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甲状腺の腫れの6つの原因【症状もチェックしてみて】

<監修医師 吉野 聖奈>
喉

喉が腫れている、特に首の前部で喉ぼとけの下が腫れている時は要注意!

甲状腺の病気かもしれません。ただの腫れやしこりでも実は重大な病気が潜んでいることもあります。

 

簡単に自分でも簡単にチェックできます、気になる方はすぐに確認しましょう。

 

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甲状腺の6つの原因

 

甲状腺が腫れる原因 びまん性甲状腺腫

甲状腺が腫れているだけの病気です。腫瘍も炎症もなくホルモン合成にも異常がありません。

治療は必要ありませんが、病気に変化する可能性もあるので定期的に検査した方がいい症状です。

 

びまん性というのは、病変がはっきりせずに全体(全身)に広がっている。という意味で使われます。

 

甲状腺が腫れる原因 バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

甲状腺を刺激する物質が体内で作られてしまう為に起こる病気で自己免疫疾患の一つです。

 

甲状腺を刺激する物質がなぜ作られるのかについてははっきりしていませんが、刺激を受けた甲状腺は、ホルモンをどんどん作ってしまうので甲状腺ホルモンが増えすぎたときに起こる症状(甲状腺機能亢進症)が出ます。

亢進とは機能などが過剰に働いている。という意味です。

 

甲状腺が腫れる原因 橋本病(甲状腺機能低下症、慢性甲状腺炎)

甲状腺に炎症が起きてしまう病気です。バセドウ病と同じく自己免疫疾患で、自己免疫が原因で炎症がおきます。

 

甲状腺ホルモンが不足するために起きる症状(甲状腺機能低下症)が起こります。

何がきっかけで起こる病気なのかはっきりしていませんが、リンパ球の一種が甲状腺組織を攻撃してしまうといわれています。ホルモン合成機能に異常が出る場合と、出ない場合があります。

 

甲状腺が腫れる原因 亜急性甲状腺炎

甲状腺が腫れて痛みがあったり、発熱するケースもあります。鼻やのどの炎症続いて起こる確率が高いためウイルス感染がきっかけで起こるとも言われています。

 

ウイルスが原因ではありますが、他人に感染することはありません。

炎症により甲状腺の組織が破壊され一時的に甲状腺からホルモンが漏れ出てしまうことで起こります。

 

甲状腺ホルモンが漏れ出ると一時的に甲状腺ホルモンが多い状態になるため、バセドウ病のような症状がでます。

一過性であることが多く再発はほとんどありません。自然に治る病気ですが、薬を飲むこともあります。

 

甲状腺が腫れる原因 急性化膿性甲状腺炎

風邪や扁桃腺など続いて起こり、首の片方に痛み、腫れて熱が出ることもあります。

 

甲状腺が細菌に感染したことにより起こります。抗生物質や切開により膿を除去すると炎症が治まります。子供に多く、9割以上が左側に起こります。

 

甲状腺が腫れる原因 甲状腺腫瘍

びまん性甲状腺腫は全体が腫れている状態だとすると、片側だけ又は部分的に腫れている状態を結節性甲状腺腫と呼びます。

 

甲状腺にしこりができてしまった状態で、このしこりには過形成と腫瘍に分けられます。

 

過形成とは正常組織と同じように細胞が増殖したものなので害はありません。

腫瘍は良性と悪性のに分けられ、悪性の腫瘍の代表的なものは、がんです。

 

甲状腺がんは、乳頭がん、瀘胞がん、低分化がん、未分化がん、髄様がん、悪性リンパ腫の6種類があります。

 

乳頭がんと濾胞がん、低分化がんは発達も遅く、治療がしやすいといわれます。

髄様がんはとても稀な病気で遺伝性もあるといわれています。

 

未分化がんは非情に未熟な細胞であるため、がん化すると発達が早く悪性度が高いのが特徴です。

 

しかし甲状腺の場合は腫れに気が付くのも早ければ、比較的治りやすいと言われます。

悪性リンパ腫は全身のあらゆるリンパの組織で起こるものです。

 

甲状腺にはリンパ節がありませんが橋本病を患っているとリンパ球が浸潤(周囲の組織に浸みこむように侵していくこと)していくため、悪性リンパ腫を発症することがあります。

 

悪性リンパ腫の場合には、甲状腺が急に大きくなったように腫れるのが特徴で、大きくなると、息苦しい、飲み辛い、声がかれる、などの症状がでます。

【参考記事】
リンパ腫に良性はあるの?【悪性との違いはこれです】

 

