股関節外旋筋を鍛えるストレッチ法を伝授【大事な役割ご存知?】
<監修柔道整復師 田中惇郎>
股関節外旋筋とはどこの筋肉かわかりますか?股関節と付いているので大体の場所は想像できるかと思います。
今回は、奥深く、なかなか触りにくいので意識しにくい股関節外旋筋のストレッチについて解説していきたいと思います。
股関節の運動
屈曲・伸展
股関節の役割の1つに屈曲・伸展があります。これは、足を前後にふる時の動きです。歩いたり走ったりするときの足のイメージです。
股関節を脱臼した場合の対処方法についてはこちらを参考にして下さい。
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内旋・外旋
つま先、膝が内側を向いたり外側を向いたりする動きです。屈曲・伸展の動きに内旋・外旋の動きが加わることで合理的な動作になります。
立位姿勢、歩行・走行での着地脚のつまさきや膝の向きは、やや外側を向いていることが理想的です。
外転・内転
足が体から離れたり近づいたりする動きです。重心が支持脚の方へ移動し、前傾姿勢になります。その後、反対の脚へ体重移動していきます。その繰り返しが歩行・走行になります。
股関節外旋筋と関係する筋肉
股関節の外旋に関係する深層外旋6筋とは臀部の深層にあり、股関節の外旋を行う6つの筋肉です。
中臀筋(ちゅうでんきん)
股関節を外転します。そして股関節を僅かに内旋します。中臀筋が弱いと片足立ちをしたときに、グラグラしたり倒れたりします。
梨状筋(りじょうきん)
股関節において、大腿骨を外旋します。股関節における大腿骨の外旋筋ですが、他の筋肉と一緒に働きます。
梨状筋についてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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梨状筋症候群の3つの症状【原因や治療法をわかりやすく解説!】
上双子筋(じょうそうしきん)
坐骨棘や小坐骨切痕を起始部とする上部を上双子筋と言います。股関節で大腿骨を外旋する働きがあります。
上双子筋の触診は非常に困難で、上双子筋のみの判別は殆ど無理に近いです。
下双子筋(かそうしきん)
坐骨結節を起始部とする下部を下双子筋と言います。股関節で大腿骨を外旋する働きがあります。上双子筋と共に股関節に働きかけます。
内閉鎖筋(ないへいさきん)
内閉鎖筋は大腿方形筋と並び強力に股関節外旋に作用する筋です。殿筋群に完全に包み込まれているために触診することはできません。主な作用は股関節の外旋です。
大腿方形筋(大腿方形筋)
大腿方形筋は股関節外旋筋群の中で最も下部に位置して、股関節外旋に協力に作用する筋です。主な作用は股関節の外旋です。
股関節外旋筋には柔軟性が必要
自分の股関節外旋筋に柔軟性があるのかどうか気になりませんか?セルフチェックしてみましょう。
✅太ももと床が平行になるように、椅子に浅く座る。
✅左足のくるぶしを右の膝の上にのせるように置く。 ✅左手で左ひざを下へ押す。 ✅左ひざと右ひざの位置の差で、柔軟性を測定する。 ✅反対側の足も同じようにする |
ひざに痛みがある人はしないでください。左ひざがどれだけ沈むかで評価が決まります。
差が5cm以上あったり、そもそもひざにくるぶしが乗らなかったりする場合は、努力が必要です。
股関節炎を発症した場合はこちらの対処方法を参考にして下さい。
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股関節外旋筋を鍛えるストレッチ法
セルフチェックをして、股関節外旋筋を鍛えたくなっていませんか?では、股関節外旋筋を鍛える3つのストレッチを紹介します。
①
⑴両手を後方につき、ひざを曲げて座る(その時の足は肩幅よりもやや開く)
⑵ この姿勢で、片足ずつひざを内転方向へ動かす(ひざを内側に倒す)
内旋させている側の骨盤が浮かないように注意する
②
⑴できるだけ体に巻きつくように、両足をクロスして座る
⑵その姿勢からひざを抱きかかえて胸側へ引き付ける
③
⑴テニスボールを床に置き、外旋6筋の場所でテニスボールに乗る
⑵この姿勢で、前後左右に揺れる。乗る体重は両手でコントロールする
手順としては、上記となります。少ないのでサラッとこなしてしまいそうですが、少し意識をするだけで効果も変わってきます。
ストレッチをしているときに、何を考えていますか?テレビを見ながらだったり、ぼーっとしながらだったり、ストレッチに集中していたりと、人によって様々です。
ここで、ストレッチをしているときに「今、どこの筋肉が伸びているのかな?」と筋肉の場所を意識しながら取り組んで見ましょう。
最初から意識するのは難しいですが、ストレッチに慣れてくると、自然とどこの筋肉が伸びているのかわかってきます。それらを意識しながら取り組むと効果的です。
ストレッチは30秒くらいずつ行うのが理想ですが、しんどいようなら15秒程度からすすめていくと良いです。徐々に負荷をあげるようにしていくことが大切です。
一気にやると逆効果になることもあるので、自分の体と相談しながらやっていきましょう。
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