親知らず抜歯後に頭痛がするのはなぜ?原因や解消法をチェック!
<監修医師 みのり>
親知らずを抜歯した後、患部の腫れや痛みだけでなく頭痛がする方もいらっしゃるかと思います。
患部ならともかく頭痛までしてしまうと不安になりますよね。
今回は親知らずを抜歯した後に頭痛がする原因や頭痛の解消法などについてご紹介します。
親知らずの抜歯ってどうやるの?
親知らずを抜歯する際には歯肉の切開や周囲の骨を削ることもある
親知らずを抜歯するとき、歯だけを抜くのではなく、周りの歯や神経を傷つけないように注意しながら麻酔をしたり、横向きや斜めに生えている場合にはレントゲンを撮ったり、
歯肉や骨を削るといったことがあります。
手術の流れとしては・・・
① 麻酔をして十分に効いたことを確認し、親知らずが完全に見えていない場合には被っている歯肉をメスなどで切開しておきます。
② 歯の頭部分から順番に、削りながら分解して抜歯していき、全て抜けたら抜歯後の穴を洗い流して削りカスが残っていないかを確認します。
③ 最後に切開した歯肉を元の位置に戻して縫い合わせ、7〜10日後に縫合した糸を抜糸して終了になります。 |
手術の時間は親知らずの生えている位置や向きによって大きく異なります。
ですが、一般的には上の歯よりも硬い下の歯の方が抜歯しづらいとされ、また、まっすぐ生えている場合に比べて横向きや斜めに生えている場合も時間がかかるようです。
親知らず 抜歯後に頭痛がする原因
親知らずを抜歯した後、抜歯後の患部が痛むのはもちろんですが、頭痛がする場合もあるかと思います。
ですが、患部と頭痛のダブルの痛みは辛いですよね。抜歯後の頭痛が起きるのはなぜなのでしょうか?考えられる原因を5つ見ていきたいと思います。
・下あごの親知らずの抜歯
下あごの親知らずで、かつ横向きや斜めに生えていた場合、上あごの親知らずを抜歯するときに比べてたくさん骨を削る場合があります。
例えば、あごや歯を叩いてみると頭の方まで振動が伝わってきますよね。
それと同じように、抜歯の際の骨を削った振動によって頭痛が引き起こされる場合があります。
この場合、頭痛は長引かず、抜歯後何日かで治まってくるでしょう。
・歯の噛み合わせがうまくいっていない
歯が噛み合っている状態というのは、左右両方の奥歯が均等にしっかりと当たっていることや、上下の犬歯がしっかり噛んでいるような状態のことをさします。
親知らずを抜歯したことによってこれまでのバランスが崩れ、歯がうまく噛み合わなくなることが頭痛の原因の可能性があります。
・あごのズレ
親知らずの抜歯の際に、長時間口を開けて手術を受けることによってあごのバランスが崩れることがあります。
あごがずれると全体の骨格のバランスが崩れてしまうので、頭痛以外にも肩こりなどの症状が出てきます。
特に顎関節症になった経験のある方は、あごがずれやすいと言われているので注意が必要です。
・咬合筋の筋肉痛
親知らずの抜歯後は、患部が痛んだり腫れたりすることが多いですよね。
その為、食事をするときに自然と抜歯していない側の歯だけで噛んで食事をしてしまいがちです。
中には医師から抜歯していない側で噛むよう指導された方もいらっしゃるでしょう。
普段は両側の歯を使って噛んでいるので、咬合筋と呼ばれる噛むための筋肉も、左右で同じだけ使っています。
ところが、抜歯していない側だけで噛んでしまうと、片側の咬合筋だけを使うことになるので、そちら側が筋肉痛になってしまう場合があります。
咬合筋は肩の筋肉から頭の筋肉までつながっているので、片側の咬合筋が筋肉痛になったことが原因で、連動している頭の筋肉まで痛む=頭痛を引き起こす可能性があるのです。
・その他の筋肉痛
親知らずの抜歯後は痛みや腫れに加え、噛み合わせのバランスが崩れることによって全身のバランスも崩れてしまうことがあります。
患部をかばい、抜歯していない方側の筋肉をよく使うことによって、普段よりも全身の筋肉に疲労が蓄積しやすくなるのです。
特に利き手側の親知らずを抜歯した場合にはその傾向が強いでしょう。
また、無意識に体に力を入れてしまうことで肩がこり、その関連痛として頭痛が引き起こされるとも言われています。
親知らず 抜歯後の頭痛を抑える解消法
親知らずの抜歯後、頭痛がしてきたときに痛みを和らげる方法を2つご紹介します。
・食事のときには左右両方の歯でバランスよく噛む
患部である奥歯で噛む必要はないので、前の方の歯を使いましょう。抜歯後は痛みがあって食欲がないこともあるので、あまり噛まなくても良い柔らかめの食事にすると良いでしょう。
おかゆ、うどん、豆腐、茶碗蒸し、ワンタン、野菜スープなどがおすすめです。
痛みが長引いて栄養面が気になるようでしたら、ブレンダーやミキサーなどで食材を潰したり細かくしたり、ペースト状にしてから調理をしても良いでしょう。
左右の咬合筋をバランスよく使い、咬合筋が筋肉痛にならないようにすることが大切です。
・リラックスする
全身の筋肉が緊張したり、疲労が蓄積すると頭痛が起こりやすいので、横になったり安静にしてしっかりと体を休めましょう。
肩の筋肉と頭の筋肉は連動しているので、肩のあたりを揉みほぐしたり、伸びやストレッチをすることも効果的です。
また、湯船に浸かって温まるのも良いでしょう。ただし、入浴後は血行が良くなって、抜歯した患部から出血しやすくなるので長湯は控えましょう。
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まとめ
以上、親知らずを抜歯した後に起こる頭痛についてでしたがいかがでしたか?
あまりに激しい頭痛や、患部の痛みは引いてきているのに頭痛がする場合は、歯科医に相談しましょう。
食事の際の噛み方に気をつけていても頭痛がする場合には、あごがずれている可能性があります。
あごのずれは自分で治すことは難しいので、その場合にはすぐに歯科医に相談してレントゲンを撮ってもらってくださいね。
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