湿疹の原因はイチゴアレルギーだった!【赤ちゃんに与えても平気?】
<監修薬剤師・食生活アドバイザー 藤沢 淳司>
イチゴは子供から大人まで好きなフルーツの一つです。
そしてイチゴにはカラダに嬉しい栄養成分が沢山含まれていますがイチゴアレルギーを引き起こすことがあるのです。
今回はそんなイチゴの栄養成分とアレルギーについて詳しく解説してゆきます。
気になる所から確認してみよう
イチゴの果肉は実は花
イチゴはバラ科の植物です。その甘さから果物と思われることが多いですが、植物としての分類では野菜となることもあります。
イチゴといえば食する赤い部分が果肉と思われがちですが、実は違うのです。我々が果肉と思っている赤い部分は花托(かたく)と呼びます。
花托は茎が厚くなった部分でそこから花が育ってゆきます。そしてイチゴに特徴的なゴマのようなつぶつぶの部分が果実です。
イチゴはビタミンCの宝庫です
ビタミンCが豊富
野菜や果物にはビタミンが豊富に含まれています。イチゴに含まれるビタミンのうち約70%がビタミンCです。
ビタミンCは我々が生きてゆく上で欠かせないビタミンの一つで、鉄分やカルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルの吸収を助けます。
イチゴの甘味の素、キシリトールとは?
キシリトールは糖の一種で天然の甘味料です。
糖には様々な種類があり、我々が料理やコーヒーなどによく利用しているいわゆる「砂糖」はスクロースとよばれています。
キシリトールはスクロースと甘さの程度は同じですが、カロリーはキシリトールの方が低いといわれています。
細胞を作る葉酸
葉酸はビタミンの一つで、我々の体の細胞にとって欠かせない栄養素です。細胞の中のDNAを作り出すために必要です。
必須元素であるマグネシウム
必須元素とはナトリウムやカルシウムなど人が生きてゆく上で欠かせない成分です。
マグネシウムは人体において骨や歯を作り出す重要な成分です。最近では健康食品としてサプリメントなどでも販売されています。
イチゴを食べて美しく健康に!
貧血を予防、改善する
貧血の症状はめまいや立ちくらみで、鉄分が不足する事によって起こる貧血を「鉄欠乏性貧血」と呼びます。
貧血には様々な種類がありますが、鉄欠乏性貧血は最も起こりやすく、特に生理のある女性に多い病気です。
また鉄欠乏性貧血は食事の偏りや栄養不足が原因でもあります。
効率良く鉄分を補充するには、吸収率を高めてくれるビタミンCも一緒に摂るといいでしょう。
イチゴはビタミンCが豊富なので、食事からの鉄分を上手く吸収させてくれるので鉄欠乏性貧血の予防に繋がるのです。
コラーゲンで美肌に
ビタミンCはコラーゲンを作り出すために必要です。コラーゲンは皮膚の潤いやハリを保つ大切な成分です。
イチゴは手軽に美味しくビタミンCを摂ることができるので、美肌に効果的です。
イチゴは骨折を予防する?
普段の若い方では、よほどの強い衝撃がない限り、骨折する事はありません。
骨が脆くなりちょっとの衝撃で骨折する病気が骨粗鬆症です。特に高齢の女性に多い病気です。
普段、我々の骨は時間が経つとボロボロになる為、特殊な細胞が古い骨を削り取り、そこから再び新しい骨が出来てゆきます。
高齢の方では骨を削るスピードに再生するスピードが追いつかない為、骨が脆くなってしまい、骨折しやすくなります。
マグネシウムが不足することで骨粗鬆症になりやすいといわれています。
イチゴにはマグネシウムが多く含まれているので骨粗鬆症の予防の方法の一つになります。
虫歯を予防できる
キシリトールは虫歯の予防効果がフィンランドの研究で分かっています。
虫歯の原因菌の一つにストレプトコックス・ミュータンスという菌が存在します。
イチゴに含まれるキシリトールはミュータンス菌の増殖を防ぐ為、虫歯に効果的といわれています。
イチゴアレルギー症状の第1位は湿疹
アレルギーとは
アレルギーとは体の防御反応の一つです。アレルギーにはいわゆる蕁麻疹や花粉症、喘息等があります。
アレルギーの症状として主にブツブツによる湿疹や皮膚のかゆみ、鼻水や息苦しさがあります。
イチゴでなぜアレルギーが起こる?
