響を与える筋肉です。
具体的には咬筋をほぐすとどのような嬉しい効果があるのか解説します。
血液の循環が改善される
長時間同じ姿勢で首が固定されていると肩こりが発生するように、咬筋も使用されず放置されていると血液の循環が悪化し凝り固まります。
すると顔にむくみが発生する原因となります。咬筋をほぐすと血行は改善され、血流が良くなるためむくみが解消されます。すると小顔効果も期待できるようになるのです。
明るい表情になる
咬筋をほとんど使用しないということは、表情筋も固く動かない状態になってしまうということです。するとどんどん表情が暗くなります。
モデルさんや芸能人の方に実際に会ってみると「オーラが違う」とはよく耳にしますが、それはメディアに露出するひとは普段から意識して表情筋を動かしているためです。
咬筋をほぐすと表情筋のトレーニングになりますので、明るい表情を自然と身につけることが出来るようになります。
その他の明るい表情が浮かべられない原因についてはこちらも参考にして下さい。
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顔のエラの改善
咬筋の凝りが悪化すると、咬筋の付着しているエラ部分が目立ちやすくなります。またコリだけが原因ではなく、病気が原因でエラが目立つことがあります。それが咬筋肥大症です。
これは咬筋の肥大化に伴い、顎の筋肉が腫れて膨らむ疾患です。歯を食いしばるクセのある人が発症しやすく、発症者の多くが20~30代の比較的若い世代の男性です。
頭痛改善
頭痛が発生する理由については様々ですが、実は咬筋の凝りが原因となり頭痛が起きる場合もあるのです。
これは咬筋の緊張が続くと咬筋の付着する側頭部に栄養が十分に行き渡らなくなり頭痛が現れるためです。咬筋の凝りを解消すれば、この頭痛からも解放されます。
眼精疲労からの解放
歯茎に圧力がかかっている場合、大抵が咬筋も緊張している状態です。
歯を食いしばっている動作の際は、一緒に眉間にも皺を寄せた表情になってしまっていませんか?すると当然眼精疲労が起きます。
パソコンの画面とにらめっこするようなデスクワークの人に多く見られます。
そのため咬筋の凝りをほぐすと顔面にリラックスを得ることが出来、眉間の皺からも眼精疲労からも解放されます。
眼精疲労からの解放についてくわしくはこちらも参考にして下さい。
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ストレスから解放される
ストレスを感じると、咬筋が凝ります。よく「プロの漫画家は歯のトラブルが起きやすい」と言われていますが、これは「絵を描く」という作業中、そのストレスから奥歯に必要以上に圧力がかかりすぎたことが原因です。
もちろん漫画家だけではなく、机に向かって集中力を擁する仕事をしている人にも同じ事が言えます。
またストレスは睡眠中にも及び、歯軋りなどにも発展します。こうして無理な力がかかった結果、咬筋が凝るのです。
悪化させないためには歯医者でマウスピースを作成するなどの方法がありますが、歯科医にはストレスを治療することまではできません。
しかも人によっては「就寝時にマウスピースを装着すること」自体がストレスの原因となる場合もあるので厄介です。
ストレスのかかりやすい仕事をしている人は、日常的に咬筋を鍛えておいた方が健康的です。
顎の痛みからの解放
咬筋の緊張が高まりすぎると、スムーズな口の開口運動に支障が出ます。たまに、口を開くとコキコキと明らかに凝っているような動作を感じませんか?
これは咬筋の凝りが原因と考えられます。つまり咬筋の緊張をほぐせば顎の痛みを解消することが出来ます。
咬筋をほぐす簡単な方法はコレ
咬筋の凝りをほぐすと顔面の悩みだけではなく、肩こりなど身体の各部位の健康も取り戻せることが分かりました。ここでは簡単にできる咬筋のほぐし方について解説します。
まずは、咬筋の位置を確認しましょう。頬骨に指を当て、口を開閉させると膨らむ部分があります。そこが咬筋です。場所を把握したら、早速咬筋をほぐしていきましょう。
エラが張っている場合に有効なマッサージ
咬筋の凝りのうち、以下の症状が気になる人には特におすすめのリフトアップでエラの凝りをほぐすマッサージです。
✅ エラが張っている
✅ 顔のむくみが気になる
✅ 身体はそこまで太っていないのに、なぜか顔だけ下膨れ
✅ 二重あごが気になる
ではマッサージ方法について解説します。
1. まずは顔面に力を入れず肩からも力を抜いてリラックスした体勢を取る
2. 掌で下から包み込むように顎を左右とも包む 3. 掌でそのまま顎ごと頬を圧迫する 4. そのまま掌を上に押し上げリフトアップ |
力を抜く→力を入れる、のくり返し動作によってあご下をほぐし、連動する咬筋の凝りを解消させます。
側頭筋をほぐすエクササイズ
✅ 頭痛が酷い
✅ 歯を食いしばるクセがある
✅ 咀嚼する力が弱い
以上の症状がある人は側頭筋(こめかみ)をほぐすエクササイズが有効です。方法は以下の通りです。
1. こめかみ(耳と目の中間地点、口の開閉時に連動して動く部分)に左右それぞれ人差し指を当てる
2. そのままくるくる円を描くようにして揉みほぐす |
また側頭筋はストレスチェッカーとしても活用できます。
頭痛持ちの人や普段からストレスのかかっている仕事をしている人は、普段からマッサージする習慣をつけるといいでしょう。
口の開閉ストレッチ
無意識のうちに顎に力が入ってしまっている人にオススメの簡単にできるストレッチです。
1. 心持ち顎を前に突き出す
2. そのままゆっくりと口を開く
3. そのまま2秒体勢をキープ
4. ゆっくりと口を閉じる
簡単な開口運動ですが、コツは顔面の筋肉、特に耳の辺りにある筋肉が動くように行うことです。
食事の見直し
実は、何もしていなくても現代人の咬筋は衰えている状態なのです。その原因は食事にあります。
現代では柔らかい食品や調理法が増え、顎の筋肉を使用しなくなりつつあります。
「とろける」というキャッチフレーズの料理やお菓子をよく見かけるようになりましたよね。その結果咬筋を使用する場面自体がなくなってきているのです。
歯ごたえのあるものも定期的に食べるようにすると、自然と咬筋を活用するためトレーニングになります。根菜や小魚など、よく咬んで食べましょう。咬筋を鍛えるだけではなく満腹感もアップするので、ダイエットにも最適です。
咬筋をほぐす簡単な方法を解説しました。咬筋はものを咬む動作には欠かせない筋肉で、使用しなければどんどん機能が衰えていきます。
機能が衰えると美容に影響を及ぼすだけではなく、顎関節症や咬筋肥大症といった病気の原因にもなります。
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簡単なマッサージばかりですので、ぜひ咬筋をほぐす習慣を身につけて下さい。化粧水をつける際に併せてマッサージを行うと相乗効果がありますのでぜひお試し下さい。
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