母乳はいつから出るのかチェック!【痩せるって本当?】
<監修医師 Dr.masa>
母乳で赤ちゃんを育てたいと思っている妊婦さんは98%というデータもあるくらい、母乳育児はお母さんたちの憧れですよね。
その母乳育児をしていたら「痩せた!」という人がたくさんいます。赤ちゃんを母乳で育てられて、さらにお母さんのダイエットにも繋がれば一石二鳥。
どうして母乳育児は痩せるのでしょうか。母乳はいつから出るのか、母乳で痩せるメカニズムと共に、正しい母乳ダイエットの方法や注意点について解説していきます。
母乳が出る時期
個人差がある
母乳が出る時期は個人差があります。
初めての出産だと、いつ出るのだろうかと不安になると思いますが、特異体質の方を除いて99%の人は母乳が出るので、焦らずに待ちましょう。
一般的には
一般的には産後2~5日で出る人が多いそう。
ただし「出産前から搾ると出た」という人や「出産してから数週間は出なかった」という人もいます。
2人目以降は
2人目以降だと母乳もスムーズに出やすくなります。
それは乳腺が開きやすくなっているほか、出産・育児に対するストレスが少なくなっているため。
ただし前回の出産から期間が空いている人や、上の子の世話で十分に時間が取れない人などは逆に出にくくなることもあります。
母乳が止まる時期
母乳は基本、赤ちゃんが吸っている限り出続けます。
一般的には断乳・卒乳後1か月以内に止まることが多いですが、これもまた個人差があります。
母乳育児で痩せる理由
母乳が出るまで・その1 乳腺の発達
妊娠中はプロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンが多く分泌されています。
これらのホルモンには、乳腺を発達させる作用がありますが、母乳の分泌を抑える作用も持っています。出産後、剥がれた胎盤の排出と共にこれらのホルモンも減少して、ようやく母乳を作る準備が整うのです。
エストロゲンについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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母乳が出るまで・その2 母乳の生成
母乳を作るプロラクチンというホルモンは、赤ちゃんが乳首を吸う刺激で分泌されます。そのため母乳が出ていなくても赤ちゃんに吸ってもらうことが大切なのです。
また、おっぱいマッサージをするように教えてもらった人も多いのではないでしょうか。
中には助産師さんがしてくれたという人もいるでしょう。このおっぱいマッサージも母乳を出すための準備として欠かせません。母乳が出やすくなるほか、乳頭や乳輪が柔らかくなって、赤ちゃんが乳首を吸いやすくなります。
もう一つ、母乳を乳頭へと運ぶオキシトシンというホルモンは、お母さんが赤ちゃんを思うことで分泌されます。赤ちゃんが吸うだけでは足りない力を補って、乳房の筋肉を収縮させて、乳腺で作られた母乳を乳頭まで押し出します。
お母さんがストレスを感じると分泌量が減るため、母乳が止まってしまうこともあります。
初乳が出たら
初乳は栄養価が高く、赤ちゃんの免疫力向上にも欠かせない、絶対に飲ませてあげたい初めての母乳です。
クリーム色でドロッとしています。初乳という名前から、一番に出た母乳というイメージかもしれませんが、1週間ほどはこの初乳が出ています。その後、徐々にサラッとした普通の母乳へと変わっていくのです。
この初乳が出れば、「母乳を作るぞ!」とお母さんの脳が切り替わった証拠です。
消費カロリー
母乳はお母さんの血液から出来ています。そのため吸ってもらった分だけ、消費カロリーも高くなるのです。
完全母乳育児の人の場合、1日に500~1000kcalも消費すると言われています。これはジョギングや水泳を1時間以上続けるのと同等のもの。
ちなみに母乳を作るプロラクチンは、双子の場合2倍の濃度になるとか。消費カロリーもその分多くなるので、しっかりと栄養の取れる食事をして体力を付けたいところです。
母乳で痩せるコツ
水分を多く取る
母乳の8割は水分。母乳育児をしているとどうしても水分不足になりがちです。
1日に3リットル、夏場ならば5リットルは取るようにしましょう。水分はこまめに、ミネラルウォーターや麦茶を飲むのがおすすめです。
水分を多く取ると血液もサラサラになるため、母乳が出やすくなります。
和食中心メニュー
脂質や糖質は乳腺を詰まらせる原因になります。乳腺が詰まって乳腺炎を起こす可能性もあるため、脂質・糖質の少ない和食中心の食事をすると良いでしょう。
お米は玄米より白米がおすすめ。ダイエットには玄米が良いと言われますが、玄米は消化されにくく硬いため、よく噛まなくてはいけません。しっかり噛まずに飲み込むとかえって食べる量が増えて逆効果なので、まずは白米をしっかり噛んで食べるようにしましょう。
