風邪で食欲ないときはコノ食べ物が正解【子供にも安心なレシピ】
<監修医師 WASHIO>
風邪をひくと咳や痰が出る度に喉が痛んだり頭痛がしたりろくな事がありません。中でも困るのが「食欲ない」という事態です。食べなければ体力減退も心配ですし、治らないような気がして焦りますよね。
そこで今回は、風邪で食欲ないときにどの食べ物を食べるのが正解なのか、子供にも安心なレシピを解説します。
風邪のとき食欲がない原因
風邪や体調不良の際に食欲がないはっきりした原因はまだ明らかになっていません。しかしいくつかの仮説はありますので、有力な説について解説します。
自己防衛機能
私たちは「食欲がない=病気」と考え、「食欲がないことはよくないこと」と思いがちです。しかし病気や怪我の際に食欲がないことは、実は立派な自己防衛機能の一種なのです。
普段の食事で得たエネルギーは様々な用途に使用されます。しかし純粋に「食べたものを消化する」という活動に膨大なエネルギーが使用されています。
つまり食事をしなければ、その分のエネルギーを「体内に入り込んできた細菌やウイルスとの戦い」に投入することが出来るのです。
特に野生動物の場合は、怪我をしても薬や病院に頼るわけには生きません。
そのため野生動物は怪我や病気になるとひたすら「何も食べずにエネルギーを全て新陳代謝に消費する」ことと「発熱によりウイルスを排除し酵素を活性化させる」ことになります。
人間も基本的には同じですから、食欲がないことは必ずしも悪いことではありません。体力が回復すると自然に食欲ももどりますから、その際に栄養のある物を食べればいいのです。
炎症反応をおさえるため
体内に入り込んだウイルスやバイ菌は、生き物ですから活動するためにはエサが必要です。彼らのエサは、人間が食事をとり摂取した栄養素から生まれる老廃物です。
つまり食欲がないのに「体力をつけて風邪を治そう!」と思って無理に食事をとると、バイ菌を喜ばせる結果になってしまうということです。
バイ菌を撃退するために身体は炎症反応を起こし、この反応が胃腸付近で発生すると胃腸炎になります。特に夏風邪はお腹の中で繁殖する細菌が原因で、なかなか体外に排出されずに症状が長引いてしまいます。
のどの痛みや鼻水といった典型的な風邪の症状から、下痢などの胃腸にくる風邪の症状に発展する恐れがあります。そのため身体は極力食欲をなくすことにより潜在的に身を守ろうとしているのかもしれません。
胃腸炎の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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風邪で食欲がない時の対処法
風邪で食欲がない場合、どのように対処すればいいのか解説します。
無理して食べない
風邪で食欲がない場合、無理して食べる必要はありません。しばらく食べなかったとしても風邪の症状が治まる程度の期間の断食であれば生命維持には差し支えありません。
無理に食べると胃腸のはたらきが低下しているために嘔吐や吐き気、下痢といった別の症状の原因となります。
水分補給を怠らない
食事はしばらく抜いても命に別状はありませんが、水だけは別です。人間の身体はほとんど水で出来ているため、水分が体外にでていく一方だと生命維持に支障をきたします。
水分が多い食べ物、リンゴジュースや免疫力を上げる効果が期待できる黒糖や生姜を混ぜた飲み物などで積極的に水分を補給しておきましょう。一度にたくさん摂取するよりも、こまめに摂取するのがおすすめです。
脱水症状の対処方法についてはこちらを参考にして下さい。
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食欲がないときのおすすめの食べ物
風邪を引いた際には消化が良く胃腸に負担をかけず免疫力をアップさせるものを食べるのが一番です。食欲不振でたくさん食べられないと思いますので、ほんの少しの量でいいでしょう。
子供でも安心して食べられる、風邪をひいて食欲がない場合におすすめの食べ物について解説します。
子供にも安心!消化の良い食べ物
普段の食事は「栄養バランス」を考えて摂っているかと思いますが、風邪を引いた際には栄養バランスよりも消化の良い物を少しだけとるのが一番です。
おすすめの食べ物はこちらです。
✅ 素麺
✅ 雑炊
✅ 野菜スープ
✅ ゼリーなどの流動食
昆布出汁ベースの喉への刺激が低く咳き込まないような具材で作られたものが一番です。また冷たい物よりもあたたかい物の方が体力を消費せずに済みます。
風邪をひくと体内に侵入した細菌やウイルスに対抗するために身体の内部から発熱が起きます。冷たい物を食べるとこの作用が阻害されますから、できるだけあたたかい食べ物を摂取するようにします。
素麺もめんつゆで食べるよりはにゅうめんにして食べた方が消化しやすくなります。野菜スープはのどごしはいいですが、ごぼうなど食物繊維が多いものを具材に選ぶと胃腸の消化機能に負担をかけてしまいます。
細かく刻んだ玉ねぎや人参を入れるといいです。もしくは具材全てをミキサーにかけてポタージュ状態にして飲むのもオススメです。
ほんの少しのお米を混ぜて野菜を水で煮てからミキサーにかけると、自然ととろみがつくので喉が痛い際にはおすすめです。
免疫力を高める食べ物
風邪を引いているときは、免疫機構が体内に侵入した細菌やウイルスと戦っている状態です。免疫力をアップさせる食べ物を摂取すれば免疫機能アップにつながりますので、回復に一役買えます。
オススメの食べ物は以下の通りです。
✅ ヨーグルト
✅ りんご
✅ 梅干し
いずれも免疫力を高める効果のある食材です。梅干しをのせたおかゆは消化がいいだけではなく免疫力アップにも繋がるのでおすすめです。
また大根や生姜、はちみつも身体の冷え取りには最適なので風邪の際には積極的に摂取したい食材です。
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栄養価の高い食べ物
食欲不振のときはほとんど量が食べられません。体力減退が心配な場合は、少しの量で栄養価が高い物を摂取するといいでしょう。
風邪を引いたときに最も摂取しておきたい栄養素は「ビタミン類」です。特にビタミンA、ビタミンB、ビタミンCをとりましょう。中でもみかんやレモンといった柑橘系の果物がおすすめです。
生のまま食べるか、ほんの少しだけ温めて食べるのがもっとも消化に良く栄養価も高いためオススメですが、固形物を食べるのが難しいようでしたら100%果汁のジュースでもいいでしょう。
特に身体を起こすのも億劫なインフルエンザに罹患し寝込む場合は、曲がるストローを使用すれば寝たままでも摂取できるので便利です。
またいちごもビタミンCを豊富に含むのでオススメです。女性の場合は、生理前に風邪と同じような「全身の倦怠感・発熱・悪寒・食欲不振」が起こる事があります。
この場合は、食欲不振でも栄養バランスを心がけた方がいいので、いま挙げたような食材を積極的に食生活に取り入れるといいでしょう。
風邪で食欲がなくなる原因とどのような食べ物を摂取すればいいのかお伝えしました。食欲がなくなるのは本能的に身体を守ろうとしている証拠なので、水分補給さえしっかりしていれば食べなくても問題ありません。
しかし少しでも食べる気があるのであれば、今回紹介した消化しやすく免疫力アップに繋がる食べ物を食べるようにして下さい。
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