結膜炎の保育園登園について【何日後からうつらない?】
<監修視能訓練士 kenkensanta>
突然子どもの目が充血したり、目やにがいつも以上に出ていると不安になりますよね。子どもは大人に比べて意識的に感染を防ぐよう注意しながら生活することが難しく、その分感染の確率も高まります。
感染の当事者になる可能性は常にありますし、結膜炎の中でも感染するものとしないものがあるので、きちんと認識しておくことが必要です。
その目安になるよう以下に結膜炎の症状についてご紹介し、登園・出席停止になるものはおおよその停止期間も含めて解説いたします。
結膜炎の症状
まず結膜とは白目の表面とまぶたの裏側を覆っている薄い膜のことを指します。その役割はゴミなどの異物が眼球の後ろに入り込まないように目を保護することです。
ただ目を開いている間、外気にさらされているため刺激を受けやすく、常に涙で濡れているため細菌やウィルスの繁殖に適した環境状態となっています。
結膜に細菌やウィルスが繁殖したり、異物が侵入し炎症が起きた状態を総称して結膜炎といいます。
症状としては、まぶたの腫れ、まぶたの裏にぶつぶつができる、充血、目やにが増える、かゆみ、異物感を感じ目がゴロゴロした感じ、眩しいなどの症状がみられます。
結膜炎の種類
ウイルス性
ウィルスによるもので、感染の可能性があるものは以下の3種類になります。
✅ 流行性角結膜炎:アデノウィルス
✅ 咽頭結膜炎:アデノウィルス ✅ 急性出血性結膜炎:エンテロウィルス/コクサッキーウィルス |
いずれも感染力が強いので、家庭や学校での集団感染の原因となります。
ウィルス性の結膜炎の特徴として耳の前側に触れると痛みを伴うグリグリした腫れができることが挙げられます。これは、免疫機能を司るリンパ節が腫れるためです。
アデノウイルスについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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流行性角結膜炎
アデノウィルス8型、19型、37型によって起こります。結膜が充血し多量の目やにが出ます。特に目やには起床時にひどく、目が開かなくなるほどです。
涙目になり、まぶたが腫れることもあります。子どもや症状が重い方だと、まぶた裏の結膜に偽膜と呼ばれる白い膜ができ、白目の部分の結膜と癒着を起こすことがあります。
さらに症状が重い場合には黒目の表面の角膜がすりむける角膜びらんを伴い、目がゴロゴロし強い痛みを感じることもあります。
発病から1〜2週間すると、黒目に小さい濁りを生じる点状表層角膜炎が出てくることもあります。眩しさやかすみを感じたりしますが、自然と消えることも多く、ひどい場合にはステロイド点眼薬を使用します。
片目の発症後4,5日後にもう一方の目にも同様の症状が出ます。発病から1週間ほどでピークをむかえ、2〜3週間で治癒します。
くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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咽頭結膜炎
アデノウィルス3型、4型、7型によって起こります。数日間39度前後の発熱が続き、物が飲みこめないほどの喉の痛みが特徴的です。
また風邪同様の全身のだるさや、吐き気や下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。
プールの水を介しての感染が多いため「プール熱」と呼ばれています。発病から10日ほどで軽快しますが、数週間便の中にウィルスが含まれるため、プール許可には時間がかかります。
急性出血性結膜炎
エンテロウイルス70型、コクサッキーA24変異株によって起こります。アデノウイルスによる結膜炎と同症状で1週間くらいで治癒します。
潜伏期間が約1日と非常に短く、はじめのうちは目がとてもゴロゴロします。白目が真っ赤になる結膜下出血を起こすことが特徴的でしたが、最近ではウィルスの性質が変わり、結膜下出血が見られるのは稀になりました。
この結膜炎が流行した当時、月にアポロが初めて着陸したこともあり、別名「アポロ病」とも呼ばれています。
細菌性結膜炎
インフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などによって起こります。結膜が充血し、目やにが出ます。抗生物質が含まれた目薬を点眼することで短期間で治癒します。
ただし淋菌によるものは、進行すると角膜に影響が及び視力低下を起こすこともあります。
アレルギー性結膜炎
花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が結膜に付着することによって起こります。かゆみ、充血、異物感、目やに、涙が出る、まぶたの裏にぶつぶつができるなどの症状が現れます。
花粉症状で特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎、一年中症状がみられるものを通年性アレルギー性結膜炎といいます。
症状が重いものとしては、子どもに多くみられる春季カタル、ソフトコンタクトレンズを使っている方にみられる巨大乳頭結膜炎などがあります。
何日後から登園できるか
ウィルス性の結膜炎で、感染の可能性があるものは原則登園停止となります。感染については学校保健安全法の学校感染症で3種類に分類され定められています。
✅ 第1種:完治するまで登校・登園不可
✅ 第2種:医師の許可が出るまで家庭で安静
✅ 第3種:症状によっては医師の判断で登園可能
第1種に該当する結膜炎はなく、第2種に該当するものが咽頭結膜炎(プール熱)です。これはインフルエンザや風疹などと同等の分類となります。
登園可能となるのは発熱・咽頭および結膜の症状がなくなり2日間が経過してからです。だいたい10日ほどで軽快するためおおよそ2週間ほど登園停止期間があります。登園再開の際、登園許可書が必要になります。
第3種に該当するのが、流行性角結膜炎(はやり目)と急性出血性結膜炎です。流行性角結膜炎は目の充血が消えて目やにがなくなるまでとされています。
治癒するまでに症状の強い人では2~3週間かかる場合もあるのでその間は登園停止となります。急性出血性結膜炎は主治医により感染の恐れがないと認められるまでとされており、約10日間ほど登園停止となります。
いずれも眼科医の許可が必要となります。
医師の診断書についてはこちらを参考にして下さい。
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親が結膜炎にかかった場合
基本的な注意点は子どもも親も同じですが、以下に注意点を挙げておきます。
✅ 目を擦らない(無意識に触れてしまうことをふまえて、眼帯をつけておくとより良いでしょう。)
✅ 手洗いを頻繁に行う
✅ 送り迎えの時間をずらす
✅ 触れたものをその都度消毒する
✅ タオルは必ず非感染者と使い分ける
結膜炎と言ってもその種類は様々であり、症状に応じた治療が必要となるので、早めの眼科受診が必須です。
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