血便が痛くない8つの原因!【大量に出てるけど大丈夫?】
<監修医師 吉野 聖奈>
大便をしたら便器が血で真っ赤になった!そこまでではないにせよ便に血がついていたらびっくりしますよね。
痔かもしれないけど痛みがないのは、症状が軽いのか?それとも別の悪い病気なんじゃ…と心配になります。
何科の病院に行ったらいいのかと焦ってしまいますね。。
血便の様子は原因によってかなりの違いがあり、今回は8つの原因を取りあげました。
気になる所から確認してみよう
血便が痛くない原因
大腸ポリープ
大腸ポリープは、大腸の粘膜の盛り上がって出来たイボ状のものです。
腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープがあり腫瘍性の場合には、放置しておくとガンになっていしまう可能性があります。
また、子供の血便の中には若年性ポリープによるものもありますが、この場合はガン化する事はありません。
ポリープの表面が、便などにより傷つけられた時に出血し便に混ざって出てきます。食生活の偏りと遺伝的要素が合わさって起こるとされています。
大腸癌
初期には自覚症状が出ないこともあります。少量の血便が継続して出ます。血便には便に鮮血か黒い血液が混ざって出てきます。
血便以外に、貧血、立ちくらみ、残便感、便が細くなる、下痢と便秘を繰り返す、腹痛などの異常も見られます。
内痔核(イボ痔)
肛門の組織が腫れてイボのようになる痔です。進行すると肛門の外にでる脱肛の状態になります。
便秘や食生活が発端で発生する場合が多く、肛門に負担をかけないようにすると予防できます。
刺激物の摂りすぎや激しい力仕事や運動、産後にできる(発覚する)場合もあります。
はじめは、鮮血がぽたぽたと出ますが、進行してくると量が増えていき便器が真っ赤になるような場合もあるようです。
進行大腸癌
大まかに大腸の壁は三層構造になっていますが、粘膜層、粘膜下層、筋肉層から成っています。そのうちの筋肉層までガンが到達したものを進行大腸癌といいます。
出血量が多く、粘液が混じった(または塊で)血便がでます。下痢と便秘が交互に起こるのも特徴です。
直腸癌
大腸は結腸と直腸に分けられます。直腸は肛門に近いところにあります。
大腸癌も結腸癌と直腸癌にわけられますが、原因や治療方法に違いはあまりありません。
女性よりも男性に多い症状で、動物性脂肪分の過剰摂取も原因の一つとされています。血便は、粘液の混じった血便で大量に出る場合もあります。また、残便感が常にあるケースもあります。
潰瘍性大腸炎
大腸に潰瘍ができる病気です。原因は精神的な要因とする説もありますが、はっきりしていません。
粘液が混じった下痢便が続きます。腹痛が起こる場合もあります。
裂肛(切れ痔)
切れ痔による出血にも痛みが出ないパターンがあります。切れ痔の原因の多くは、排便時のいきみや、便が硬いことなどからも起こります。
切れた時に気が付かなければ、何の前触れも無く血便が出たと感じるでしょう。鮮血が便とともに出ます、量は状況により変わります。
胃潰瘍
胃に潰瘍ができる病気で、原因はストレスによる胃酸の出過ぎ、ピロリ菌の影響など、といわれています。血便は黒く、量は少ないでしょう。胃のむかつきや吐き気などの症状もでます。
痛くない血便が出た時の対処法
鮮血で、ぽたぽたと出るまたは大量に出る痛みのない血便は内痔核(いぼ痔)、や切れ痔、がほとんどと考えられます。
ただ、癌である可能性が完全に否定されたわけではありませんし、痔だからと言って放っておいてもいいわけではありません。
実際に内痔核が肛門の外に出る脱肛状態になり、内外痔核に至ると、手術で切り取るしかなくなる場合も出てくるようです。
(切れ痔でも繰り返せば、手術に至るケースがあります。)
粘液と一緒に出て来くる、色が黒い、塊でで来るものは要注意といえそうです。
血液が黒く変色するのは、腸内を通ってくる過程で酸化したり、細菌や酵素による分解を受ける為です。つまり、色が黒いほど肛門から遠いところで出血した可能性が高いのです。
症状が続くか続かないかにかかわらず、一度受診することをおすすめします。というのは、血便がなくなったからといって原因が治まったとは限らないからです。
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原因はずっと前からあって、たまたま何かのきっかけで出血したということも考えられます。ポリープやガンなどが、出血しにくい(便が通る時に接触しにくい)位置に出来ているのだけかもしれません。
検査は、肛門科、消化器科、胃腸科、外科などでできます。
便潜血検査という、便に血液が混じっているかどうかを調べる検査もありますが、「血便がでた」から受診した場合にはまずおこなわないと思います。
直腸がんなど肛門に近い場所にできる原因は触診によって確認し、内視鏡を使って腸内部を検査します。
「カメラを入れる」と聞くと怖い気もしますが、痛みはまったくありません。
血便の原因が何者なのかわからない方がよっぽど怖いかもしれないので、どうか恥ずかしがらずに病院に行きましょう。
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