離人症の症状チェック!【3つの原因をご存知ですか?】
<監修臨床心理士 鈴木崇弘>
「離人症」という言葉を聞いた事はありますか。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは「生活に現実感がなく、全てが他人事のように違和感を感じる」というような病気です。
この病気の症状は普段健康な人でも、疲れていたり睡眠不足になっている時に起こる可能性があります。今回は離人症についてお話しします。
気になる所から確認してみよう
離人症とは
離人症とは「現実感がない、違和感を感じる」というような症状があります。なかなか聞き慣れない病気ですが、精神障害の一種である「解離症状」のことを指します。
自分自身の身体から一体性を失うような体験をする事があり、例えば生活に違和感を感じるような事から、自分の身体から自分が離れて、自分を見ているような幽体離脱のような感覚まで様々です。
離人症は抑うつ症状や不安状態などに引き続き、実は3番目に多い発症率の症状です。
精神症状に付随して発症する離人症と身体がふわふわして現実感がないような感覚がある場合の離人症を「解離性障害」というものもあります。
離人症の症状は周囲の人にも分かりづらく、本人もうまく説明が出来ないケースも多いので、周囲に理解してもらえないことも多々あるようです。
鬱症状についてはこちらを参考にして下さい。
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離人症の症状チェック
離人症である事は自分自身では気づきにくいかもしれません。離人症かどうかをチェックするための症状をお話しします。
現実感が無くなる事がある
何をしていても実感がない、生きている実感がない、寒いや暑いの感覚がいまいち湧かないなど、自分に起きている事が自分の事なのに、自分には関係ないような感覚に陥る事があります。
喜怒哀楽がない
一般的な喜怒哀楽が無い、食欲や性欲などの一般的な欲求が機械的な作業の様になってしまうといった何をやっても喜怒哀楽が無く、無表情な状態が多い事が挙げられます。
感情が鈍麻してしまう症状についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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身体のふわふわした浮遊感
宙に浮いているような感覚、自分の身体なのに自分の身体ではないような別物の感覚に陥ると言われています。
自分を客観的に見ているような感覚
もう一人の自分が自分を見ているような感覚になります。ぼーっとしたりする状態が続いたり、自分自身を背後から傍観しているような感じがしたりします。
見えない壁や膜があるような感覚になる
見えない壁や自分の周りに膜が張っているような感覚になり、自分が居る場所とは別にもう一つ他に世界があるような感覚に陥る状態になります。
離人症の症状は持続的に続く場合もあれば、一時的なものもあります。様々な症状がありますので、離人症の見極めは難しい事も多々あります。
離人症の原因
離人症とは何か、離人症の症状を見てきましたが、離人症の原因は何なのでしょうか。3つの原因について、お話ししていきます。
様々なストレスやトラウマ
いじめや虐待、ストレスの多い家庭環境、両親の不仲など「安心できる居場所が無い」という状況が、離人症の原因になる事があります。
自分と置かれている現状を切り離す事で様々なストレスやトラウマから、自分自身の心を守ろうとする防衛反応が生じるからです。
薬物の乱用、不安障害、気分障害、統合失調症など
これらの精神障害が原因となって、併発する可能性があります。他にも薬物の乱用なども同様に原因となると考えられています。
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脳神経疾患
脳の疾患などが他の要因と複雑に絡み合って、発症する可能性があります。
離人症を発症する原因については様々な要因が考えられていますが、実は明確な原因やメカニズムは医学的に解明されていませんが、認知機能の障害が発症に大きく関わっているといわれています。
離人症に関してはまだまだ研究途中の事が多いと言えますね。
離人症の治し方
離人症を発症した場合の治し方、有効的な治療法があるのでしょうか。
持病の治療
もし離人症の原因が、脳神経疾患、統合失調症などの精神疾患が元となっている場合にはまず元の病気を治療する事が大切です。持病の治療を行う事によって、離人症の症状も落ち着く可能性があります。
専門医の受診
離人症の症状を専門的に診てもらえる専門医を受診するようにしましょう。誤った判断で統合失調症などと間違われるケースもあり、違う治療をする事で症状が悪化する可能性もあります。
適切な診断を受ける為にも専門医の受診をおすすめします。
カウンセリング治療
離人症の原因がストレスやトラウマなどの場合に、親身に話を聞いてもらえるカウンセラーによるカウンセリング治療は有効的と言えます。根気強い治療が必要になる可能性がありますが、本人の治したい気持ちが大切です。
いかがでしたか。自分自身でも説明しずらい病気であり、周りにも理解されにくい病気ですので、もし「離人症かな」と自分自身で思った場合には、専門医の受診をしましょう。
症状の度合いなどによっても時間はかかるかもしれませんが、根気強く治療をしていく事が重要です。
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