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肥厚性鼻炎の原因は慢性鼻炎!【症状から治療までしっかり解説】

<監修医師 豊田早苗>

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風邪の時や花粉症の症状が出やすい時期など、鼻水鼻づまりはだれもが経験したことがあると思います。

 

基本的に鼻の症状は一時的な症状で次第に治まってくるのが普通です。花粉症での症状もアレルゲンとなる花粉の飛散がおさまれば症状は改善します。

 

しかし、中にはいつまでも鼻の症状がすっきりしない、鼻づまりが続くといった方もおられるのではないでしょうか。

 

今回は慢性鼻炎から発症しやすい肥厚性鼻炎について詳しく解説していきます。

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肥厚性鼻炎とは

 

鼻炎とは鼻の中(鼻腔内)の粘膜が炎症を起こした状態をいいます。

 

急性鼻炎は風邪などで一時的に炎症を起こした状態ですが、アレルギーなどで長期間症状が続く場合慢性鼻炎といいます。

 

肥厚性鼻炎慢性鼻炎の一つで、鼻腔にある下鼻甲介の粘膜組織が増殖し肥大する病気です。

 

空気の通り道で、鼻からの空気が最初に当たる部分である下鼻甲介が肥大することで空気の通り道を塞いでしまうため、鼻づまりが強くなります。

 

この鼻づまりは、下鼻甲介の肥大が原因で起こっているためいくら鼻をかんでも解消されません。

 

そのため、鼻呼吸ができなくなり自然と口呼吸となってしまうのです。

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肥厚性鼻炎の特徴的な4つの症状

 

では、肥厚性鼻炎にはどのような症状がみられるのか詳しくみていきます。

 

鼻づまり

鼻づまりは風邪やアレルギーなどでも起きることはありますが、片方ずつ詰まることがほとんどです。

 

横になった時に下側になるほうは鼻が詰まっていても、上側は通っていて、反対を向くと鼻の詰まりも反対になるという経験はありませんか。

 

しかし、肥厚性鼻炎は下鼻甲介が肥大し、空気の通り道を塞ぐことで鼻づまりが起きるため常に両方の鼻が詰まった状態になるのが、通常の鼻炎と大きく違うところです。

 

また、日中よりも就寝時のほうが鼻づまりはひどくなります。

 

これは、自律神経の副交感神経が優位になるため、血管が拡張することで粘膜の肥厚が強まることが原因です。

 

頭痛・めまい

両方の鼻が常に詰まっていると、鼻での呼吸はできなくなります。

 

そのため、自然と口呼吸となってしまうのですが、口はもともと呼吸するための器官ではないため口での呼吸では酸素を十分取り込むことができません。

 

そのため、特に脳が酸欠状態となりやすく頭痛やめまいを引き起こしやすくなります

 

脳の酸欠状態は、思考力も低下しやすくなるため集中力が保てず、ぼんやり過ごすことが増えてしまう原因にもなります。

 

口の渇き

口呼吸となることで、口の中は乾燥しやすくなります。そのため、口腔内は乾きやすく同時にのども乾燥します。

 

通常では、潤っているはずの部位が乾燥してしまっているためウイルスなどが体内に侵入しやすくなり、風邪なども引きやすく扁桃腺も腫れやすい状態となってしまうのです。

 

睡眠障害

鼻での呼吸が出来なくなると、睡眠時の呼吸がうまく出来なくなります。人間は元々鼻呼吸で酸素の取り込みをしています。

 

鼻での呼吸ができないとき、起きている時は意識して口で酸素を取り込むことができますが、眠っている間は無意識での呼吸になるため自然と鼻で呼吸をしようとします。

 

そのため、鼻呼吸ができないと呼吸ができず睡眠時無呼吸症候群を引き起こしたり、口呼吸によっていびきが生じやすくなります。

 

このような状態が続くと、睡眠の質が低下し睡眠障害を引き起こすこともあります。

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口呼吸を侮らないで!5つもあるデメリット

 

肥厚性鼻炎になると鼻呼吸が出来なくなり、口呼吸となってしまうことは分かっていただけたと思います。

 

では、口呼吸となってしまうことで起きてしまうデメリットは何か、詳しく解説していきます。

 