食物アレルギーは食物に含まれる成分が原因です。例えばそばアレルギーであればそばに多く含まれるタンパク質が原因です。
イチゴアレルギーの場合はイチゴが花粉に似ている成分を持っていることから、アレルギーが起こります。
口腔アレルギー症候群とは?
イチゴアレルギーに多いアレルギーに口腔アレルギー症候群があります。
口腔アレルギー症候群は花粉アレルギー症候群とも呼ばれ、口やのどのかゆみ、吐き気や胃の不調などの症状を呈します。
このような症状はアレルギーの原因となる食物を口に含んだ瞬間に起こることが多いです。
特に恐ろしいアナフィラキシーとは?
アナフィラキシーとは症状が重度になるアレルギー症状です。
原因となるアレルゲンを摂取してから30分以内に発症することが多く、通常のアレルギー反応のじんま疹や腹痛や嘔吐、そして息苦しさなどの症状が特にひどい状態になります。
さらに重度の場合は、意識混濁や意識消失が起こり、これをアナフィラキシーショックと呼びます。
アナフィラキシーショックでは最悪の場合、死亡するケースもあるため、いつもと違う症状が出た時は救急車を呼び早急な処置をしてもらうことが大切です。
赤ちゃんにイチゴを食べさせても大丈夫?
赤ちゃんにイチゴを食べさせることは絶対にダメということはありません。生後5、6ヵ月の離乳食が始まる時からイチゴを食べることができます。
イチゴにはビタミンCや虫歯の予防に効果的なキシリトールが含まれているので、これから成長してゆく赤ちゃんにはぴったりです。
気になるとこではイチゴによるアレルギーですが、口腔アレルギーであれば15分位に口周りの湿疹が起り、赤ちゃんが不機嫌になったりします。
初めてイチゴを与える場合は少量から様子を観察しながら与えましょう。
赤ちゃんはのどごしの良いものを好むため、イチゴのつぶつぶを裏ごしして与えた方が良いです。
イチゴアレルギーと合わせて注意したい3つのアレルギー
イチゴと同じバラ科の果物に注意
イチゴでアレルギーが起こる人は同じバラ科の他の果物で起こる場合があります。イチゴと同じバラ科のリンゴやもも、さくらんぼやアーモンドなどがあります。
果物によるアレルギーは生食で起こる場合が多いです。
バラ科の果物は加熱加工することでアレルギーの原因となるタンパク質が壊れることでアレルギーが起こりにくくなるといわれています。
シラカバ花粉症の人は果実アレルギーを起こしやすい?
シラカバは北海道に多くみられる樹木です。シラカバにもスギ花粉と同じく花粉症となることがあります。
シラカバ花粉症の人はバラ科の果物でもアレルギーを起こしやすいです。バラ科だけでなくマタタビ科のキウイでもアレルギーが起こる場合があります。
ゴムアレルギーの人は果物でもアレルギーを起こす?
ゴムアレルギーは別名ラテックスアレルギーと呼ばれています。
ラテックスアレルギーの人の大部分は特定の果物でアレルギーを引き起こすとされており、アレルギーを起こしやすい果物はキウイやバナナ、アボカド、マンゴー、モモ、パイナップル等です。
イチゴの栄養成分とアレルギーについて解説しました。
イチゴはビタミンなどの栄養が豊富で通年食べられるのでアレルギーに気をつけて是非健康に取り入れたいですね。
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