あかぎれの原因と治し方全集!ひび割れとサヨナラしよう!
<監修医師 WASHIO>
毎年冬が近付くにつれて手が乾燥し始め、気付いたらパックリ割れて痛いあかぎれになってしまった…
そんな経験のある方も多いのではないでしょうか?
今回はあかぎれの原因や、あかぎれにならない為の予防法、そしてあかぎれになってしまったときの対処法について見ていきたいと思います。
あかぎれってなに?
そもそもあかぎれとはどのような状態をさすのでしょうか?
人間の皮膚には、潤いを守る為の角質層や、油分を出して肌のバリア機能を保護する為の皮脂腺があります。
しかし手は元々皮脂腺からの分泌が少ない為、かわりに角質で厚く覆われています。
冬になるにつれて気温が下がったり空気が乾燥してくると、角質層の水分や油分が奪われてカサカサと乾燥した状態になってきます。
これをそのままにしておくと、肌の表面の溝に沿って割れたような状態になり、「ひび」ができてしまうのです。
ひびがさらに悪化し、肌の表面だけでなく1番奥である真皮層まで深く割れてしまう状態を「あかぎれ」と言います。
あかぎれができる原因
あかぎれと聞くと手が乾燥しているからなると思っている方も多いと思います。
しかし、潤いだけ与えていてもあかぎれになってしまう場合があります。
あかぎれの原因は乾燥だけではない
あかぎれができてしまう原因は主に空気の乾燥による角質層の乾燥や、気温の低下による血行不良ですが、
実は、これらの原因はすべて連動しているのです。
手の乾燥
角質層には水分を溜め込んでおく力がありますが、空気が乾燥してくると、角質層の水分はどんどん蒸発して失われていきます。
この蒸発を防ぐ為、皮脂腺から油分である皮脂を出し、その皮脂が汗と混ざり合って皮脂膜を作り、潤いを守っています。
しかし冬場はあまり汗をかかないので皮脂膜ができにくく、また、手は元々皮脂の分泌が少ないので潤いを保つことが難しくなり、ひびが起こってしまうのです。
手の栄養不足
肌には元々、自らの力で細胞を修復し、再生する力があります。
その再生する力の源となっているのは栄養ですが、過度なダイエットや偏った食生活だと十分な栄養が無い為、肌が再生する力が弱まってしまうのです。
手の血行不良
気温の低下などによって血行が悪くなると、肌細胞全体に栄養がいかない状態になります。
栄養不足と血行不良によって冷えた細胞は、修復し再生する力が弱まってしまう為、ひびから悪化してあかぎれになりやすいと言えます。
特に末端冷え性(まったんひえしょう)の方は、手や指が冷たいままなのでひびやあかぎれになりやすいでしょう。
また、手は皮脂腺の分泌が少ない分、角質が厚いので、1度角質層に亀裂が生じてしまうと治すのに時間がかかる場所でもあります。
✅ 修復する力が弱まること
✅ 元々修復に時間がかかる場所
という2つのポイントによってひびからあかぎれに進行しやすく、また治りにくいのです。
手の応力
応力というのは、手や指を使うときに押しつぶされたように変形する力のことを言います。
手や指は常に動かしていたり、使う機会も多いので応力がかかります。
指にあかぎれが出やすいのは、手作業によって応力がかかり、また、修復するのにも時間がかかる為、治るペースよりも早く悪化してしまいがちなのです。
これらの原因をまとめると、気温の低下や空気の乾燥によって栄養不足や栄養を十分に行き渡らせることができないのでひびができ
治すペースよりも手の応力がかかる負担が大きい為、
ひびを修復することができずに悪化してあかぎれになってしまうということです。
あかぎれの予防法
1度なってしまうとなかなか治りづらいあかぎれですが、あかぎれにならない為の予防法を3つご紹介します。
ハンドクリームをこまめに塗る
手洗い後や水仕事後など、手の水分が蒸発するときに、肌は最も強く乾燥します。
