首の後ろが痛い4つの原因!この病気に注意して!
<監修医師 田中 恵文>
首の後ろが痛い…いつもの肩こり、首こりと思っていたらとんでもない病気が隠れていたなんてことも!
よくある症状から危険な難病まで、簡単な対処法から受診すべき病院(科)まで、身近で実は危険な首の痛みについてお話します。
首の後ろが痛い原因
疲労・ストレス・ウイルスなど一般的な原因
一番一般的な首の痛み後ろ側の症状に頚肩腕症候群があります。
いわゆる肩こり・首の痛み、ひどくなると頭痛、吐き気、等がします。
女性に多いとされるこれらの症状は筋肉量が少ない方が症状が出やすいといえます。
首の後ろでも、首の骨の脇から側面の筋が特に痛みます。頭の付け根から側頭部に広がり頭痛に発展していくケースが多いです。
原因は様々で、長時間同じ姿勢でのデスクワークや、PC・スマホ使用等による眼精疲労、腕の疲れなどです。
仕事上のデスクワークは避けられないと思いますので、仕事中なるべく席を立つ機会を作るようにしたりストレッチで筋肉を緩めるといいでしょう。
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首の右側・左側だけ痛いという人は片側にだけ負担がかかっているケースがあります。
治し方の一例としてTVやデスクトップの画面、マウスの配置を変えると改善する例があります。
全部身体を右向きにしないと操作できない。など極端な場合はわかりやすいと思います。
自分の生活をよくよく観察しましょう。ストレスからくるもので、うつ病など精神疾患から首の痛みを生じる事もあります。
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リンパ
首の後ろにはリンパ節と呼ばれるリンパの集合体があります。首と頭の境目から耳の後ろに分布する頚部リンパ節に原因があり首の後ろが痛むことがあります。
一つ目の原因は体内に侵入した細菌やウイルスと免疫系(リンパ球)が戦っている時に起こる正常な反応です。
しこりが出来たように感じ、触ると痛み・発熱があります。二つ目の原因は、リンパのがんである悪性リンパ腫です。
自覚症状が出にくく転移もしやすいため危険です。しこりがだんだんと大きくなっていたりに、弾力性がなく触っても動きにくいのが特徴です。
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触りな慣れていないと判別が難しいので自己判断に頼り切る事はせず、医師の診察を受けましょう。
また、風邪で熱が出てリンパが腫れている時は数日すると腫れが引いてくることがほとんどですので目安にしてください。
子供に多いおたふくかぜでもリンパが腫れる場合があり、耳の後ろから首にかけてが痛みます。
首の前面にしこりや腫れを感じる時は甲状腺の病気が疑われます。
首の痛み以外では、全身のだるさは、暑がり(寒がりに)になった、イライラしやすい、大人しくしていても心臓がどきどきする、目が飛び出してくる、などです。
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頸椎(首の骨)
首の骨が原因で起こるものは、首の後ろの痛みに加えて、手足のしびれを伴うものが多いといえます。
骨と骨の間にある椎間板というクッションの役目をする軟骨があります。
この椎間板がつぶれて内容物が外側に飛び出てしまった状態を椎間板ヘルニアといいます。
椎間板ヘルニアは頸椎だけでなく、胸椎、腰椎でも起こる可能性があります。
急性症状が起きたときには起き上がれない程激痛が走ることもあります。
飛び出した椎間板が神経を圧迫すると手足のしびれが起こります。
脊柱管は背骨、椎間板、関節、靭帯などで囲まれた脊髄の神経が通る管です。
脊柱管が何らかの原因で狭くなってしまう脊柱管狭窄症も手足のしびれと首の痛みを伴います。
脊髄腫瘍という脊柱(脊椎)の中にある脊髄の腫瘍の場合にも首の痛みから手のしびれがあります。
高血圧
高血圧の方で注意が必要なのが、脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血)などの脳の血管が詰まったりやぶれて出血する時にも、首の痛み・肩こり・頭痛がる事です。
急に激しい痛みに襲われ、気持ち悪い、ろれつが回らない、物が二重にみえる、吐き気がする等が前兆とされます。一刻を争います、救急車を呼びましょう。