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甲状腺の症状チェック

 

まずはセルフチェック

自分でチェックできる項目から見ていきましょう。一番気が付きやすい症状は、甲状腺自体の腫れやしこりでしょう、

 

場所は首の前部で喉ぼとけの下です。片側だけ腫れていることも、あれば均等に腫れていることもあります。

また、急に腫れてきた、首が太くなったと感じたら要注意です。さらに次のような症状も確認しましょう。

01. 甲状腺が腫れてきた

02. 眼球が飛び出してきた

03. 静かにしている時でも心臓がどきどきする

04. 暑がりになった

05. 水をよく飲む

06. 汗が多い

07. 手指の震え

08. 寒がりになった

09. 身体が冷えやすい

10. 肌が乾燥する

11. よく食べるのにやせるようになった

12. イライラしやすい、落ち着きがない

13. 身体がだるい

14. 食欲がないのに以前より太りだした

15. むくみやすくなった

16. 便秘をしやすくなった

17. 昼間眠くなる

18. 便秘しやすくなった

以上のような症状は、更年期障害、糖尿病、うつ病、心臓病、認知症、場合によつては健康な人が出てもおかしくない症状といえます。

 

ですから、たくさん当てはまったからと言って落胆することはないと思います。

ただ、当てはまる項目が多い、最近気になりだしたという方は、早めに病院に受診し検査を受けた方がよいでしょう。

 

病院での検査 血液検査

血液検査では、甲状腺ホルモンの数値、自己抗体の数値、腫瘍マーカーの数値により、バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎、腫瘍性疾患などを判断します。

 

病院での検査 甲状腺エコー検査

甲状腺エコー(超音波)検査は、甲状腺に超音波をある検査です。

甲状腺の大きさ・形状を測定して、しこりがあるかどうか、あった場合にはしこりの形状、位置、内部の状態、血流の速度や硬さを調べます。

 

この検査で、病気が特定できることもあるそうですが、精密検査の結果を経てからの判断が多いようです。

検査は、喉にジェルを塗り機械を当てるだけ、圧迫感なし、痛みなし、時間も5分前後で終わります。

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甲状腺が腫れている時の治療法

 

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺を異常に刺激してしまう抗体が体内で作られてしまったために、甲状腺が刺激されてどんどん甲状腺ホルモンを作ってしまいます。

 

どうしてこのような抗体が作られるのかはっきりしていません。ですから、根本的な治療は難しく適切な治療で症状を抑える治療になります。

 

アイソトープ治療という放射性ヨウ素の入ったカプセルを飲む治療法もあります。

 

これは放射性ヨウ素によって甲状腺の細胞数を減らし小さくする事で甲状腺ホルモンの量も減らし自然な状態にできるという治療です。

 

ストレスを受けると症状が重くなってしまう傾向があったり、アルコールや唐辛子など刺激物を取り過ぎると動悸が激しくなる、食事に関して注意が必要などの制約がでる事はあるものの、甲状腺ホルモンの濃度を正常にしておくことが出来れば、健康な人と変わらない生活が送れます。

 

甲状腺の病気は、内分泌科か内科がよいでしょう。目に異常が見られるときは眼科もあわせて受診した方がいいかもしれません。

 

橋本病

橋本病はバセドウ病とは反対に、甲状腺ホルモン濃度をあげるために甲状腺ホルモン薬を服用します。

海藻類に含まれるヨウ素が甲状腺に影響を与える可能性があるなどの制約がありますが、やはり健康な人と同じ生活ができるようになります。

 

また、ミルラ、マジョラムなどのアロマには甲状腺機能や自律神経に作用し甲状腺を助ける働きがあります。バセドウ病・橋本病、両方に効果が期待できます。

 

甲状腺腫瘍

良性腫瘍の場合には、薬物療法、穿刺(腺腫が液状で、しこりの中に溜まった状態をのう胞と呼びますがこれを注射器で吸い出します。)

PEIT(のう胞にエタノールを注射すると縮小させる事が出来ます)、手術(甲状腺腫が大きいときに行います)

 

悪性腫瘍の場合には、手術が基本的治療になります。甲状腺からリンパ節に転移したがんも含めて摂ることが多いようです。

甲状腺がんの細胞が肺や骨など、遠くの器官に転移している場合には、アイソトープも併せて行ないます。

 

甲状腺を大きくまたは全部切除した場合には甲状腺ホルモン薬の投与による治療も行われます。

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