他にも和食には豆類や鶏肉料理など、高タンパク質で低カロリーの食材が多く使われています。必要な栄養をしっかり取りながら、痩せやすい身体を維持できるところが良いですね。
お母さんの食べたものはそのまま母乳に影響します。脂っこい食事をしていると母乳も脂っこくドロドロになってしまいます。赤ちゃんのことを考えても、さっぱりとした和食中心のメニューが良いことがわかります。
食物繊維
食物繊維はお腹の中で膨れ、腹持ちを良くしてくれるのでダイエットには欠かせません。
また体内の余分な脂肪を絡めとってくれるほか、便秘解消、代謝アップなど、母乳ダイエットをしていく上で様々なメリットがあります。根菜やワカメなどの海藻類は和食にも合わせやすいですね。
わかめについてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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温かい飲み物
身体を温めることで、血行を良くしたり、乳腺炎を予防する効果があります。リラックス効果も期待できるので、ストレスで母乳が出づらくなっているという人にも良いでしょう。
白湯は水分補給にもおすすめ。一方で糖質を多く含むジュースや、カフェインの多いコーヒーなどは控えるようにしましょう。
薄味のスープやおみそ汁は食事の最初に飲むと、胃を温めて消化を良くしてくれるほか、お腹が膨れて食べる量も少なくて済みます。食物繊維の多い根菜を中心とした野菜スープや、とろろ昆布のおみそ汁などはいかがでしょう。
間食は和菓子で
糖質は良くないと言っても、女性なら甘いものが食べたくなってしまいますよね。そんな時は和菓子がおすすめ。
寒天は食物繊維も多く含み、低カロリーなので嬉しいですね。
おせんべいやスルメなどをよく噛んで食べるのも良いでしょう。また、ドライフルーツやナッツなどは不足しがちな鉄分も補ってくれます。少量をよく噛んで食べましょう。
ナッツ類の効果についてはこちらを参考にして下さい。
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ながら運動をしよう
母乳ダイエットには、食事だけでなく運動も適度に取り入れたいところ。しかし赤ちゃんがいるため1人で外に出ることは難しいですよね。
おすすめは家の中で赤ちゃんと一緒に出来る「ながら運動」。
赤ちゃんを抱っこしながらスクワット、おんぶしながら雑巾がけ、あやしてあげながらストレッチなど。赤ちゃんとスキンシップを取りながら無理なく身体を動かすことが出来るので良いですね。
また抱っこしたままバランスボールに座ってユラユラすると、赤ちゃんはその揺れが気持ちよくて眠りやすくなるそう。家にバランスボールのある人はぜひ試してみてください。
母乳で痩せる時の注意点
個人差がある
母乳ダイエットを意識してやっていても、思うように痩せられないという人もいます。
妊娠中に多く分泌されるプロゲステロンは出産と共に減少していきますが、中には出産後、正常値に戻るまで時間のかかる人もいます。プロゲステロンには女性らしい丸みのある身体を維持する役目もあるため、正常値に戻るまでは母乳ダイエットの効果が得られない人もいます。
母乳ダイエットはあくまで母乳育児がメイン。痩せることばかりに視点がいかないように気をつけましょう。
食べ過ぎに注意
完全母乳育児のお母さんは、ミルクとの混合育児の人よりも700kcalは多くカロリーを消費するため、お腹が空きやすくなってしまいます。しかしそこで食べ過ぎて摂取カロリーが増えてしまうと、せっかくのダイエットの意味がありません。
1日の摂取カロリーは1800kcalが目安。育児に追われゆっくりと食事する時間の取れない人も多いとは思いますが、食べられるときにドカ食いするのではなく、こまめに少量ずつ食べるようにしましょう。1日3食が基本ですが、4~5食に分けても大丈夫です。空腹の時間が少なくなると、ダイエット特有のストレスも減らせそうです。
栄養バランスに注意
ダイエットと言っても、食事制限は禁物です。赤ちゃんに美味しく栄養満点の母乳を飲ませてあげるためにも、栄養バランスは偏らないようにしましょう。
無理のないダイエットを
産後は、増えた体重をもとに戻そうと躍起になってしまいがちですが、母乳ダイエットは赤ちゃんに母乳を飲ませてこそのダイエットです。お母さんのダイエットが優先になってしまわないように注意しましょう。
産後は慣れない育児で疲れたり、出産を終えた身体がもとに戻るための大切な時期です。身体に負担がかからないように、無理のない範囲で母乳ダイエットを活かしましょう。
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