そこまで切迫した症状はないにしても、高血圧の方は首の痛みに悩まされるケースが多く、生活が不規則であったり、強いストレスにさらされている等の原因が考えられます。
首が痛い病気・症状
疲労・ストレス・ウイルスなど一般的な原因
1. 頚肩腕症候群
肩から首にかけて痛みがある。仕事環境や生活環境を変えて改善する事が多い。
2. うつ
憂鬱な気分、興味や喜びが起こらない、食欲の減衰や増加、睡眠障害、精神運動の障害(非常に強い焦り、身体の動きが遅くなる)、疲れやすさと気力がない、自分を責める、思考力や集中力の低下、肩と首の痛み。
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3. 寝違え
朝起きたら、首が回らなくなっていた、首を動かすと痛み、枕があってないこともある。1日~3日で治る。
リンパが関係するもの
1. 悪性リンパ腫
リンパ節の腫れ・しこり、痛み、発熱、全身がだるい、寝汗が多い、体重が減少した、かゆみがある。
2. 口内炎
口の中にいる常在菌が口内炎から侵入しリンパ節に入り込む。症状は口の中に炎症が出来て痛い。リンパの腫れ。
3. 虫歯
虫歯から細菌がリンパ節に入り込む。リンパの腫れ、痛み。
頸椎(首の骨)が原因の病気
1. 椎間板ヘルニア
肩や腕、首、脚に痛みとしびれ、足のもつれ、歩行障害。
2. 脊柱管狭窄症
立っている、後ろに沿った時、座っている寝ている、前かがみなど、特定の姿勢をしているときにしびれが強くなる。首から、肩、腕にしにれと痛み。
3. 変形性頚椎症
首の骨が加齢などにより変形してしまった状態。
首、肩のこり、背部痛、神経が圧迫されるとしびれを伴う事もある。
4. リウマチ性脊椎炎
自己免疫疾患である関節リウマチに伴う症状の一つ。上を向いたり、下を向いたりするのが難しくなる。首から後頭部にかけて痛みが出る。
5. 脊髄腫瘍
脊髄の細胞が勝手に増殖してしまう状態で、良性(非がん性)と悪性(がん性)のものがあります。
首の痛みや腰の痛み、影響する神経の支配している領域に痛み、腕、脚の痛み・しびれ、運動麻痺、排尿障害。
6. 後縦靭帯・黄色靭帯骨化症
後縦靭帯は脊柱と脊髄の間にある靭帯、黄色靭帯は脊髄の後ろにある靭帯です。
これらの靭帯が骨になってしまう病気。手、脚のしびれ、歩きにくい排尿困難など。
7. 胸郭出口症候群
首からスタートした神経は鎖骨の下を通り、小胸筋の下をくぐり腕につながっています。
このとき鎖骨の下、小胸筋の下に原因があって神経を圧迫することによって起こる症状。首の痛み、頭痛、肩こり、腕と手のしびれ。
8. 側弯症
背骨を正面から見て、左右にS字を描いて曲がってしまう病気。背部痛、肩、首の痛み、しびれ。
高血圧の病気
1. 脳梗塞(脳血栓症・脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血
脳の血管の中で、血の塊が詰まるまたは出血する病気(血栓のでき方や出血の場所で呼び名が変わります)。
手足に力が入らない、めまいがする、激しい頭痛、手・足・身体の半分がしびれる、ろれつが回らない、視界が一時真っ暗になる、ものが二重に見える。
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首の後ろが痛い時は病院で何科を受診すべきか
疲労による症状や首の骨の病気が疑われる場合には、整形外科です。
レントゲンや場合によつてはMRI、CTなどで原因を特定できます。
痛み止めや湿布なども市販薬を闇雲に探すより原因に合わせた処方をしてくれるはずなので、迷う前に相談する事をおすすめします。
ストレス、精神的なものが疑わしいと感じたら、精神科、心療内科です。
首の痛みが際立っている場合には整形外科も一緒に受診しましょう。
風邪や口内炎によるリンパの腫れは数日で治まりますが、早く治したい、仕事が休めず悪化の懸念がある、等の時には内科、口腔外科に相談できます。
悪性リンパ腫の可能性がある時は、血液内科、首のリンパが腫れている時は耳鼻科・耳鼻咽喉科、内科等です。
病気を特定するのが難しいため、一度で確定診断ができる可能性は少ないと思います。
脳梗塞などの心配がありで前述のしょうじょうがある方は、すぐに救急車を呼びましょう。
くどいようですが一刻を争います。それ以外の高血圧症は内科・循環器内科がいいと思います。
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