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柿の食べ過ぎで病気になるってほんと?【効能や症状を解説】

<監修食生活アドバイザー 藤沢 淳司>

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市場にが出回るようになると、秋の深まりや冬の訪れを予感するようになりますね。季節の果物としておなじみの柿ですが、豊富な栄養素を含む優れた健康食品ということはご存じですか?

東洋医学では優れた生薬として使用されていた歴史もあるようです。

 

しかしその反面、食べ過ぎは健康を害する恐れがあります。ひどい時は手術が適応になることも。

 

今回は柿の優れたパワーと、気を付けるべき点についてみていきましょう。

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柿ってどんなフルーツ?

 

柿は東アジアを原産とし、カキノキ科にあたる樹木の一つですが、今では世界中の温暖な気候下で見る事ができます。日本では秋が旬の果物として有名です。

 

地域によっては葉はお茶葉として加工され、材木は家具材として使われています。その種類は約1000種類にも及びますが、大きく分けて渋柿甘柿にわけることができます。

 

柿には渋みを感じる成分が含まれています。これはタンニンと呼ばれる成分が口の中のタンパク質と結びつき変性させることで渋みを感じているのです。

 

特に渋柿は実が熟しても渋さが残るということで渋柿と呼ばれています。逆に甘柿は熟することで渋みが消える事が特徴です。

 

渋柿の渋みを摂る方法として、干し柿にする方法や渋抜きという加工をする方法があります。これらの加工を行うことで、水溶性タンニンが不溶性になり、渋みを感じなくなるのです。

 

柿が健康食品として言われる謂れは、その豊富な栄養素にあります。

 

美容に嬉しいビタミンをはじめ、コレステロールの増加を抑えるペクチン、むくみ改善に良いカリウム、便秘に効果のある食物繊維など豊富な栄養を含んでいます。

 

しかしその反面、食べ過ぎることで怖い病気を引き起こす可能性も秘めています。

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柿は健康に大切な栄養成分の宝庫

 

柿に含まれている栄養素を見ていきましょう。

 

✅ ビタミンA(βカロテン)

βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。

ビタミンAには、発育促進、皮膚や粘膜の健康保持、目の機能を保つ作用があります。

 

✅ ビタミンC

数あるビタミンの中でも、特に複数の働きを持つ大事なビタミンです。

コラーゲン合成促進、皮膚の働き正常化、抗酸化作用、抗ストレス作用、血圧やコレステロールの正常化、肌のシミ・ソバカス対策があります。

 

✅ ペクチン

食物繊維の一種で、体の中の老廃物を排出する効果があります。

コレステロールを下げる、血糖値の正常化、便秘・下痢解消、疲労回復効果が挙げられます。

 

✅ β―クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコピン

これらの成分はカロテノイドと呼ばれる成分の一種です。カロテノイドは自然界で作られる天然の色素の事をさしており、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。

抗酸化効果、老化予防、免疫力を高める、目の健康保持といった効果が期待できます。

 

✅ タンニン

植物に多く含まれるポリフェノール種になります。

抗酸化作用、肌の引き締め作用、シミ・くすみ予防、下痢の緩和効果があります。

 

✅ カタラーゼ、ペルオキシダーゼ

柿の中に含まれている酵素になります。この2つの酵素はアルコールの分解を促す効果があるため、飲酒の前後に柿を食べる事で二日酔いや悪酔いを防ぐと言われています。

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柿の食べ過ぎで引き起こされる6つの症状

 

下痢

柿に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は便の水分量を保持する作用があるため、硬便による便秘に適していると言えるでしょう。

 

しかし水溶性食物繊維は摂りすぎる事で下痢の原因になる事があるため、柿を食べ過ぎると便が緩くなる事があるようです。

 

便秘

柿の食べ過ぎは便秘になることもあります。

 

一つ前の項目で便を柔らかくする効果があると書いておきながら、今度は便秘?と疑問に思う人もいるでしょう。便秘になる原因は食物繊維とは違う、他の成分にあるのです。

 

その問題となる成分がタンニンです。

 

タンニンは腸の蠕動運動を抑制してしまう作用があります。そのため、摂りすぎることで便が必要以上に固くなってしまう事があります。

 

特に便秘の種類の中でも、便が固くなりがちな弛緩性便秘の人は注意した方がよいでしょう。

 

貧血や冷え性

柿を摂りすぎると、貧血や冷え性が悪化することがあります。

 

柿に含まれるタンニンは腸の運動を抑制しますが、同時に腸からの鉄分の吸収を阻害してしまいます。このため貧血が悪化しやすいと言えるのです。

 

また柿の中には塩分の排出作用があるカリウムが含まれています。

 

塩分は過剰に摂取すれば健康を害する原因になりますが、逆に不足すると血圧低下や体温低下を招くことがあります。

 

このため元々冷え性や低血圧の人は食べ過ぎに注意しましょう。

 

血糖値に注意

糖類の中でも果物などに含まれる果糖は、血糖値を上げにくい糖類と言われています。

 

もちろん柿も例外ではありませんが、実は柿にはブドウ糖も多く含まれています。ブドウ糖は血糖値を速やかに上げる効果があるため、糖尿病や血糖コントロールをされている人は要注意です。

 

妊婦さんは注意して

柿は健康食品と考えられるほど栄養素が豊富です。しかし反面、摂りすぎることで上記のような問題が起こってしまいます。

 

特に妊娠初期は、冷え性や便秘でつわりが悪化することもあります。安定期に入ってからも、妊娠糖尿病や貧血のリスクがあるため、たくさん食べる事は避けた方が良いでしょう。

 

柿アレルギー

あまり耳にしないアレルギーですが、花粉症や果物アレルギーをお持ちの方は、柿に対してもアレルギーが出る事があるようです。

 