睡眠障害

症状の項目でも説明しましたが、寝ている間に口での呼吸が多くなるとうまく呼吸が出来ずに睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を引き起こしやすくなります。

 

これは、口は元々呼吸するための器官ではなく消化器管であることや、睡眠時の口呼吸は鼻呼吸の時よりものどが狭くなり気道が閉じやすい状況となってしまうことなどが原因と考えられます。

 

虫歯・歯周病

口の中は細菌が多く存在します。口の中を清潔に保つために、唾液はとても大きな役割を持っています。

 

口の中の汚れなどを洗浄する役割や殺菌作用によって細菌の増殖を防ぐ役割があります。

 

口で呼吸すると唾液の分泌が減少し口の中が乾燥します。

 

唾液の減少は口のなかを清潔に保つ機能が低下することと同じであり、虫歯の発生や歯周病の原因になります。

 

口臭

虫歯や歯周病の発生と同じように、口呼吸は唾液が減少し口の中が乾きやすくなります。

 

ウイルスは乾燥を好むため、口の中のウイルスが増えやすい環境や殺菌作用の低下により雑菌も繁殖しやすく口臭の原因になります。

 

風邪をひきやすくなる

鼻呼吸では外からウイルスなどを吸い込んでも、鼻の粘膜や鼻毛などで異物をキャッチし外に出そうとする働きが自然に備わっています。

 

また、鼻呼吸であれば口の中やのど・気管などは適度に潤っている状態のため、ウイルスの増殖をある程度抑えることができます。

 

しかし、口呼吸をしていると口の中やのどは乾燥しウイルスが増えやすい環境となってしまうのです。

 

そのため、口呼吸になっている人は風邪をひきやすい状態になってしまいます。

 

アデノイド顔貌

アデノイドとはのどや鼻の奥にあるリンパです。口呼吸の状態が長く続くと、このアデノイドが大きくなってしまい顔の輪郭や歯並びに悪影響を及ぼします。

 

また、口が開いた状態が続くと鼻や上唇付近の筋肉を使うことが減り筋肉がたるんでくるため、ボーっとした特徴的な顔立ちとなってしまいます。

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慢性化した鼻炎の他にも原因がある

 

肥厚性鼻炎の原因は慢性化した鼻炎によって下鼻甲介の粘膜が増殖・肥大して起こることはお伝えしました。

 

しかし、肥厚性鼻炎は突然発症するわけではなくそれなりの時間がかかります。

 

この粘膜が肥大し鼻の中を塞いでしまう状態になる原因についてお話します。

 

まずは、風邪やアレルギー性鼻炎が長引いて慢性鼻炎へと移行することが考えられます。

 

熱などがなく、鼻水や鼻づまりだけが残っている状態では仕事を休むわけにもいかず、病院にも行きにくくなり症状だけが続くことがあります。

 

そのような状態が長く続くと、副鼻腔炎(蓄膿症)を起こし後鼻漏(鼻水がのどに落ちてくる症状)など不快な症状が出ることもあります。

 

このようにアレルギーなどで病院になかなかいけない場合、鼻づまりを解消するために市販の点鼻薬を使っているかたも多くおられるのではないでしょうか。

 

この市販の点鼻薬には血管を収縮させる作用があり、鼻のうっ血や炎症を抑えるためすぐに鼻づまりを解消してくれます。

 

この血管を収縮させる作用には即効性はありますが、再び血管が拡張すると鼻づまりが起こります。

 

それを抑えるために点鼻薬を使用するという追いかけごっこになります。

 

このように、一日に何度も長期間使用していると血管収縮させる成分の刺激で鼻の粘膜組織が変化し腫れを引き起こします

 

鼻づまりを治そうと使用していた点鼻薬が、逆に鼻を詰まらせる肥厚性鼻炎の原因になるのです。

 

他にも、鼻中隔弯曲症といって鼻の中の左右を仕切っている骨が曲がってしまっている場合があります。

 

程度によって症状は様々ですが、酷くなると狭くなっている方の鼻づまりがひどくなります。

 

また、鼻中隔弯曲症の人はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などにもなりやすいため、慢性鼻炎を引き起こしやすいといえます。

 

また、大気汚染物質などが刺激になり発症することもあるため、環境の影響も原因の一つとなるでしょう。

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早めの検査と治療ですっきりしよう

 

