肝臓に悪い食べ物まとめ【糖分が多いコーヒーには注意して!】
<監修医師 WASHIO>
お酒や塩分が肝臓に良くないっていうのは聞いたことがあるのではないでしょうか?でも、日常的に食べている「あの食べ物」にも肝臓に悪影響を与えるものがあるんです。
肝臓が悪くなると引き起こされる病気や肝臓病になった時の改善法など詳しく紹介します。
気になる所から確認してみよう
肝臓が悪くなるとこんな疾患に注意して
「食べ過ぎ」や「アルコール」が原因で引き起こされる
不規則な食生活やアルコールの大量飲酒などによって肝臓に中性脂肪が溜まり、引き起こされる「脂肪肝」。脂肪肝は肝臓病の中では初期段階であり、比較的軽いものであるため生活習慣によって改善するものが多いようです。
近年、「脂肪肝とメタボリックシンドローム」との関係や「肝機能とコレステロール値」の関係も指摘されています。また極端な食事制限を行った場合にも「低栄養脂肪肝」という脂肪肝を発症することがあります。
脂肪肝は初期段階で治療を行わず放っておくと、肝機能がさらに低下し「肝炎」や「肝硬変」、さらには「肝臓がん」にまで至るケースもあります。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、痛みや苦痛に耐えてしまうためほとんど自覚症状を感じないまま症状が進行してしまいます。
「がん」という最悪の事態を防ぐためにも、肝機能検査などで「脂肪肝」などの異常が見つかった場合は、自己判断せず速やかに医療機関を受診し専門家の指示に従い生活習慣を改めることが重要です。
また日頃からセルフチェックを行うことで、早期発見が期待できます。
肝炎
「肝炎ウイルス」に感染することが原因で発症する肝機能障害で、黄疸・食欲不振・吐き気・嘔吐・だるさ・発熱・意識がぼんやりする、などの症状が現れます。
肝炎ウイルスは「A」、「B」、「C」、「D」、「E」型の5種類が確認されていますが、日本では主に「A」、「B」、「C」型が多くみられます。
肝炎は、「慢性化や劇症化」する場合があるため、がんに進行する可能性もあります。異常を感じたら早めに受診しましょう。また、一般的な日常生活で、他者に感染することはありません。
肝硬変
その名の通り「肝臓の表面が硬くなる」病気です。これらの症状が現れた時点で、肝臓の機能を果たせなくなっていることが多く、自覚症状がないまま進行してしまう確率が高いのが特徴です。
初期症状として、「だるさ・疲れやすさ・食欲不振」、があり進行すると、「手の震え・白眼や皮膚の黄疸・掌の赤み・腹水」、などの症状が現れます。
少しでも肝硬変の疑いがあるのであれば早めに医療機関を受診しましょう。
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肝臓がん
肝臓がんには肝臓にできた「原発性肝がん」と「転移性のがん」などの様々な種類があります。原発性肝がんは「肝細胞がん」と「胆管細胞がん」の2種類に分けられ日本人の90%は肝細胞がんだといわれています。
肝臓がんは主に肝炎から発症し、「B」、「C」型の肝炎からガンに進行することが多くなります。
これらは進行すると、「腹部にしこり・圧迫感・痛み・張り」を感じ、ガンが破裂すると「激痛・血圧の急激な低下」を引き起こします。女性よりも男性の死亡率が高く、女性の2~3倍になります。
肝臓に悪い食べ物まとめ
脂質の多く含まれるもの
脂質を多く含む食品は肝臓に大きな負担をかけてしまいます。脂質の中で最も「中性脂肪」となり体内に蓄積されやすいのは「動物性脂肪」です。
ただし、これらの脂質を全くとらないと栄養バランスが崩れてしまうので「植物性脂肪」とバランス良く取ることを心掛けましょう。
✅牛肉・豚肉・・・特に脂身の多い部分は脂質が多いので注意しましょう。
✅バター・クリームなどの乳製品・・・乳製品の中でもチーズは中性脂肪を下げる効果があります。
チーズの効能についてはこちらを参考にして下さい。
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糖質を多く含むもの
砂糖の主成分である「ショ糖」は「中性脂肪」を作る原因になります。そのため糖質の多い食品は「肝臓にとってよくない食べ物」と言えます。
✅菓子類・・・クリームやバターを多く使用する洋菓子・砂糖を多く使用する飴・アイスクリーム、などが挙げられます。
✅果物やドライフルーツ・・・特にバナナ・パイナップル・ブドウは糖分が高いので注意しましょう。ドライフルーツも生の果物に対して糖質が非常に高くなります。
✅パン・・・特にデニッシュや菓子パンなどは精製された小麦以外にも脂質や糖質を多く含みます。
✅白米・・・玄米を精製して作った白米は「中性脂肪」に変わりやすい食品です。
揚げもの
揚げものは油を多く使用します。種類にもよりますが、油には肝臓に負担をかける「トランス脂肪酸」や「過酸化脂質」が多く含まれています。
エネルギー量も高いのでもし使用するのであれば、「オリーブオイル」や「ごま油」を使用することをおすすめします。
トランス脂肪酸についてはこちらを参考にして下さい。
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アルコール
上記の食品の過剰摂取によって中性脂肪が増加し蓄積されてしまいますが、アルコールの摂取することでも肝臓に中性脂肪が蓄積されます。
アルコールは少量なら脂肪分が細胞に分配されるのですが、大量に飲酒する人はその機能が追い付かずに中性脂肪となって蓄積されてしまいます。アルコールを飲んだら同量の水分を摂るなどの工夫が必要です。
サプリメントや薬
食事で十分な栄養を摂れていない場合、サプリメントを利用している人も多いのではないでしょうか?
