頭痛がして鼻血が出たらコレが原因かも【危険な病気に注意して!】
<監修医師 豊田早苗>
鼻がむずむずして鼻をいじり過ぎてしまったり、鼻を強く噛んだり、日常的な場面で「鼻血が出る」という体験をした事がある方は少なくないかと思います。
特に心配することなく、大抵は少し時間を置くと鼻血は治まる事が多いですが、それが頭痛を伴ったりすると、色々な原因が考えられます。
今回は頭痛がして鼻血が出た場合の原因などについて見ていきましょう。
頭痛と鼻血の関係!同時に起こる原因
頭痛と鼻血が同時に起こった場合に考えられる原因は主に4つの事が考えられます。
アレルギー性鼻炎
アレルギー反応によって引き起こされる、鼻の粘膜の炎症の事を言います。特に春先などに多い花粉症などもこれにあてはまります。
症状としては「くしゃみが止まらない」「鼻水が酷い」「鼻づまり」「咳が出る」などの症状が当てはまります。
アレルギー性鼻炎が酷い場合には頭痛を引き起こす事もあり、アレルギー反応により出る鼻水が原因で、鼻を強く噛んだりすることにより、鼻血が出る事もあります。
病院で自分がどのような事でアレルギー反応を起こしているかの検査を受ける事が出来ます。検査をして、治療を受ける事がアレルギー症状を悪化させない事に繋がります。
【関連記事】
アレルギー検査の費用と種類を徹底解説!
片頭痛
こめかみのあたりにズキンズキンと脈を打つような痛みがあるのが片頭痛の特徴です。主に女性に多い症状と言われています。
ストレスや疲れ、気圧の変化により、急激に血管が収縮・拡張することで神経を圧迫し、片頭痛が起こります。
片頭痛が酷い場合には気持ち悪くなり、嘔吐してしまう事もあります。女性に多い原因として、ホルモンバランスが考えられます。
生理前の症状として頭痛や酷い眠気、のぼせ、吐き気などの症状が出る方もいる為です。片頭痛の際に鼻の中の毛細血管も収縮するので、鼻の中の血管に負担がかかり、鼻血が出るケースもあります。
対策としましては、頭の痛みを感じる部分に氷枕などを当てて冷やし、安静にしておきます。
酷い場合には薬を服用しますが、最近では「片頭痛専用の頭痛薬」というものもあります。病院で処方してもらえる薬になりますので、ひどい場合には医師の診察を受けましょう。
【関連記事】
頭が痛い時の対処法!5つの役立つ治し方!
自律神経失調症
自律神経は身体の中で自動的に動いている心臓や胃腸、血管や血液などの動きを司る神経です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の二つがあり、昼間活動的になっている時には「交感神経」が働き、リラックスしている時や睡眠時には「副交感神経」が働いています。
このバランスが崩れる事により、起こる身体の不調を「自律神経失調症」といいます。
身体の不調としては主に「耳鳴り、めまい、立ちくらみ、手足の痺れ、多汗、首や肩こり、腹痛、胃痛や吐き気、微熱、精神不安定、倦怠感」など様々な身体の不調が起こります。
また、朝に血圧の上昇が見られる場合には自律神経が関係しているとも言われます。急な血圧の上昇には注意が必要です。
自律神経のバランスが崩れる事で血管の収縮が急激に繰り返される事で、頭痛と鼻血を起こす事も報告されています。
自律神経のバランスが乱れている場合には、外面より内面の要因が多い為、なるべくストレスを溜めないようにし、生活習慣の見直しが大切です。
また心因的な要因も考えられるため、カウンセリング治療や心療内科への受診も検討すべきと考えられます。
【関連記事】
自律神経失調症の症状チェック!5つの原因も解説!
熱中症
夏になると気温の高さに身体がついていくことが出来ずに起こるものです。夏場に頭痛と鼻血が同時に起こった場合には熱中症の可能性が高いですので、すぐに応急処置が必要です。
熱中症の初期症状としては「めまい、立ちくらみ、発熱、筋肉のけいれん、筋肉痛、頭痛、大量の発汗、疲労感、身体がだるいなどの倦怠感」が見られます。
熱中症は手遅れになると死に至るケースもありますので、早めに対策をしましょう。
対策としましては、頭気温の高い場所ではこまめに水分を摂る、太陽の日差しが強い場合には日よけとして日傘や帽子を着用するように心がけましょう。
頭痛から鼻血!それは危険な病気の可能性もあり
頭痛と鼻血が一緒に起こる場合には色々な原因があげられますが、中には危険な病気のサインの可能性もあります。
頭痛と鼻血が起こった時に考えられる重大な病気を3つご紹介します。
高血圧
高血圧とは最高血圧が140以上、最低血圧が90以上の血圧の状態を指します。原因は遺伝、肥満、運動不足、飲酒、塩分の摂りすぎ、喫煙、ストレスなど様々な要因があると考えられています。
高血圧は大人の男性に多いと言われていますが、仕事などでの飲酒の機会も多く、生活習慣への意識が女性よりも低いのも一因かもしれませんね。
高血圧の怖いところは放っておくと、脳卒中や動脈硬化のリスクが高まる事です。また血管の圧力が高いという事ですから、頭痛や鼻血の症状も起こる事があります。
高血圧の場合の鼻血は通常の鼻血とは異なり、「鼻の奥から出血が起こる」「出血量が多い」などが特徴です。普段の鼻血と違うと感じたら速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。
上咽頭がん
鼻の奥に出来る腫瘍で、鼻づまり、鼻血、耳の症状(耳鳴り、難聴、耳だれなど)、頭痛、歯痛、視覚的症状で病院を受診した際に見つかることがあります。
ウイルス(EBウイルス)に関連しているという説があり、生活習慣などは特に原因として考えられない為、若い人や女性でも発症する可能性があります。
鼻血と頭痛が一緒に起こった場合には疑ってみても良いかもしれません。上咽頭は場所的に脳や神経に近い場所の為、手術が難しく放射線治療や抗がん剤の治療が主になります。
白血病
白血病は骨髄で異常な白血球細胞が増える事で、正常な白血球を作る事が出来なくなる病気です。血液の癌とも言われています。
白血病の症状としては風邪のような症状(発熱、頭痛、関節痛、嘔吐など)や貧血、出血傾向(アザができやすい、頻繁に鼻血が出るなど)の症状が出ます。
白血病は大人だけでなく子供も発症する病気です。鼻血が出る、頭痛などで過敏になる必要はないですが、当てはまる症状が長く続く場合には医師へ相談してみても良いでしょう。
まとめ
鼻血が出た場合には焦らずに顔を上を向いて、鼻をしばらく抑えて安静にしておきましょう。鼻血が出そうと触ってしまいたい気持ちも分かりますが、鼻血が止まるまでは触らないようにしましょう。
稀に塊のようなものが出る事もありますが、止血されて血の塊が出ている場合がほとんどですので、あまり神経質になる必要はありません。
頭痛も辛い症状ですが、なるべく安静にして鼻血と同様に症状が続く場合には医師の診察を受けるようにしましょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。