突然の蕁麻疹!チーズアレルギーの症状を解説【原因も詳しく解説】
<監修食生活アドバイザー 藤沢 淳司>
ピザのトッピングやワインのお供といえばチーズですね。チーズは古くから世界中で食べられている乳製品の代表です。
チーズは美味しいだけでなく、その含まれている成分には体にとって嬉しい効果がたくさんあります。
しかし、人によってはチーズアレルギーというチーズを食べることを制限される方もいます。
今回はチーズの嬉しい効果とチーズアレルギーについて解説します。
気になる所から確認してみよう
チーズがどんな食べ物か意外に知らない?!
チーズは牛以外にもヤギや羊などの乳から作られる発酵食品です。
チーズの歴史は深く、その発祥の地はヨーロッパや中東、中央アジアともいわれています。日本では明治時代以降に普及してきました。
チーズは栄養素の宝庫だった
タンパク質が豊富
チーズの22%~28%はタンパク質です。タンパク質は人にとって筋肉や血液の素となる重要な栄養源です。
タンパク質はアミノ酸から出来ています。アミノ酸は思考や集中するのに重要な成分です。
ミネラルが豊富
ミネラルとはカルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムなどの無機塩類と呼ばれるものです。
カルシウムは骨の素となるミネラルです。リンも骨の素となる成分で他にも遺伝子のDNAを構成する成分にもなります。
鉄は血液にとって重要な成分である赤血球の素となります。赤血球は酸素を全身へ運ぶ役割を担っています。
ナトリウム、カリウムは心臓を収縮するのに関わったり、体内の水分のバランスを整える働きを担っています。
ビタミンが豊富
チーズにはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12が含まれています。
ビタミンAは視神経の伝達に関わっており、目にとって重要なビタミンです。
ビタミンB1は食事中の糖分からエネルギーを産生する際に使われるビタミンです。
ビタミンB2は皮膚や粘膜にとって重要な成分になります。また糖質、脂質、タンパク質からエネルギーを産生する際にも使われます。
ビタミンB12は細胞や遺伝子にとって重要なDNAが作り出される際に利用されます。
チーズにはビタミンCが含まれていないので、ビタミンCを豊富に含む野菜や果物との組み合わせが効果的です。
驚きのチーズの健康効果3選
骨折の予防に有効
骨粗鬆症は骨が脆くなり骨折しやすくなる病気です。骨は古い骨が削られ、新しい骨が作られるといったサイクルを繰り返しています。
骨粗鬆症では古い骨を削る機能の方が新しい骨を作る機能を上回るせいで骨がスカスカになってしまいます。
骨粗鬆症では骨折の予防の為に薬が処方されますが他にも適度な運動により骨を強くしたり、食事からカルシウムを摂ることが推奨されています。
その為、カルシウムを豊富に含むチーズは骨粗鬆症による骨折予防には最適なのです。
ダイエットに効果的
こってり濃厚なチーズはカロリーが高くダイエットには向かないと思われがちです。実はチーズは摂りすぎなければカロリーはそれほど高くありません。
チーズに含まれる豊富なタンパク質は筋肉の素となります。筋肉をつけることで基礎代謝が上昇し、日常生活でのカロリー消費が大きくなり痩せやすい体となります。
程よく筋肉がつき引き締まった体を手に入れるためにはタンパク質が必要です。
チーズで賢くなる?
チーズには集中力を高めるアミノ酸の他にレシチンという脂質が含まれています。レシチンは脳の活性化の作用が期待されています。
突然の蕁麻疹はチーズアレルギー?主な3つの症状
蕁麻疹は食べ物だけに起こる?
蕁麻疹は15~20%の人が一生に1度は経験するといわれています。蕁麻疹の大部分は食べ物や薬などのアレルゲンによるアレルギー反応です。
チーズアレルギーはチーズの原料である乳に含まれているカゼインが原因で起こります。その為、チーズアレルギーの人は牛乳アレルギーでもある事が多いです。
食べ物や薬によるアレルギー反応以外にも感染症や運動、気温による暑さ、寒さや日光によっても起こります。
蕁麻疹の皮膚症状の特徴は?
