噂のイミダペプチドの効果を解説【脳への働きや副作用も紹介】
<監修医師 サリー>
筋トレや運動をした後にはタンパク質を摂取すると良いとは聞きますが、とりわけ「鶏の胸肉」が疲労を改善するのにもってこいだと言われています。
特にスポーツ選手などでは試合後に鶏の胸肉をたっぷり補給するという人もいます。
「イミダペプチド」という疲労を解消するのに効果的な成分名を聞いたことがありませんか?
噂のイミダペプチドの正体やどんな効果・働きがあるのかを解説します。
気になる所から確認してみよう
イミダペプチドとは
イミダペプチドとは、正式名称「イミダゾールペプチド」というアミノ酸結合体のことです。
アミノ酸結合体は結合の仕方によりカルノシン・アンセリン・バレニンという名称に分類されます。
渡り鳥や回遊魚はとても長い距離を飛び続けたり泳ぎ続けたりします。それらの「長時間の連続運動」ができる持久力が研究の対象となり、その持久力の「源」がイミダペプチドだということなのです。
疲労回復に効果があるということは、大学等研究機関により実証されているものです。
このイミダペプチドは消化吸収されるときに一度分解されて、体内で再結合します。この再結合が筋肉疲労などに効果があるようです。
このイミダペプチドは、動物の骨格筋に存在している物質です。鶏に限らず鳥の胸肉やマグロ・カツオなどの尾ビレに含まれています。
期待される4つの効果
研究機関により実証済みのイミダペプチドの効果、どのようなものがあるのでしょうか。
疲労回復
「疲れがたまる」と言いますが、このたまる「疲れ」の原因は「活性酸素」です。
肉体疲労も精神疲労・脳疲労も、「疲労」には活性酸素が関係しています。
イミダペプチドは筋肉中で作り出される活性酸素を除去する働きがある抗酸化作用を持つことがわかっています。
持久力を向上
渡り鳥や回遊魚のように長時間の運動をするには持久力が必要ですね。このイミダペプチドを日頃から摂取しておくと、持久力と運動能力の向上が見込めます。
生活習慣病を予防
イミダペプチドには「アンセリン」が含まれています。
このアンセリンは尿酸の生成抑制と排泄促進の効果があるので、高尿酸血症の予防と改善に効果があります。
尿酸値をコントロールすることで、動脈硬化や心筋梗塞などの合併の予防も期待できます。
糖化防止
「糖化」と聞くと「老化」とセットのように聞こえる人もいるでしょう。
私たちが食べ物を摂取すると、たんぱく質の糖化反応によりAGEsという「終末糖化産物」というものが生成されます。
このAGEsは糖尿病などの原因にもなる他、アルツハイマー型認知症を悪化させると言われる物質です。
糖化を抑えるためにはこのイミダペプチドに含まれる「カルノシン」が有効です。アンチエイジングのためにも摂取したい成分です。
イミダペプチドの脳への働き
運動をして身体が疲労したというとき、筋肉自体が疲れているように感じます。
しかし、肉体疲労も精神疲労も多くの疲労の原因は「脳疲労」が原因だと言われています。
脳が疲労し自律神経が乱れることが原因なのです。そんなときにもイミダペプチドが効果的に働くようですが・・・
脳細胞にピンポイント
イミダペプチドは「疲れたところ」「消耗が激しい部位」にピンポイントで作用します。疲労部分が筋肉ではなく「脳」であっても作用します。
記憶力を改善
イミダペプチドは血管収縮のために働く筋肉の老化を防止しているようです。
抗酸化作用によって血管が縮小したままになることをダイレクトに抑止することで、低下した記憶力を改善する作用が期待できます。
脳を騙さない
疲れたときにはカフェイン入りのエナジードリンクを飲んだりしますね。しかしそのドリンクは疲れを癒しているのではなく、一時的に「脳を騙す」成分を飲むことで疲労を忘れさせてくれるドリンクです。
一時的に疲労を感じないように脳を騙すだけの飲み物とは違って、イミダペプチドは疲労中枢に直接作用して交感神経・副交感神経のバランスを保ちます。
疲労が溜まると人の体はどうなるのか
疲労が溜まった時は「十分な休養と睡眠をとる」ことが最も大事です。疲労による心身のダメージが蓄積して身体的な症状が現れることがあります。
