紅麹の4つの効果をご存知?【胃や肝臓に副作用が起こる可能性も】
<監修薬剤師 藤沢 淳司>
最近麹という言葉を耳にする機会が以前に増して増えたと思います。塩麹や酒粕などが注目されてきたからです。その中で紅麹というのは聞いたことがあるでしょうか。
古くから様々な用途に使用されてきたものであり、近年その効果について注目されています。今回は紅麹というものを紐解くとともに、その効果・効能や副作用についてご紹介したいと思います。
紅麹の正体はコレ!
麹はカビの一種で麹菌の仲間です。糸状菌を米や麦、大豆などの穀類に繁殖させたもので、色によって黄麹菌、黒麹菌、紅麹に分かれます。
沖縄県では黒麹菌を泡盛や豆腐用などに使用しますが、一般的には黄麹菌が広く使われています。酒や味噌、醤油などの発酵食品を作る際に使用されています。
今回ご紹介する紅麹は、鮮やかな紅色をしていることからそのように呼ばれています。紅麹色素は、培養した紅麹カビをプロピレングリコールやエタノールなど水溶性の溶剤で抽出したものです。
アンカフラビン、モナスコルブリンが色素の主成分であり、別名モナスカス色素とも呼ばれています。古くから中国や台湾で漢方薬として重宝され、紹興酒、紅酒、老酒、野菜の漬物、炒めものにも利用されてきました。
また、天然着色料や甘い香りを持つことから着香料としても利用されています。
紅麹の製造方法は、精白米を加水、減菌し、植菌します。黄麹に比べ繊細な菌で、製麹(精白米に紅麹を植えつけて麹を作る)に約1週間もかかります。
また管理も難しく、雑菌などが入りやすいため、しっかりと管理された信頼の置けるメーカーの商品を選ぶことが大切です。
麹には多様な有効成分が含まれており、y-アミノ酪酸(GABA)をはじめ、モナコリン、アセチルコリン、β-シトステロールなどが代表的なものです。体に良い天然成分をバランス良く配合した健康食品としても人気があります。
紅麹を摂取するには食品から摂る方法とサプリメントから摂る方法とがあります。食品は加工肉や水産加工品、アイス、パン、赤飯など様々なものに使用されています。
臨床試験のデータによると紅麹の効果が出るまでに約1〜3か月かかるといわれています。
紅麹の4つの効果
コレステロール値を下げる
モナコリンによりコレステロールの生成が抑制されます。悪玉コレステロール(LDLコレステロール)、総コレステロール、中性脂肪を下げ、善玉コレステロールを上昇させる働きが明らかとなっています。
高コレステロール血症は食事療法に加えて薬物療法が一般的な対処法ですが、スタチン系の薬剤が使われ、それにより筋肉が溶けてしまうような横紋筋融解症や肝障害などの副作用が報告されています。
そこで話題となったのが麹菌です。コレステロールは動脈硬化の原因と言われ生活習慣病や心筋梗塞、脳梗塞など様々な病気の引き金になるため危険なものであるという認識が広くあります。
しかし、コレステロールは体にとって有害なことばかりではありません。副腎で作られるホルモン物質はコレステロールなしでは生成できません。
また日光を浴び体内でビタミンDを生成する際にもコレステロールが必須です。そのため過剰な抑制は危険でもあります。
コレステロールと人体の関わりについてはこちらも参考にして下さい。
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女性が閉経を迎えるとコレステロール値が上昇し、心筋梗塞などのリスクが高まるため、閉経期に摂取するのはオススメです。
紅麹の有効成分は体内に蓄積されないため継続的に摂取することがポイントです。またコレステロールは睡眠中に肝臓で合成されるため就寝前の摂取が効果的です。
血圧を下げる
神経伝達物質であるy-アミノ酪酸(GABA)により血圧降下効果があります。
これは厚生労働省の外部団体である(財)日本健康栄養食品協会より特定保健用食品(トクホ)の関与する成分に認められています。
不必要な場合には過剰な血圧低下を起こさないことが確認されています。これにより血管や心臓の負担が軽減されます。
ストレス軽減
神経伝達物質であるy-アミノ酪酸(GABA)によりリラックス効果が期待できます。
胃を健やかに保つ
古くから漢方薬として利用されており、その効能は消化を助ける、血の巡りを良くする、内臓を強化し胃を健やかに保つことなどが認められています。
胃や肝臓に負担?!4つの副作用
胃腸の不調
胃部不快感や胸焼けなどの胸部不快感、腸内ガスがたまるなどの胃腸の不調症状が報告されています。
痛みやめまい感
頭痛や筋肉痛などの痛みを感じることがあります。
肝機能障害
サプリメントでの摂取は特に肝臓に負担がかかりやすいため、もともと肝臓が弱い方は注意が必要です。
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禁忌
18歳以下の安全性については科学的根拠が不十分であるため経口摂取は危険性が示唆されています。
また妊娠中の摂取も紅麹の成分であるモナコリンが胎児の骨格の催奇形性を引き起こす可能性があるため避けるべきだといわれています。
胎児の成長についてはこちらを参考にして下さい。
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基本的には安全性は確立されていますが、データが不十分なものは注意が必要だと考えられます。
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