蕁麻疹の症状でよく知られているのが痒みです。また蕁麻疹は別名で「ミミズ腫れ」とも言われており、皮膚が赤く腫れます。
蕁麻疹の皮膚症状が出やすいのは顔面や口唇、四肢、性器です。
蕁麻疹には症状が6週間未満で終わる急性蕁麻疹と6週間以上続く慢性蕁麻疹とに分けられます。急性蕁麻疹を起こす人の方が慢性に比べて多いです。
痒いだけじゃない蕁麻疹の症状
蕁麻疹では痒み以外にも顔面や舌が腫れることもあります。
喉や舌が腫れてしまった場合は、口から肺への空気の通り道である気道を塞いでしまい、重度の場合では意識低下や命の危険すら及ぼす事もあるのです。
このように重度の蕁麻疹では脈が遅くなる徐脈や、逆に速くなる頻脈が無いかなどのバイタルサインを測定します。またドライアイや口の乾きも起こります。
チーズアレルギーと乳糖不耐症は別物
チーズアレルギーや牛乳アレルギーに似ている病気に乳糖不耐症があります。
チーズアレルギーの原因がタンパク質のカゼインに対し乳糖不耐症の原因は乳糖と呼ばれるラクトースという乳製品に含まれる糖分です。
チーズアレルギーはカゼインによるアレルギー反応ですが、乳糖不耐症は本来体の中で分解されるはずの乳糖が分解されないことによって下痢やお腹のけいれんを引き起こします。
乳糖が体の中で分解されないのは本来ではあれば乳糖を分解する働きをもつ乳糖分解酵素(ラクターゼ)が欠損している為です。
乳糖不耐症の人は乳糖を含む食品を摂取すると通常では30分~2時間位で急激に腹痛や便意が生じます。
乳糖不耐症の場合は市販で錠剤や液剤に乳糖分解酵素を含むものがありますので、それを使用することでチーズなどの乳製品を食べることができます、また乳糖を減らした牛乳等も販売されています。
チーズアレルギーは成長と共に治りやすい
チーズアレルギーなどの乳製品アレルギーは成長とともに起こりにくいアレルギーです。
具体的には3歳までにアレルギーを発症した場合でも3歳以降にはその50%の子供がアレルギーを発症しなくなり、更に6歳位になると80%の子供がアレルギー反応を起こしにくいとされています。
他にも鶏卵や小麦アレルギーも同様に成長するにつれて起こりにくくなります。
逆にそばやカニなどのアレルギーは成長しても治りにくいとされています。
アレルギーが治っているかどうか調べるには特異的IgE抗体検査を行うことがあります。
IgE抗体は血液中に存在するアレルギー反応を引き起こす抗体です。IgE抗体はそれぞれ食べ物などの特定のアレルゲンに反応することによってアレルギー反応を引き起こします。
アレルゲンに対するIgE抗体の量を調べることでそのアレルゲンに対してアレルギーがあるのか調べる事ができます。
この特異的アレルギー反応だけで食べ物アレルギーかどうか決定する訳ではありません。他にも様々な検査などを経てアレルギーかどうか決定されるのです。
また実際に乳児期にアレルギーを引き起こした食べ物を成長してかり食べてアレルギーが起こらないかどうか調べる食物負荷試験も行われます。
チーズの健康効果とチーズアレルギーについて解説しました。骨をつくるカルシウムや集中力を高めてくれる為、育ち盛りや勉強盛りのお子さんには是非食べて欲しい食品です。
チーズアレルギーなどの乳製品アレルギーは乳児期にあっても次第に治っている場合があるので検査などでしっかり確認してから摂取するようにしましょう。
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