正座できない3つの原因!【こうやって対処法を試してみて】
<監修医師 田中 恵文>
正座は日本人の美しい姿勢です。ピンの伸びた背筋は凜々しくもありますよね。ですが、正座するのがつらい、または全く正座できない、という方、いらっしゃると思います。
また、以前はできたのに、膝に痛みが出てきて出来なくなってしまった……ということもありますよね。そのような症状でお困りの方への対処方法と、正座できない3つの原因について検証していきましょう。
正座できない原因
関節の痛み
膝の関節が痛いと正座をすることが出来なくなくなってしまいます。
関節が痛くなる原因には、姿勢の悪さや足の癖が挙げられます。X脚やO脚、足を組む癖なども膝の関節を痛める原因になります。また、太りすぎや急激な体重の増加なども膝に負担をかけるため、関節に痛みが出やすくなります。
O脚についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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筋肉のコリ
足の筋肉も、肩コリと同じような状態になります。長時間、足の筋肉が緊張した状態になっていると、硬くなっていきます。
硬くなるとリンパの流れが滞り老廃物が溜まってしまいます。すると血液の流れも悪くなるため冷え性になります。その結果ますます硬くなり、正座をすることができなくなってしまいます。
何らかの病気
関節炎や関節リウマチ、変形性関節症、滑液包炎、ベーカー嚢腫など、膝に疾患を抱えていると正座が困難になります。
正座ができなくなる病気
関節炎
正座をするためには、膝関節がきちんと動かなければなりません。関節炎は関節が炎症を起こしてしまう症状です。膝関節に炎症が起きると、腫れたりこわばったり、動かせる範囲(可動域)が狭くなったりして、正座ができなくなります。
関節リウマチ
本来、ウィルスなどの外敵から体を守るはずの免疫ですが、自分自身の関節を有害と判断し攻撃を始めてしまうことがあります。すると免疫の誤作動により、攻撃された関節は炎症を起こします。それが関節リウマチです。
関節リウマチは膝にも発症します。進行すると、関節の軟骨や骨を破壊してしまいますので、膝関節のこわばりが続くようなら整形外科を受診しましょう。
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変形性関節症
変形性関節症が膝に発症すると、膝の腫れやこわばりなどの初期症状があらわれ、徐々に痛みが増していきます。長年の生活習慣や体重、姿勢の悪さなど、膝に負担をかけ続けたことが原因で起こります。
骨の先端には軟骨があり、この軟骨は膝の動きをなめらかにし、ショックを和らげる役割を果たしているのですが、加齢と共にすり減っていきます。症状が悪化すると、正座だけでなく歩行が困難になってしまうこともあります。
ガングリオン
皮膚の表面にこぶのような膨らみが出来ます。体の至る所にできる良性の腫瘍ですが、それ自体は痛みもなく放置しておいても大丈夫な場合がほとんどです。自然に消えてなくなってしまうこともあります。
ところが、ガングリオンが膝の半月板に出来ると神経を圧迫し、しびれや痛みを引き起こすことがあります。
ガングリオンについてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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滑液包炎
日常的に長く正座をする方、長時間膝をつくことの多い方に見られる症状です。膝の中は滑液包という袋があり、衝撃を吸収する役割があるのですが、けがや酷使することにより滑液包が炎症を起こしてしまいます。生活習慣を変えることで症状が改善されることもあります。
ベーカー嚢腫
膝の裏にゴルフボール大のこぶができるもので、ガングリオンとよく似た症状です。ガングリオンと違うところは、関節リウマチや変形性膝関節症の合併症として起こる症状だということです。
骨折・捻挫
足首の骨折や捻挫などの後遺症で正座が出来なくなることがあります。足首の関節の可動域が狭くなったことが原因ですが、リハビリや時間の経過と共に可動域が元に戻り、正座できるようになることもあります。
ふくらはぎのむくみ
いろいろな原因でふくらはぎにむくみがあると、正座が困難になります。塩分や水分を多く取り過ぎたためにむくんでいる場合もありますが、循環器疾患、腎機能など何か別の機能障害が隠されていることもありますので、内科や循環器科などを受診することをおすすめします。
こうやって対処法試してみて
明らかに病的な原因で正座が出来ないと思われる場合は、病院を受診してください。ここでは、自宅で出来る痛みの軽減についてご紹介していきます。
硬くなった大腿四頭筋を柔軟にする
太ももの筋肉の硬さが原因で膝の痛みがある場合は、大腿四頭筋(太ももの筋肉)を柔軟にするための運動をしましょう。
膝の痛みがある場合は、負荷が軽めのストレッチから始めると良いです。仰向けになり片膝を立て、もう片方の足を伸ばします。伸ばした方の足を床から浮かせます。少しでも効果があるので、無理のない範囲でやっていきましょう。反対側の足も同じようにします。
立って出来る方は、壁に手を当て、もう片方の手で足首を持ち、そのままおしりに向かって引き上げます。太ももの筋肉が伸ばされていることが実感出来ると思います。両方の太ももで行ってください。
軽いウォーキングをする
有酸素運動の中でもウォーキングは膝への負担が軽く、特に準備も必要ないので気軽に行えるのが良いところですね。軽い散歩のつもりで初めてみると良いと思います。
日常生活に軽いウォーキングを取り入れることは、膝だけでなく体の健康に良いことばかりなので、ぜひ習慣にしてみてください。
マッサージでむくみや冷え性を改善
冷え性のためにリンパの流れが滞り、足がむくんで正座が出来ないという方には、ふくらはぎのマッサージが効果的です。
リンパの流れに沿って、下から上に向かってマッサージをしてください。足首から膝に向かってゆっくりとなでさすり、気持ちいいと感じる強さで揉んでみてください。すっきりと楽になりますよ。
筋肉痛のような痛みを解消する場合はこちらを参考にして下さい。
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