汗疱(異汗性湿疹)の治療法!それでは完治しませんよ?
<監修医師 Dr.masa>
「汗疱(異汗性湿疹)になってしまってけれど、治療法は何があるの?」
「汗疱(異汗性湿疹)は完治するの?」
発症してしまった汗疱、どうすれば元通りに治療できるのでしょうか。跡を残さず治療する方法についてまとめました。
気になる所から確認してみよう
汗疱(異汗性湿疹)は、つぶすと早く治る?
手のひらや指の側面、足の裏などにいつの間にか出来ている小さな水疱。
直径1ミリメートルくらいの小ささですが、非常に気になりますよね。だからといって潰すのはやめておきましょう。
潰すと汁が漏れ、かゆみを伴うようになります。
最初に出来た水疱を汗疱(かんぽう)と呼び、潰した後の汁によって増加してしまうのです。
その水疱を異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と呼びます。
早く治そうと思ったら、「汗疱をつぶす」以外の方法で治すしかありません。しかし、どのような治療方法が適しているのでしょうか。
汗疱(異汗性湿疹)の予防法~普段から気を付けること~
汗疱は年齢を問わず発症しますが、性別で言うと女性に出来ることがほとんどだと言われています。
日々ハンドケアに励んでいるというのに、汗疱が出来てしまえばショックですよね。
ですので、出来る前に予防しておきましょう。
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界面活性剤を避ける
汗疱に限らず、手にできる湿疹のほとんどが「界面活性剤」(かいめんかっせいざい)の影響を受けてできると考えられています。
界面活性剤とは、本来性質が異なるために混じり合うことのない二つの物質の境界を「変化させる」性質を持った物質です。
境界の性質が変化すると、混ざり合わないはずの二つの物質は混ざるようになります。
混ざり合わないものの代表としては「水と油」が挙げられますが、界面活性剤を使うと混ざり合うようになるのです。
この性質を利用して、「汚れを落とす」ために界面活性剤は食器用洗剤や衣類用洗剤、シャンプーやリンスに使用されています。
水と洗剤を混ぜ合わせなければ汚れ落としに活用できないからです。
しかし私たちの手は、刺激や乾燥から守るために、天然のハンドクリームのようなはたらきのある脂で覆われています。
洗剤やシャンプー・リンスを使用すると、この保護膜がなくなってしまい湿疹を引き起こしてしまうのです。
ですから食器を洗う際はゴム手袋をつけましょう。
もしもどうしても素手で洗わなければいけない場合は、食器を洗った後に必ずハンドクリームで手のケアを行います。
「それも面倒」という方は食器洗浄機をご購入してはいかがでしょうか。直接洗剤に触れる機会を減少させることが出来ます。
シャンプーやリンスをする際に手袋をしても水の侵入を防ぎつつ綺麗に洗うことは困難です。界面活性剤不使用の商品に変えるしかありません。
シリコンも避ける
さてシャンプーとリンスですが、界面活性剤の他にも手に湿疹を作る原因となる物質が含まれています。
それがシリコンです。最近は「ノンシリコンシャンプー」が大ブームで、様々なメーカーが出していますよね。
シリコンは人体にあまり良くない影響を及ぼす素材として認知度が上がってきましたが、実は手にも悪影響を及ぼすのです。
とはいえ、シリコンは髪にコシを与えるのに必要な素材でもあります。
「シリコンが入っていないシャンプーだと髪がぺたんとしてしまう」という方は、洗い流さないトリートメントやオーガニック素材のオイルをご使用下さい。
髪にボリュームが出るので、問題は解決します。
金属アレルギーかどうか調べる
ピアスや指輪などの装飾品に関する金属アレルギーはよく耳にします。
しかし気を付けていても、意外な点で私たちの身体は金属アレルギーの脅威にさらされているのです。
それは「歯」です。歯の治療の過程で口の中に入れた金属は、唾液と反応しイオン化して口の中に溶け出します。
徐々に体内に蓄積されたとしても、それはほんの微々たる量です。しかし少しだけでも、金属アレルギー体質の人にとっては危険なのです。
金属の中でも特に「水銀」が人体にとっては有毒ですが、最近では使用されていませんのでご安心下さい。
ただし20年ほど前までは歯科治療に使用されていたので、人によってはまだ口の中に残されている人もいるかも知れません。
もしも20年以上前に金属の詰め物をした歯がある人は、メンテナンスも兼ねて歯医者さんでチェックしてもらった方が良いでしょう。
金属アレルギーかどうかを病院で調べると、保険外診療のため8000~10000円とそこそこ値が張ります。
金属アレルギーで湿疹を引き起こす前に、歯医者さんで定期チェックした方が安上がりで済みます。
汗疱(異汗性湿疹)の治療法~薬で治す~
ステロイド
手のひらや足に出来た汗疱にはステロイド系の薬が効果を及ぼします。
皮膚科で診察してもらった場合も、ステロイド系の薬が処方されることがほとんどです。
ステロイドは皮膚のトラブルに即効性があり、綺麗に治すことがあります。
しかし「ステロイドは副作用が心配」と使用を躊躇する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かにステロイドは長期にわたると常習性や副作用の危険があります。
とはいえ、お医者さまの指示に従って使用する限りに於いては、深刻な副作用は起きません。
しっかり指示通りに使うのであれば、最も効果があるのはステロイド系の薬です。
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抗アレルギー剤
アレルギー反応を起こして汗疱が出来た場合は、抗アレルギー剤を使用すると効果があります。
ただし抗アレルギー剤は、アレルギーテストを受けた上で処方しなければあまり効果がありません。
まずは皮膚科を受診して、必要な検査を受けた後に処方してもらいましょう。
尿素
ハンドクリームによく配合されている尿素は、皮膚を乾燥や刺激から守る効能があります。
ある程度汗疱による症状が改善してきたら、尿素配合のハンドクリームでハンドケアを行いましょう。
これ以上汗疱による皮膚のトラブルを阻止するために重要な措置です。
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まとめ
汗疱を引き起こすと、どうしても湿疹が気になり潰してしまいがちです。
しかしそれでは被害を拡大する上に皮膚を傷つけてしまいます。
汗疱を発症したら、まずは皮膚科で適切な診察を受けましょう。
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その上で処方されるステロイド系の薬や抗アレルギー剤を使用すれば綺麗に治すことができます。
お医者さまの指示に従い、早期完治を目指しましょう。
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