肥厚性鼻炎は耳鼻科でレントゲンやCT検査・内視鏡検査などで診断がつきます。

 

肥厚性鼻炎の状態によって治療法は異なりますが、大きく分けて薬物療法手術療法の2つになります。

 

ごく初期の段階では投薬治療が行われますが、肥厚性鼻炎の状態までなっているとなかなか改善してこないのが現状のようです。

 

市販の点鼻薬の使用で肥厚性鼻炎となってしまった方は、まず点鼻薬の使用を控えていくことから始まります。

 

点鼻薬の種類を市販の物から処方されるものへ変えることも一つの方法です。

 

投薬で改善されることがすくないため、多くの方がレーザー治療を選択します。鼻粘膜をレーザーで焼いて縮める手術となります。

 

手術といっても、短時間で終わり鼻の粘膜に麻酔をするため痛みもほとんどありません。

 

ただ、一回で効果が得られないこともあるので複数回行われることもあります。粘膜を焼くため、花粉症などのアレルギー反応も改善されやすくなります。

 

重度の肥厚性鼻炎の場合には、下鼻甲介粘膜切除術下鼻甲介骨切除術などが行われます。

 

肥厚性鼻炎の原因となる下鼻甲介の肥厚した粘膜を切除したり、下鼻甲介骨が飛び出ている場合には骨を削る手術となります。

 

これらの手術は病院によって、入院の有無が変わってきます。

 

肥厚性鼻炎の原因が鼻中隔弯曲症からきている場合には、鼻中隔矯正術で曲がってしまっている骨を矯正する手術を行うこともあります。

 

治療方法は肥厚性鼻炎となった原因や病状の程度によって選択されるため、まずは早めに受診し主治医と相談するようにしましょう。

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肥厚性鼻炎は4つの予防法でしっかり対策

 

肥厚性鼻炎とならないためにはまずは鼻炎を悪化させないことです。対策方法をそれぞれ解説していきます。

 

鼻炎を長引かせない

肥厚性鼻炎は突然発症するものではありません。肥厚性鼻炎になるには必ず鼻水や鼻づまりなどの急性鼻炎の症状があります。

 

この時点で対策をしておけば、肥厚性鼻炎の状態になることを防ぐことができます。

 

鼻炎になる原因としては風邪やアレルギー・花粉症が主な原因となるのではないでしょうか。

 

自分が何に対してアレルギーを持っているのかを知ることで、アレルゲンをできるだけ除去したり、前もって対策をたてることも出来ます。

 

まずは、早めに受診をし適切な治療を行うことで鼻炎を長期化させないようにしましょう。

 

部屋の掃除

部屋の中に存在するハウスダストカビ・ほこりなどはアレルギー性鼻炎の原因の一つです。

 

部屋の換気や布団を干すなど原因となるものを除去していくことはとても大切です。

 

また、家の掃除をするときにはハウスダストなどを吸い込まないようにマスクを着用したり、空気清浄器を使用するのも効果的です。

 

生活習慣

食生活や生活習慣の乱れは、免疫力の低下につながります。

 

また、不規則な生活が続くとアレルギー症状も引き起こしやすくなるのです。免疫力が低下した状態では、風邪もひきやすくなるため、急性鼻炎になりやすくなります。

 

また、たばこを吸う人もアレルギーを起こしやすくなります。たばこの煙が刺激となるため禁煙するのが望ましいでしょう。

 

ストレス・疲れ

ストレスや疲れを溜めてしまうと、免疫力は低下します。

 

その状況から、睡眠不足など生活習慣にも悪影響を及ぼしてしまうと、風邪などをきっかけに鼻炎をおこした場合治りにくい状態となってしまいます。

 

1日の中で1回はリラックスできる時間を作るように意識しリセットすることはとても大切です。

 

入浴時間などをうまく利用しましょう。また、ストレッチやウォーキングなどで適度に体を動かすことは免疫力を高めるためにも取り入れていきたいですね。

 

今回は肥厚性鼻炎について解説しました。「肥厚性鼻炎」あまり聞きなれない病名ですが、アレルギー性鼻炎のかたをはじめ誰でも起こりうる病気です。

 

鼻炎の症状が続く時には、自己判断で対処するのではなく、耳鼻科を早めに受診し治療していきましょう。

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