親知らず抜歯後が痛い!いつまで我慢したら良いのか・・・
<監修医師 みのり>
日本人のほとんどの人に生えていると言われる親知らずですが、抜歯後はとにかく痛くて通常の生活を送るのが困難な場合もあるほどですよね。
今回は、抜歯をした後、いつまで痛みが続くものなのかや患部の痛みを和らげる対処法などについてご紹介します。
気になる所から確認してみよう
親知らずとは?
親知らずは「知恵歯」、歯科用語では「8番」などとも呼ばれ、前から8番目の1番奥に生えてくる歯のことをさします。
歯が生え揃う乳児期とは違い、親がこの歯が生えてきたのを知らない10代後半〜20代前半の思春期に生える為、「親知らず」という名前がついたと言われています。
上あごに2本、下あごに2本の最大で4本の親知らずが生えますが、4人に1人の割合でまったく生えてこない人もいます。
親知らずの抜歯をするなら若いうちに
親知らずが正常に生えていて、噛み合わせがきちんとしていれば抜歯をしなくても良い場合もあります。
痛みなどの異常がなければ、しっかりした歯が余分にあることになるのでむしろ良かったと言えるでしょう。
ただし、斜めや横向きに生えていたり、痛みなどの異常がある場合には抜歯を勧められるケースが多く、
症状をそのまま放置しておくと最悪の場合、親知らずから進入した菌によって死亡することもあります。
また、年齢が上がるとあごの骨と歯根が癒着して手術が困難になる場合があるので、異常がある際にはなるべく若いうちに抜歯するのが良いとされています。
親知らず抜歯後が痛い!いつまで我慢すれば楽になる?
親知らずの抜歯手術は、生え方や生えている位置によっても変わりますが、だいたい15〜60分程度で終わることが多いようです。
抜歯をするときには局所麻酔などが使われますが、麻酔が切れた後すぐに「ジンジン」「ズキズキ」と痛んできます。
この抜歯後の痛みはいつまで続くものなのでしょうか?
下あごの抜歯の方が痛みが強く長引きやすい
親知らずは生えている向きや位置によって手術の時間や手術後の痛み方が大きく異なります。
歯の硬さは上下で違い、上の歯よりも下の歯の方が固いとされています。
その為、上よりも硬い下の歯は抜けづらく、また、斜めに生えている場合が多いことなどから、比較的抜歯しやすい上あごに比べ、抜歯しづらい下あごの方が抜歯後の痛みが強いようです。
加えて、上あごの場合よりも骨を削ったり砕いたりすることも多い為、腫れや痛みが長引きやすいのです。
個人差はありますが、だいたいの場合1週間〜2週間ほど痛みが続くことが多く、その後は徐々に落ち着いてきます。
痛みのピークは抜歯後2日目のことが多いので、抜歯をする際には連休前などにできるようスケジュールを組むと良いでしょう。
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親知らず抜歯後の痛みに効く薬はある?
親知らずを抜歯した後は、歯科医から痛み止めと菌の繁殖を防ぐ為の抗生物質や化膿止めなどが処方されます。
処方される痛み止めは1日〜3日分のことが多いですが、飲みきった後も痛みが続く場合には市販の痛み止めを使用しても良いでしょう。
ロキソニンやバファリンなどは薬局でも購入でき、比較的痛み止めの効果が高いとされています。
ただし、これらの薬にアレルギーがある場合や、歯科医から処方された他の薬と併用するときには、飲み合わせなどもありますので購入前に必ず薬剤師に相談しましょう。
親知らず抜歯後の痛みを和らげる対処法
1週間〜2週間、人によっては1ヶ月ほど続くこともある抜歯後の痛みは想像以上に辛いですよね。
痛みを和らげる方法や、傷の治りを促進して痛みが続く期間を短くできるような方法を5つご紹介します。
冷やすのは抜歯後24時間まで
抜歯後、24時間以内は急性症状が現れている為、冷たいタオルなどをあてると痛みが和らぎます。
手術当日、家を出る前に、固く絞ったタオルを冷蔵庫に入れておくと帰宅してからすぐに使えるのでおすすめです。
抜歯後、24時間以降は、冷やすよりも温めた方が血液の循環を良くするので、痛みや腫れが和らぎます。
また、血流が良くなることで傷の回復を促進させる効果も期待できます。
我慢せずに痛み止めを飲む
痛み止めを飲むタイミングは、麻酔が切れて痛みを感じる前に飲みましょう。
一度、痛みを脳が覚えてしまうと効きにくくなることがあります。
また、処方された痛み止めがなくなってしまったら、市販の痛み止めを使用しても良いでしょう。
アルコールや喫煙を控える
血流を良くすることで痛みや腫れを和らげ、傷の治りを促進させることができるので、血管を収縮させてしまう喫煙は控えた方が良いでしょう。
また逆に、アルコールを摂取すると血流が良くなりすぎて血が固まりにくくなり、痛みが長引く場合があるので、こちらも控えた方が良いと言えます。
うがいをしすぎない
抜歯後の傷口は、歯茎が抜歯後の穴を覆うまでの間、「血餅」というものがかさぶたの役割をしています。
うがいをすることでこの血餅が取れてしまうと、傷がふさがりにくくなり、痛みや出血が長引く「ドライソケット」という症状になる恐れがあります。
ドライソケットになると飲食時に激痛が走り、治療には1カ月以上抗生物質を飲まなければならないので注意が必要です。
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処方された薬はしっかりと飲み切る
抜歯後、痛みが引いたとしても、処方された化膿止めや抗生物質はきちんと飲みきりましょう。
途中でやめてしまうと傷口から菌が進入して再び痛みや腫れなどの症状が出たり、治りかけていた症状が悪化する場合があります。
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まとめ
以上、親知らずの抜歯後についてでしたがいかがでしたか?
親知らずが痛むなどの症状があれば、早めに歯科医に診てもらってくださいね。
年齢が上がると抜歯に時間がかかったり痛みが強く出る場合もあるので、30代になる前に抜歯しておくと安心です。
また、妊娠中は飲める薬などが限られて痛みや治療が長引くことがあるので、妊娠前に歯科医に相談するのが良いでしょう。
症状が悪化してから受診する方も多いと思いますが、歯の定期健診を受けることも大切なので、この機会にぜひ受けてみてください。
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