鼻血が止まらない。。それは癌などの病気かも!注意して!
<監修医師 豊田早苗>
鼻血が出て30分以上経っても止まる様子がなかったり、3日に一度は鼻血が出るなんてことはありませんか?
それはもしかしたら重大な病気が隠れているかもしれません。
今回は鼻血が止まらないという言葉をキーワードに原因と関連した病気をご紹介します。
気になる所から確認してみよう
鼻血が止まらない。。考えられる病気
鼻血が止まらないという現象に加えて、体にあざができていたり、歯茎などの他の粘膜からの出血はありませんか?
病気が原因の鼻血の場合には、他の粘膜部位や皮膚が薄い場所での毛細血管の破裂が起きている可能性があるので全身状態を確認してみましょう。
一口に鼻といっても、原因が異なる場合もありますのでここでは鼻血というキーワードで考えられる5つの病気について解説します。
鼻中隔側弯症(びちゅうかくわんきょくしょう)
大人の鼻血の原因となるもののひとつに、この病気があります。
鼻中隔(びちゅうかく)は鼻の穴を左右に隔てる壁のことです。
この壁が曲がっていたり、突出している状態を鼻中隔側弯症といいます。
半数以上の大人は多少曲がっていますので特に問題視されません。
しかし、この鼻中隔の彎曲が著しいと呼吸時の鼻腔を通る空気量に左右差が生じますので、左右の鼻腔内の粘膜の厚さに差が出てしまいます。
通気の悪い方は鼻詰まりや、炎症が起きやすい状態になりやすく、外的刺激によって出血することがあるということです。
しかし、鼻中隔側弯症に関しては普通の鼻血と同じなので出血が止まらないということは稀です。
白血病
白血病は血液のがんといわれています。
骨髄の中に白血球数細胞が増加し、正常な造血機能が低下してしまうために出血傾向になってしまう病気です。
鼻血の他、歯茎からの出血、あざができやすいなど特徴的な初見があります。
他の病気と鑑別するには鼻血の他に、異なる部位で出血は生じていないか、もしくは鼻血が出る頻度を把握する必要があります。
鼻血が3日に1度は出る場合や、30分以上出血が続く場合には白血病の可能性もあるので診察を受けましょう。
血友病(けつゆうびょう)
血友病とは血液の凝固成分である血小板が減少し、出血傾向になる病気です。
免疫異常が原因で血小板が壊されてしまうことで、かさぶたになりにくく、かさぶたになっても剥がれるとまた出血し…の繰り返しになってしまいます。
外的刺激に弱く、あざを作りやすい傾向にあります。
こういった病気の場合の鼻血は外的刺激によるものが多いようです。
一度出た鼻血がなかなか止まらない場合には血友病の可能性があるので病院にかかるようにしてください。
肝臓疾患(かんぞうしっかん)
肝臓は造血機能があります。
急性肝炎やアルコール肝炎になると肝臓の造血機能も低下するので血液凝固作用の血小板も減少し、出血傾向になります。
肝臓の疾患をもっていなくても、肝臓が弱くなることによって血小板の数は少なくなっていますので鼻血が出やすくなったり、出血が止まりにくくなります。
肝臓機能が低下している場合には、こういった出血傾向に加え、黄疸(おうだん)といわれる顔が黄色くなる症状が出るので確認してみましょう。
上顎洞がん(じょうがくどうがん)
鼻血が出る原因として癌も考えられます。
癌は全身にできる可能性のある悪性腫瘍ですが、鼻血が出るものとしては上顎洞がんがあります。
上顎洞とは、上顎の奥歯の上にある空洞部分のことを指します。
左右に分岐していて、上顎洞がんの多くは左右どちらかに発生します。
好発年齢は50代~60代、初期症状は少なく、早期発見されない部位です。
片側からの頻繁な鼻血、視力低下や頭痛、人によっては歯痛まで出ることがあり、それらがきっかけで受診する方もいます。
この上顎洞がんは蓄膿症を併発している方が多いとされています。
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ですので、現在蓄膿症と診断されている方で、鼻血が止まらない場合やあまりにも鼻血が出る頻度が高い場合には
こうした病気もあることを踏まえて精密検査をすることをおすすめします。
鼻血が出た時の対処法
真っ赤な血を見るとパニックになってしまうかもしれませんが、慌てずに落ち着いてください。
鼻は細い毛細血管が集まった部位なので、死に至るほどの大量出血は起こしにくい部位です。
まずはどちらから出血しているのかを確認し、衣服などのしめつけるものを緩めます。
顔はうつむきにした状態で、出血している側の鼻を強くつまんでください。
数分から10分程度の圧迫によって止血することができます。
それでも出血が止まらない場合にはティッシュを親指位に丸め、鼻に挿入します。
入口を塞ぐのではなく、あくまで止血が目的なので深く挿入してください。
挿入したらそのまま、顔はうつむいた状態で鼻を強くつまみ止血を待ちましょう。
人によっては血液を見て貧血を起こしてしまうので、その場合には枕などで頭を高くして体を横向きにするようにしましょう。
止血の後のケア
鼻血の多くは圧迫によって止血するので、止血した後はしばらく安静にしましょう。
すぐに動いてしまっては血流が良くなり、鼻血が再発してしまいます。
止血後は無理に鼻をかんだり、いじったりすることはやめましょう。
粘膜に刺激をすることによって鼻血が出ます。
しばらく安静にしても鼻血が止まらない場合には病院にかかるようにしましょう。
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まとめ
一口に鼻血といっても、病気がたくさんあります。
ここでは鼻血というキーワードで起こりうる5つの病気を厳選しご紹介させていただきましたが、実際には鼻血が出る病気はもっとあります。
大人の鼻血は特に病気が隠れている可能性があるので日ごろからの注意が必要です。
3日に1度は鼻血が出る場合や鼻血が止まらない場合には病院に行き、医師の診察を受けるようにしましょう。
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