歯が痛い原因が不明!【虫歯以外ならストレスが関係してる?】
<監修医師 みのり>
歯が痛いのって辛いですよね。原因が虫歯とわかっていれば治療すればよいのですが、虫歯でなくても歯が痛くなる時があります。虫歯以外にどんな時に歯が痛むのでしょうか。原因を解明していきます。
気になる所から確認してみよう
痛みの種類
侵害受容性疼痛
刺激(組織損傷など)をうけたところに炎症が起こり、その結果痛みが生じるものを言います。
虫歯、歯髄炎症、リウマチ、血管拡張による頭痛、腱鞘炎、などがこれにあたります。
腱鞘炎の症状についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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神経障害性疼痛
表面的な傷が治っても痛みが継続します。これは神経が傷つくことによって起こる痛みだからです。
手術やケガ、糖尿病、がん、ウイルス感染、帯状疱疹などにより神経が傷ついて起こります。
混合性疼痛
両方の痛みを併せ持つタイプです。
手根管症候群(首から肩にかけてのしびれや痛み)、頸管椀症候群(手がしびれて痛い)などがこれにあたります。
心因性疼痛
脳にある痛みをコントロールする場所に異常が起こり痛みを感じます。
歯痛の種類と病気
歯原性歯痛
歯髄(歯の中にある神経)や歯周組織(歯を支える組織)が原因の痛みです。
これらは前述の侵害受容性疼痛といわれ歯医者の治療で痛みが治まるものです。虫歯や歯肉炎などがこれにあたります。
なぜ虫歯ができるのか、くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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非歯原性歯痛
歯原性歯痛以外の痛みをいいます。原因により以下のように分類されます。
1.筋・筋膜性
筋肉痛による歯痛を言います。
本来は咬筋、側頭筋など顎を動かす筋肉の痛みなのですが、違う部分に痛みを感じてしまうのです。(この痛みを関連痛といいます。)
奥歯に鈍い痛みを感じることが多く、顎の蝶番近辺を5秒ほど押して歯痛を感じる場合はこれが原因と考えられます。
原因は咀嚼筋の疲労なのでマッサージ等でコリを解消することにより軽減されます。
2.神経障害性
いわゆる神経痛で2つの種類があります。
✅ 発作性神経痛
舌咽神経、三叉神経の神経痛です。
突発的に激痛が起こるタイプで電気が走ったような激しい痛みがあります。50歳以上で発症します。専門医を受診しましょう。
✅ 持続性神経痛
絶え間なくじりじりした痛みが続きます。難治性疼痛の一つで帯状疱疹ウィルスに感染しておこります。
帯状疱疹性歯痛ともいわれ、慢性化すると痛みが残るので専門医に診てもらうようにしましょう。
3.神経血管性
頭痛の関連痛で、特に片頭痛からくるものは口の周辺に痛みを感じるため、侵害受容性歯痛との区別がつきにくいのが特徴です。原因が頭痛なので歯医者での治療ではよくなりません。疼痛専門医、頭痛専門医、ペインクリニックなどを受診しましょう。
4.上顎洞性
上顎洞は副鼻腔の一つです。風邪などによりこの部分に炎症を起こすと膿が溜まり、歯痛を感じます。
ドロっとした鼻水が出る、目の奥が痛いなどの症状がある場合はこれの可能性があります。耳鼻咽喉科を受診しましょう。
5.心臓性
心筋梗塞、狭心症の85%は胸の痛みと同時に顔面の痛みを感じています。関連痛として歯、下あごなどがあります。運動時に歯が痛み、運動を止めると痛みがなくなるのが特徴です。
通常は20分程度で痛みが治まりますが、それ以上続く場合は危険なのですぐに内科、循環器科などの専門医を受診しましょう。
6.精神疾患、心理社会的要因性
うつ病、身体表現性障害などの場合、検査で異常が見つからないにもかかわらず痛みが長期間続きます。
疼痛性障害、身体化障害、心気症などがあり、それぞれに合った治療法を行う必要があります。
心療内科、精神科を受診しましょう。
7.特発性
原疾患がわからない原因不明の痛みを言います。時間の経過によって症状が変化することがあります。
日常で起こりやすい虫歯以外の歯の痛み
ストレス
ストレスが溜まると免疫力が低下します。これにより通常では害を及ぼさない菌やウィルスが活性化し、歯茎が炎症を起こして腫れたり、歯が浮いたりします。
歯茎が炎症を起こす原因についてはこちらを参考にして下さい。
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歯茎の炎症が痛む5つの原因【治療法と薬についても詳しく解説】
物理的に歯が欠ける
歯には神経が通っていますので欠けると痛みが生じます。
鎮痛剤で痛みは治まりますが、欠けた状態のまま放置しておくと虫歯や新たな病気に発展する可能性がありますので、なるべく早く治療しましょう。
歯ぎしりのし過ぎで歯が摩耗してしまうと同様の症状が出る場合があります。
歯が痛いときの応急処置
休日や夜間に歯が痛い時など、家庭でできる応急処置をご紹介しましょう。
歯磨き、口をゆすぐ
食べカスなどが神経を圧迫して歯痛を起こしている場合があります。歯が磨ける場合は歯磨きをしたり、なければ口をゆすぐだけでも違います。
冷やす
血流を抑えることによって歯痛を和らげます。
冷湿布、濡れタオル、氷などを使います。氷の場合直接当てるていると皮膚を損傷させてしまいますのでタオル等で包んで長時間同じ場所を冷やさないように気をつけましょう。
消毒
イソジンなど殺菌効果のあるものでうがいをします。
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痛み止めを飲む
ロキソニンや正露丸等の痛み止めを飲んでしのぎます。
塗り薬
今治水などを患部に塗って痛みをおさえます。
歯が痛いときにやってはいけないこと
歯を触る
触ることにより細菌やウィルスが患部に入って重症化させることがあるので、なるべく触らないようにします。
体を温めない
血流が良くなると神経が圧迫され、痛みが増します。
運動は避ける
運動すると血流が良くなり、上記と同様に痛みが増します。
禁酒
上記と同様、アルコールによって血流が良くなり痛みが増すため飲まないようにしましょう。
ひとことで歯が痛いといってもいろいろな原因があることがわかっていただけたでしょうか。自己判断で治療を怠って大変な事になるかもしれません。
気になることがあったらまずは歯医者で歯自体が原因かどうかを確認してみましょう。
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