諦めないで!歯茎が下がるのを3つの治療で戻す事ができる!
<監修医師 みのり>
「8020運動」をご存知ですか?これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
平成元年から厚生労働省と歯科医師会が提唱し、運動を続けています。
そんななか、最近は若い人でも歯茎が下がり、歯そのものの健康が低下してきています。
歯茎を丈夫にするには、どんなことが必要なのでしょうか?
20代でも増加している!歯茎が下がる原因
歯茎が下がる原因とは、いったいなんでしょう?
加齢
年を重ねるごとに、体のいたるところで衰えが出てきます。
歯茎もその一つです。
この下がり方は、平均値なので、口腔内の環境が悪いと、もっと下がる人もいます。
オーバーブラッシング
あなたは普段、どんな歯磨きをしていますか?
汚れが気になって、“ゴシゴシ”歯を磨いている人は要注意!
その磨き方が、歯茎を下げている原因のひとつです。
本来歯磨きは虫歯菌の固まりを破壊し、細菌を歯の表面から除去することが目的です。
ゴシゴシ歯磨き(オーバーブラッシング)を行うと、細菌だけでなく歯茎を傷つき、弱らせてしまう原因になります。
歯ブラシの毛先がすぐボサボサになり、変えるタイミングは早い人はオーバーブラッシングの可能性が高いです。
また、オーバーブラッシング以前に、夜、歯を磨かないのは言語道断!
虫歯菌や歯周病菌を増やし、歯茎が下がるのに拍車をかけてしまいます。
歯周病
一番の原因は「歯周病」です。
最近の歯磨き粉でも虫歯ではなく歯周病に特化したCMを多く見かけるようになりました。
歯周病とはどんな疾患なのでしょうか?歯周病にかかると、歯茎に歯肉炎が起きます。
歯肉炎が起こると歯と歯茎に隙間ができ、そこにプラーク(歯垢)が溜まります。
プラークが溜まると、どんどん炎症が進み、次第に歯茎が歯を支えられなくなります。
最終的には歯が溶けたり、抜け落ちてしまいます。
歯周病は日本人の約8割がかかっていると言われています。
かみ合わせ
かみ合わせも歯茎を下げる原因のひとつです。噛み癖がついて、いつも同じ側の歯で噛んでいる。
など、一部の歯が強く噛み合わさっている場合、他より強い力がかかり、歯茎が痩せていきます。
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また、歯ぎしりでも、極度な力が歯茎に悪影響を及ぼし、歯茎を下げています。
歯茎が下がるのを戻す治療方法
一度下がってしまった歯茎をもとに戻すのは容易ではありません。
しかし、“ない”というわけではありません。下がってしまった歯茎を治す治療方法を紹介します。
遊離歯肉移植
歯を支えている歯肉。歯肉には歯に付着している部分(付着歯肉)と付いていない部分(遊離歯肉)があります。
この遊離歯肉は頬などが動くと一緒に動きます。
歯周病などで歯周ポケットが開いていると、遊離歯肉の動きでポケットを広げ、細菌が入りやすくなります。
そのため、歯茎の健康を維持するには、付着歯肉がしっかり歯についていることが大事です。
遊離歯肉移植とは、口の一部から上皮のついた歯肉を切り取り、歯の根の周りに移植します。そして、付着歯肉を獲得する方法です。
結合組織移植
こちらの移植方法は、歯茎が痩せている、歯茎が薄い、歯が抜けてしまっている状態に適応します。
口の一部の歯茎を取り、これらの状態の歯茎に移植する方法です。
歯の根元が露出しているのを治療するのに有効な治療方法です。
咬合調節(こうごうちょうせい)
歯茎が下がる原因が、噛み合わせの悪さだった場合。
歯茎の治療だけではなく、噛み合わせの調節を行うことがあります。
噛み合わせの調整は2つ。歯と歯茎を引っ張り上げる「エクスとルージュ」。隣の歯の歯茎を移動する「歯肉弁側方移動術」があります。
歯茎が下がりの対策方法
歯肉が下がっても、移植手術などで歯肉は戻せることがわかりました。しかし、どの方法も手術で大掛かり。
お金をなるべくかげず、歯茎が下がるのを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
正しいブラッシングを取得
歯茎が下がる一番の原因は「歯周病」。その歯周病を防ぐには正しいブラッシングを行うことです。
歯ブラシはペンを持つように持ちます。歯と歯茎の間に沿わせ、細かく小刻みに歯ブラシを動かし、歯を磨いていきます。
このとき、余計な力を入れず、ゴシゴシと磨かないように気を付けましょう。
特に、歯周病菌は唾液が少なくなる夜間に増えます。特に夜と朝の歯磨きは歯磨きを習慣づけましょう。
歯ブラシ選び
ブラッシングの仕方と共に重要なのが、歯ブラシ選び。
歯周病を防ぐには、「柔らかい」「ヘッドが小さい」歯ブラシが適しています。
また、歯ブラシを変える目安は1~2か月。見た目でブラシが広がっていなくても、傷んでいます。
傷んだブラシでは、歯を傷つける原因にもなるので、こまめな交換が良いでしょう。
歯に必要な栄養素を摂取する
歯茎で支えられている歯(歯槽骨)に必要な栄養素を摂取することも、歯茎の健康を保つ一つの方法です。
必要な栄養素はカルシウム・ミネラル・コラーゲン・ビタミンCです。
いかがでしたでしょうか?歯を支える歯肉は、手術によって治療可能です。
しかし、手術までいかないためにも、日々のブラッシングがとても重要になります。歯茎が下がるのを防ぎ、健康を維持しましょう。
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