手についた水分を拭き取るときには、タオルでこするように拭くのではなく、摩擦が生じないよう包み込むように押さえて水分を取ります。
よく水分を拭き取ったら、水分と油分を同時に補給できるハンドクリームを塗りましょう。
手や指に乾燥を感じる前にこまめに塗ることで水分や油分の蒸発を防ぐことができます。
こまめに塗るのが難しい方は、就寝前にハンドクリームを薄くのばし、手袋をはめて眠ると、夜の間に保湿成分が浸透してしっとりした肌になります。
このときハンドクリームをたっぷりつけすぎると肌がふやけたりして逆効果ですのでつけすぎに注意しましょう。
ハンドクリームはビタミンCが入っているものがおすすめです。
肌の弱い方はアルコールフリーや香料の入っていないものを選ぶと良いでしょう。
手洗いや水仕事はぬるま湯で
温かいと感じる温度のお湯では肌の水分も油分も奪ってしまいます。
油で汚れた食器を洗うとき、温かいお湯で洗剤をつけて洗うと油がよく落ちますよね。
肌もこれと同じで、温かいお湯で手洗いや食器洗いなどをすると手の水分も油分も奪われてしまいます。
かと言って真冬に冷たい水のままでは手もかじかんでしまうので、ぬるま湯での手洗いや食器洗いがおすすめです。
水よりも汚れがよく落ち、温かいお湯よりも水分や油分が奪われないので、よく手洗いをする職業の方や主婦の方にも安心です。
ぬるま湯でも乾燥がひどい場合には、水仕事をする際にゴム手袋などをはめると良いでしょう。
血行を良くする
血行不良だと、栄養が十分に行き渡らず、肌が修復する力も弱まってしまいます。
靴下を履く、入浴の際は湯船につかる、体を温める食材を食べるなどして体を温めましょう。
ハンドクリームを塗る際に手や指先をマッサージして血行を促すのも効果的です。
あかぎれを治すにはこれを試してみて
予防していてもあかぎれになってしまったときの対処法を2つご紹介します。
ビタミンEや不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)を摂取する
ビタミンEには、末梢血管への血液量を増やす効果があり、
不飽和脂肪酸(DHAやEPAなど)には、外部からの刺激に強くなり美肌効果があると言われています。
冷えなどによる血行不良で指先まで血液が行かず、栄養を十分に行き渡らせることが難しい状態のときには、
保湿するだけでなく体の内側から栄養を摂りましょう。
ビタミンEはアーモンドやいくら、不飽和脂肪酸は青魚やくるみに多く含まれています。
どれも食べ過ぎは逆効果です。
毎日少量ずつ摂るようにしてください。アーモンドやくるみは塩分過多にならないように食塩不使用のものを選びましょう。
ステロイドを使用する
あまりにあかぎれがひどい場合には、保湿をするだけでは修復しきれないので、ステロイドを使用すると良いでしょう。
ステロイドと聞くと抵抗のある方もいらっしゃるかと思いますが
自己判断で塗ったりやめたりするのではなく、きちんと皮膚科医などの医師の指示に従って使用することで高い効果が得られます。
まずは皮膚科で相談し、使い方をよく確認してください。
病院でよく処方される薬としては「アンテベート軟膏」があります。
「アンテベート軟膏」については以下の記事を参考にしてみて下さい。
【関連記事】
アンテベート軟膏の強さは?顔にも使いたいけど危険か心配
まとめ
以上、あかぎれの原因や予防法、なってしまったときの対処法についてでしたがいかがでしたか?
あかぎれになってしまうと治りにくいので、ひびができてしまった段階で生活習慣や食生活を見直し、いつも以上に保湿を心がけると良いでしょう。
冬の寒さや乾燥にも負けない、しっとり潤った手でいる為には毎日の積み重ねが大切なのです。
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