疲労に関わる症状
疲労の蓄積による最も多い症状は倦怠感や頭痛です。また、疲労やストレスでめまいが起こることもあります。
疲労感を伴う『病気』とは
また倦怠感は病気のサインである場合があります。
更年期障害や自律神経失調症が代表的なものです。「極度の疲れが続いている」と感じていたら、実は自律神経やホルモンの変化による症状だったということがあります。
発汗などが時折激しく見られる時などは注意が必要です。
身体症状と脳疲労の関係は
疲労が溜まりすぎて五感に異常が現れる場合もあります。ろれつが回らないなどの言語障害が起こることもあります。
疲れが取れない・能率低下・頭が回っていないなどと感じることがあれば、脳疲労が溜まっているサインです。
このような状態が長引くと、脳は疲労で飽和状態になり身体的な症状が現れ始める場合もあります。
認知症やうつ病のような表面的には発見しにくい病気になることもあります。また糖尿病や高血糖なども不定愁訴などとして脳からの「病気のサイン」として知らされることもあります。
疲れすぎて病気になるということ
ストレスも脳疲労に該当し、ストレスが様々な病気の原因となっている場合もあります。
たとえば、「尿路結石」はストレスによって発症することもあると言われており、ストレスを感じやすい人に起こりやすいようです。
また疲労により尿が濃くなることで結石ができやすくもなります。
痛風も現代では罹患数が増えている疾患ですが、これも精神疲労とともに肉体疲労、特に無酸素運動により「乳酸」がたまることで尿酸の排泄機能が低下することで発症するようです。
「がん」も日本人には多い病気ですが、細胞の老化進行により「がん化する」とも言われています。
効果的に摂取する方法
イミダペプチドを効果的に摂取する方法を考えましょう。
手っ取り早く栄養補助食品を利用
サプリメントやドリンク剤として販売されています。臨床試験で科学的な根拠が実証されている機能性表示食品(医薬部外品)なので安全性も確保されています。
成分の吸収を促進するビタミンCも一緒に摂取すると良いでしょう。
やっぱり食物摂取!
サプリメントも良いけれど、やっぱり普段の食事で取り入れたいという場合は「鶏ムネ肉」がいちばん効果的です。他には豚ロース・豚モモなど肉類、カツオやクジラ・カジキなどの魚に多く含まれます。
食べ合わせの良いレシピは?
まずビタミンCを含むものと同時摂取するようにしましょう。イミダペプチドは水溶性、スープにして摂取すると効率が良いと言えます。
鶏ムネ肉がたくさん手に入ったら、「一気に煮込む」と楽ちんです。
大きめの鍋に鶏ムネ肉と水を入れ、30分以上煮込んでおきます。これをスープごと小鍋に取り分けて、トマトやピーマンをさいの目に切って入れて味を整えるだけです。
冷凍保存ができれば、1食分ずつ「今日はトマト」「明日は小松菜」など、日替わりでペアにする野菜を変えるだけで毎日イミダペプチドが取れますね。
ローズマリーやタイムなどのハーブを一緒に煮込むと風味が豊かになり、味付けも塩胡椒やカレー粉・ケチャップなど市販のもので十分美味しくなります。
食べる直前にレモンやライムを一絞りしても良いでしょう。
鶏ムネ肉を使った料理は手頃な価格で作れるので、チャレンジしてみませんか?
イミダペプチドに副作用はあるの?
イミダペプチドを積極的に取り入れたいとは思うけれど、副作用が心配になりますね。
イミダペプチド自体には副作用の報告がなく安全性も確立されています。摂取量を守って過剰摂取にならないようにはした方が良いですね。
また、アンセリンとカルノシンの副作用については、アンセリンは副作用の報告はなく、一方カルシノンは大量に摂取した場合には胃部不快感が指摘されています。
基本的には天然食品で生成されているサプリメントですが、そのうちの含有物でアレルギー症状が起こることもあります。
例をあげるならば「ゼラチン」です。ゼラチンが添加されたサプリメントはたくさんありますが、ゼラチンに対してアレルギーを持っている人がいるので内容物には注意してください。
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