多幸症の症状はコレ!【9つの原因を徹底解説!】
<監修臨床心理士 鈴木崇弘>
幸福であるというのは生きていくうえで大事な事ですよね。でも、過度な幸福感(多幸感)というのは病気かもしれません。多幸症の症状や原因についてご紹介します。
多幸症とは
特に良いことがあったわけでもないのに気分が高揚して上機嫌になる感情障害です。理由なくあらゆることに楽天的で誇張された幸福感を持ちます。
多幸症の症状はコレ!
以下のような症状が4日以上続き、日常生活に支障をきたすようであれば多幸症を疑いましょう。
自信過剰
根拠のない自信が生まれ、自己評価が過大になります。
衝動的
ケンカ、性的逸脱行為等無謀な行動や子供じみた行動、思い付きの行動が増えます。
多弁
冗談やダジャレなどを好み、常に何かしゃべっています。
楽天的
どのような状況でも楽観的に物事を考えて実情を把握しようとしません。
上機嫌
その場の状況がどんな状態でも上機嫌で周りの状況を一切気にしません。
集中力がない
いろいろなアイデアをが次から次にと出てきますが、突き詰めて考えることができません。意識があちこちに飛んでしまって一つの事に集中しません。
多幸症の9つの原因
認知症
なんらかの原因で脳細胞が死んでしまったりうまく働かなくなってしまい、生活に支障をきたしている状態を言います。
症状としては中核症状(認知機能障害)と周辺症状があり、多幸症(感)は周辺症状の一つです。
アルコール・ニコチン依存症
アルコールやニコチンは脳に到達し快楽中枢(A10神経)に作用し多幸感を引き起こします。これが繰り返し行われることにより依存症となります。
ニコチン依存症の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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前頭葉の障害
前頭葉は大脳の前部分にあり、言語、感情、運動を司る器官です。脳卒中など脳血管障害や脳外傷などによって障害が起こると多幸感をはじめ注意障害、情動失禁などの高次脳機能障害を引き起こします。
感情失禁についてはこちらを参考にして下さい。
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進行性核上性麻痺
大脳基底核、脳幹、小脳などの神経細胞が減少し、しゃべりにくい、転びやすい、飲み込みにくいなどの症状が起きる病気です。認知症を合併するため、多幸症の症状が現れる場合があります。
脳器質性障害
腫瘍、外傷、変性疾患によって脳神経の異常が起こり、発生する精神障害です。症状は原因によりいろいろありますが、あらゆる精神症状が起こる可能性があります。
薬物依存
薬物によって得られる精神的、身体的状態を継続的に得たいと考えて周期的に摂取する状態や行動を言います。ドラッグ等の違法性薬物のほか、医療用薬物による依存を含みます。
精神障害
双極性感情障害(躁うつ病)の一つの症状として多幸感があります。
一酸化炭素中毒
一酸化炭素は血中のヘモグロビンと結合しやすい(酸素の約250倍)ため、ヘモグロビンが酸素と剥離して一酸化炭素と結合します。そのため、血中酸素量が低くなり、中毒症状を起こします。
無色無臭のため、頭痛、めまい、耳鳴り、嘔吐などの症状が現れても気が付きにくいのが特徴です。多幸症、高次機能障害、パーキンソニズム、意識障害などの症状を起こすことがあります。
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多幸症を発症する薬に気をつけて
副腎皮質ホルモン剤(ステロイドホルモン剤)
副腎皮質ホルモン剤は抗炎症、止血、免疫抑制、蘇生作用などが強いため、リウマチ、膠原病、気管支ぜんそく、妊娠中毒症、湿疹、乾癬、やけど、結膜炎、歯槽膿漏など様々な病気に使用されています。
その副作用には消化不良をはじめ、口の渇き、食欲増進、睡眠障害等とともに感情障害(多幸感、不安、神経過敏)があります。多幸感がおこる薬としてはプレドニン、プレドニゾロンなどがあります。
プレドニンについてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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睡眠薬
✅ マイスリー
短時間作用型の睡眠薬で睡眠導入剤として使用されます。
副作用が少ない薬ですが、全くないわけではなく、依存性、耐性があること、頭痛、便秘吐気や精神症状(多幸感、不安)、肝機能障害、無釉行動等が起きる場合があります。
麻薬
麻薬とは強い鎮静作用を持ち、精神と行動の著しい変化、依存性と耐性がある薬物を言います。麻薬性鎮痛薬は精神性・身体性依存が起こります。
精神性依存とは渇望状態が起こり、やめようと思っても止められない状態を言い、脳の中脳辺縁系にある脳内報酬系は神経が興奮すると多幸感、快感がえられます。
✅ オピオイド系
モルヒネ、ヘロイン、コデイン、ペチジン、フェンタニルなど
抑制作用のある薬で精神・身体依存と共に耐性も強い薬です。しかし、医療系のモルヒネについてはこの依存性がありません。
✅ コカイン
アンフェタミン系の覚醒成分を含んでおり、強い精神依存がおこります。しかし、身体依存、耐性はあまりありません。興奮薬で、多幸感が強く、疲労、飢餓感がなくなり、精神的な持久力が増強されます。
アンフェタミン型覚せい剤
化学合成薬物の総称で、アドレナリン作動薬です。低濃度で中枢興奮作用が現れ、持続時間が長いのが特徴です。
✅ アンフェタミン、メタンフェタミン(スピード、クリスタル、アイス)
✅ メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA、エクスタシー、アダム)
興奮作用が強く、身体作用として心臓発作、脳卒中が起こりやすく、精神作用として多幸感、集中力向上、身体機能を高める働きがあります。
数か月常用すると幻聴、被害妄想等の症状が起こり、粗暴な性格に変化します。
一般的に躁状態と多幸症は別のものと考えられていますが、見極めが難しいのが実情です。専門医に判断してもらうようにしましょう。
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