扁桃腺炎はうつる?【7つの原因や治療期間を知っておこう!】
<監修医師 吉野 聖奈>
喉が痛くなると食事をするのも辛くなります。不快な症状は早く緩和したいですよね。
今回は喉の不快な症状の一つ、扁桃腺炎はうつるのか?また原因や治療期間という気になる点についてお話しします。
気になる所から確認してみよう
扁桃腺炎とは?人にうつるのか
扁桃腺炎とは口の中の両サイドに扁桃というリンパ組織からなるものがあり、その部分の事を指します。
扁桃腺が私達の身近なウイルスが体内に進入するのを防いでくれているのですが、扁桃腺がウイルスや細菌に感染して炎症を起こす事を「扁桃腺炎」といいます。
扁桃腺炎はうつるのか?という事ですが、扁桃腺炎自体はうつりません。扁桃腺炎の人とキスをしたり、何か飲み物を回し飲みしても特にうつる事はありません。
ただ原因となるウイルスや細菌には感染する可能性がありますので、扁桃腺炎を発症していて咳やくしゃみの症状がある場合にはマスクなどで感染を防ぐ必要があります。
急性扁桃腺炎と慢性扁桃腺炎の症状
扁桃腺炎が身近なウイルスによって起こる扁桃腺の炎症だという事をお話ししました。
扁桃腺炎には「急性扁桃腺炎」と「慢性扁桃腺炎」の二つのパターンがあります。この二つの症状について詳しく見ていきましょう。
急性扁桃腺炎
初期症状としては扁桃腺が赤く腫れたり、痛みを感じたり、食べ物を飲み込む際に喉に違和感があったりします。
本格的に症状が出始めると38〜40度近い発熱があったり、頭痛、倦怠感、首のリンパ節が腫れる、扁桃腺に白い膿のようなものが付いているなどの症状が出ます。
食事も喉を通らないくらいの咽頭痛があります。時には感染したウイルスによって、肝臓の機能障害が併発する事もあります。
慢性扁桃腺炎
急性扁桃腺炎を1年間に2回以上繰り返す事を慢性扁桃腺炎と呼びます。
急性扁桃腺と症状はそこまで変わりはないですが、同じ様な症状に加え、耳の痛みや喉の乾燥、喉の奥の方まで違和感を感じる様になります。
注意しなければならないのは、関節リウマチや腎炎などの合併症を併発する可能性があり、慢性扁桃腺炎になると症状が改善しにくくなるといわれています。
特に子供は体内の免疫機能が安定していない事から、慢性扁桃炎になりやすいといわれています。慢性扁桃腺炎にならないように、しっかりと治療とウイルスに感染しないように予防が必要です。
急性扁桃腺炎と慢性扁桃腺炎の原因
では、急性扁桃腺炎と慢性扁桃腺炎の原因とは一体何なのでしょうか?これらの症状を引き起こす細菌としては、
✅ インフルエンザ菌
✅ 肺炎球菌
✅ 黄色ブドウ球菌
またウイルスで
✅ EBウイルス
✅ RSウイルス」が挙げられます。
そして、歯周病や蓄膿症も原因の一つと考えられています。ウイルスや細菌に扁桃腺が感染する事によって、炎症を起こす事が原因です。
症状が悪化する原因としては
ストレスや過労、飲酒、喫煙、暴飲暴食、大気中に舞っている粉塵などといわれています。
急性扁桃腺炎と慢性扁桃腺炎の治療方法や治療期間
急性扁桃腺炎や慢性扁桃腺炎にかかった場合はどのような治療方法があり、どのくらい治療期間が必要なのでしょうか?
急性扁桃腺炎の治療方法
急性のものであれば、医療機関を受診し、扁桃腺炎の原因となっている細菌を殺すための抗生物質を服用します。
熱や痛みがある場合には解熱鎮痛剤(ロキソニンなど)を一緒に処方したり、痰や鼻水が出る場合には去痰剤や鼻水止めの薬も処方される事が多いです。
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また冷たいタオルなど首やのどのあたりをで冷やすことも効果的です。また扁桃腺炎の際はお風呂は控えた方が良いと聞きますが、高熱が下がらない場合を除いて、微熱であればお風呂に入っても問題はありません。
長風呂に気を付けて、水分を良く摂れば、むしろ浴室は湿気が多いので、喉が潤い、お風呂で温まる事で回復力のアップにも繋がるのです。
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治療期間
抗生物質を投与して約2日程経てば、菌やウイルスは体内から追い出す事が出来ますが、炎症が治まるまでには約1週間程度かかります。
また扁桃炎になると白い膿のようなものが付着しているのが見える事があります。これは白血球や細菌の死骸が白く固まり、付着しているのです。
膿の取り方としてはイソジンでうがいをしたり、病院で取り除いてもらう事が可能です。その際には健康保険が適用にになります。治りかけに無理をすると、症状を再発させる可能性もありますので、なるべく安静にして完治させるようにしましょう。
市販薬での治療は可能なのか
仕事などで「病院に行く時間がない」という方は何とか市販薬で治したいと考える方も少なくはないでしょう。実は市販薬には抗生物質のような「ウイルスや菌をやっつける効果」という効果が含まれるものはありません。
病院で処方される薬が一番効き目がある・・ということなのですが、市販薬でも効果が期待できるものはあります。
それは「うがい薬」やのどに直接スプレーするような「塗り薬」です。これらは「抗菌成分」が配合されているので、効果が見込めます。
また扁桃腺炎は風邪と一緒に併発する事も多いので、風邪の時に服用する「漢方薬」も期待できます。
慢性扁桃腺炎の治療方法
扁桃腺炎が慢性化した場合には外科的手術で目に見える扁桃腺の組織を取り除く手術をします。
手術自体は20分程度で終わる手術ですが、術後は喉の違和感や痛みがある為、抗生物質の服用や痛み止めの服用が必須となります。
扁桃腺炎に関しては自然治癒は難しい可能性があります。原因に当たるものが細菌やウイルスである事が多いので、それが治れば症状は治まる事がほとんどです。
しかしながら原因が歯周病などの場合に関しては、根本的な治療が必要なので、扁桃炎が再発する可能性があると言えます。
病院を受診する際には何科を受診すれば良いのかというと、「内科」もしくは「耳鼻科」になります。扁桃腺炎だというのがはっきりと分かる場合には耳鼻科の方が喉の専門なので良いもしれません。
扁桃腺炎の予防方法
扁桃腺炎を予防するために必要な事は
ストレスを溜めない
ストレスによって身体の免疫力が落ちてしまう事もありますので、出来るだけストレスを発散し、適度な運動を心がけましょう。
免疫力を高める
なるべく身体を冷やさないようにし、しっかりと栄養価の高い食事を摂るようにしましょう。
喉の乾燥に気を付ける
喉の乾燥によって菌やウイルスを繁殖させる事に繋がりますので、出来るだけうがいなどで喉を乾燥させないように気を付けましょう。またタバコを吸う方は喉が乾燥しやすくなりがちですので、出来るだけ禁煙に努めましょう。
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扁桃腺炎は慢性化すると治りにくくなりますので、出来るだけしっかりと完治させるようにし、症状が出た場合には早めに病院を受診するようにしましょう。
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