症状は通常のアレルギーと同じで喉の痒みや呼吸苦、じんましん、下痢や吐き気といった症状が出る事があります。

 

柿胃石

柿の中に含まれるタンニンは、消化管の中で結石化しやすいという特徴があります。このため大量にタンニンを摂取してしまうと、消化管の中で石を作り出してしまうことがあるようです。

 

この石が胃の中で形成されてしまうことを柿胃石と呼びます。

 

柿胃石は空腹時などに柿を大量に食べた時や、元々胃の手術を受けている人、糖尿病性の神経症などを患っている人に起きやすい病気です。

 

症状としては、上腹部の痛み、吐き気や嘔吐、腹部膨満感、急激な腹痛などが挙げられます。

 

このように、柿の食べ過ぎは様々な問題を起こすことがあります。

一般的に言われている柿の適量は

 

渋柿なら2個/日

甘柿なら1個/日

 

です。しかし消化器系の調子が思わしくない人や、貧血や冷え性がある人、妊婦さんなどは、これより少なめにしたり1日の中で何回かに分けて食べる事をお勧めします。

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聞きなれない柿胃石ってどんな病気?

 

胃の中に石が形成されてしまう病気には、毛髪胃石、繊維胃石、薬物性胃石などがありますが、柿の食べ過ぎによってできてしまう胃石を柿胃石と言います。

 

柿がシーズンを迎える秋から冬にかけて罹患率が高くなる傾向があります。

 

診断には問診、レントゲン検査、CT検査、超音波検査、内視鏡検査などを使っていくことになります。

 

柿胃石が起こりやすい原因は、

✅ 空腹時に大量の柿を食べた

✅ 消化器系の外科手術経験あり

✅ 糖尿病性神経症の既往がある

✅ 胃の動きが悪い

このような条件は柿胃石が起こりやすいと言えます。

 

なぜならば、これらの特徴がある人は胃の内容物が停滞しやすいため、タンニンが長く留まり結石化しやすいからです。

 

柿胃石は形成を初めてから急速に大きくなることがあります。

 

この時に吐き気や嘔吐、胃の痛みを感じるようになり、石が大きくなるにつれて上腹部にしこりを感じるようになってきます。

 

石が小さければ胃洗浄や薬物治療によって石を排出することはできますが、大きすぎる場合は内視鏡手術などで石を小さくしてから排出させるよう治療を行うこともあります。

 

特に緊急性が高い例は、胃石が腸に流れてしまい腸閉塞を起こしてしまった場合です。

 

腸閉塞を起こすと原因不明の腹痛や吐き気、嘔吐、食欲不振といった症状が起きてきます。

 

石が大きく自力排泄が困難と判断された場合には、開腹手術を行って石を除去することもあります。

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柿とさつまいもはNG!食べ合わせに要注意

 

柿と蟹

蟹は消化に悪いため、全身の血液循環を滞らせます。さらに蟹に含まれるタウリンには血圧を下げる作用があります。このため蟹は体を冷やす食材として考えられています。

 

柿にも同様の作用があるため、一緒に食べることで冷え性や低血圧を助長してしまうと考えられています。

 

柿とサツマイモ

柿は消化器系の動きを抑制する作用があるため、サツマイモの消化が悪くなり腹部膨満感や便秘、腹痛を起こすことがあります。

 

またサツマイモは胃酸の分泌を促進する効果があるため、胃酸とタンニンが結合し胃石ができやすくなると考えられています。

 

柿と海苔やこんぶ

海藻類にはカルシウムイオンが多く含まれています。これと柿の中のタンニンが結びつき、胃石を形成しやすくなるとされています。

 

また海藻類は消化に悪いものが多いため、柿の消化器抑制作用も相まって消化不良を起こすことが多いようです。

 

柿と肉類

消化に悪いとされる柿と肉類を同時に摂る事で消化不良を起こしやすくなります。

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プラス食材で効果アップ。食べ過ぎ防止にも期待

 

✅ 柿+緑黄色野菜のサラダ=高血圧、動脈硬化予防!

緑黄色野菜には血圧を下げる作用、コレステロールを下げる作用があります。この二つをサラダにして食べる事で高血圧対策、動脈硬化対策におすすめです。

 

ドレッシングに、コレステロールを下げる働きのあるオリーブオイルを使うとさらに効果が期待できます。

 

緑黄色野菜には、ニンジン、ほうれん草、春菊、パセリ、ブロッコリー、大根、キャベツ、かぼちゃ、ピーマンなどがあります。

 

✅ 柿+ナッツ類、ゴマ=二日酔い対策!

二日酔い対策には、アルコール分解時に出るアセトアルデヒドを素早く分解し体外へ排出することです。

 

柿にはアルコール分解を促進する酵素が豊富に含まれています。

 

さらにナッツ類はアルコールの吸収を抑える脂肪分と、アセトアルデヒドの分解を促進するオルニチンが多く含まれているため、飲酒前後におすすめの組み合わせになります。

 

✅ 柿+りんご、梨=気管支炎改善

肺は東洋医学では漢方として使用されています。

 

その効果には「肺粘膜を潤して咳や出血を止め、痰の排出を促し、解熱作用を持つ」とされており、昔は呼吸器系の病気には柿を使って症状を緩和していたようです。

 

また、りんごや梨には抗アレルギー作用があり、体内の不純物を排出し腸内環境を整える作用があります。一緒に食べる事で呼吸器系疾患の緩和作用が期待できます。

 

柿は古くから「柿が赤くなれば医者は青くなる」ということわざがあります。昔の人は、経験から柿が優れた食品であるとわかっていたのですね。

 

確かに食べ過ぎは体に毒ですが、適量を守って体の健康維持に繋げていきたいですね。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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