しかし「サプリメントや薬」はあくまでも人工的な添加物であり、それを日常的に大量に摂取することで分解する肝臓に大きな負担がかかります。
健康のために摂取しているサプリメントなどが原因で健康を害している場合もあります。
これは漢方などにも言えることなので、できる限り栄養は食事から摂るように工夫し、「どうしても栄養が補えない!」という時の対策用としてだけサプリメントなどを使うようにしたいですね。
食品添加物
加工食品やコンビニのお弁当などには多くに食品添加物が含まれています。添加物の中には摂取すると中性脂肪を増やすものもあるので注意しましょう。
またインスタント食品やファストフードにも多くの食品添加物・脂質・糖質が含まれているので日常的にたくさん食べるのは避けましょう。
上記に挙げた食品は「絶対食べてはいけない!」という訳ではなく、偏らずに「適量」を「バランス良く」食べることが重要になります。
糖分のコーヒーも肝臓に良くないの?
内臓の中で唯一「解毒能力」がある肝臓ですが、現代社会における添加物や化学物質の多い食習慣によって肝臓は疲弊してしまっています。
朝起きた時や仕事の気分転換にコ―ヒ―を飲む方も多いと思いますが、実は「コーヒーも肝臓に悪影響を与える」といわれています。
全てのコーヒーが肝臓に負担をかけるわけではありません。しかしコーヒーの鮮度によってプラスに作用するか、マイナスに作用するかは大きく変わってきます。
なぜ鮮度が重要になるのかというと、紅茶や緑茶のように茶葉を熱で蒸した後で乾燥させるのであれば長期保存が可能になります。
それに比べてコーヒーは焙煎したあと数日で油脂の酸化が始まるため長期保存ができません。それにもかかわらず一般に流通しているコーヒーの賞味期限は数カ月から一年程度のものが多くなっています。
コーヒーに含まれる油脂は肝臓の働きを助けます。しかし焙煎して数日がたったコーヒーの油脂は酸化が始まり「過酸化油脂」の状態になります。
過酸化油脂は体内に蓄積されると様々な病気の原因になってしまうため分解する必要があります。その作業は肝臓に大きな負担となりさらに疲弊させてしまいます。
コーヒーを飲んで胃がもたれたり、気分が悪くなってしまう人は「自分は胃が弱いから・・・」と思っているかもしれませんが、実は酸化したコーヒーを飲んでいるので「もたれたり、気持ち得悪くなって当然」なんです。
でも市販のコーヒーを飲んでも全く平気な人もいますよね。これは「感覚鈍麻タイプ」であるといえます。
このタイプの人は酸化した油が身体に悪いことが分からなかったり、質の悪い食材でも平気で食べてしまいますが、それらを処理する肝臓はかなりの負担がかかってしまいます。
またコーヒーに含まれる成分には「クロロゲン酸」というものがあり、これはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり肝臓の働きを助けてくれます。
しかし、クロロゲン酸には金属と結び付く「キナート作用」があり、特に「鉄」・「銅」・「アルミニウム」と結合しやすい性質があります。
キナート作用によってアルミ缶性の缶コーヒーはクロロゲン酸とアルミニウムが結合してしまい、体内にアルミニウムを摂りこんでしまう危険性があります。それに加えて缶コーヒーなどは糖質が多く含まれています。
そのため缶コーヒーを過剰摂取すると「高血糖状態」になる可能性があります。
コーヒーは水分補給のために飲むのではなく、「新鮮なものを少量味わう」くらいが肝臓に負担がかからずおすすめです。
コーヒーと体調の関係についてはこちらも参考にして下さい。
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肝臓の病気の改善方法
食事療法
深刻な肝臓疾患を引き起こす原因である「脂肪肝」ですが、その「脂肪肝」の原因は「肥満」・「アルコール」・「糖尿病」の3つになります。
このうちの肥満は食べ過ぎや偏食、運動不足などによるもので、病院で薬を処方されなくても原因となっている生活習慣の改善で症状が大きく改善することがほとんどです。
もちろん禁酒は欠かせません。もともと糖尿病や高脂血症がある人は原因となっている病気の治療も必要です。
*肝臓病改善のための食事療法*
✅「体重に見合った食事を3食、同じ量」ずつ食べる。
✅基礎食品群から「品数を多く、少量ずつ」を食べる。 ✅塩分を摂りすぎない ✅油は上手に使う (オリーブオイルやごま油を少量使う) ✅ゆっくり・良く噛んで・食後は休む ✅糖質の多いものを食べ過ぎない |
*肝臓に良いといわれる食材*
にんにく・牡蠣・納豆・しじみ・ごま、リンゴ・玉ねぎ・芽キャベツ、など
有酸素運動などを行い生活習慣を改善
カロリーを抑えた食事療法と軽い有酸素運動を行うことで効果が高まります。今まで全く運動をしていなかった人は、身体に負担にならない散歩などから始めるとよいでしょう。
ある程度慣れてきたら、水泳やジョギングなどを一定の時間続けるとより効果が期待できます。肝臓内に溜まっていた脂肪が運動によって減りやすくなる上、筋肉には弱った肝臓の代わりに働いてくれる作用があります。
食事療法や運動に加えて、不規則な生活を見直すなどの生活習慣の改善も重要になります。
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